アップグレードとマイグレーションを同時に実施。
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コーポレートIT部 次長 道家 勉 氏 |
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コーポレートIT部 インフラグループ 課長代理 齊藤 啓一 氏 |
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製薬業界での競争はさらに激しくなる様相を呈している。世界規模で製薬メーカの再編が進んできた中で、国内の製薬メーカは海外の巨大製薬メーカに対抗していくために1990年代以降、再編・統合による規模拡大を図ってきた。アステラス製薬もそうした製薬メーカの1社。同社の母体である旧山之内製薬と旧藤沢薬品工業が、2005年4月合併によりアステラス製薬株式会社となった。
合併となると情報システムの統合が大きく難しい事業として立ちはだかる。同社の場合、各事業分野で情報システムの構成や運用は異なっており、基幹系システムは1993年に導入したSAPとUNIXの構成が踏襲されてきた。今回その基幹系システムの更新時期を向かえ、それまで使用していた基幹業務システムSAP R/3 EnterpriseをSAP ERP 6.0へアップグレードした。
「システム運用をいかに効率的に行なうか、そして運用コストをいかに削減するか、それらを実現するためにはアップグレートが必要と判断した」と語るのは今回のプロジェクトを推進したアステラス製薬 コーポレートIT部SCM人事グループリーダー次長の道家勉氏。
そして「新しい業務への取り組みの可能性を見極め、投資対効果を定量的に把握しながらアップグレードを実施しなければならない」と続けている。さらに今回はアップグレードするタイミングで全社の標準プラットフォームへの対応と運用コスト低減の点から、OSをUNIX(IBM AIX)から64bit Windowsへ、データベースをOracleからSQL Server 2005へ置き換えた。つまりリスクがあると言われているアップグレードとマイグレーションを同時に進めたわけだ。
新システムへの移行は2008年5月のゴールデンウィーク期間中に完了し、連休明けから本番稼動を開始している。
今回のSAPアップグレードとマイグレーションを同時に実施した理由については、「1993年にSAPを導入して以来、何度かアップグレードを経験したことで何をすべきか、何が起きるか、どこに注意すればいいのかといった勘所は大体押さえている。同時に行ってもリスクを回避できると判断した」(道家氏)のだという。
HPとSAPとのパートナーシップや実績、社内の他システムでの安定稼動を評価してSuperdomeを選定し、ストレージにはXP12000を採用
マイグレーションを実施してそれまでのIBM AIXからWindows Server 2003にプラットフォームを変えているが、「もともと会社として、標準プラットフォームはWindowsという方針がある。これまでの経緯から基幹系システムはUNIXを踏襲してきたが、今回はWindowsという方針に合わせることにした」(道家氏)。またWindowsに踏み切ったもうひとつの要因として、アステラス製薬 コーポレートIT部インフラグループの齊藤啓一課長代理は、「Windows が64bit環境に対応したことで、UNIXのパフォーマンスと遜色ないレベルに達している。もし32bitのままだったら移行はしなかっただろう」と語る。
これまでも2002年の更新段階でWindowsを検討したことはある。当時の提案はWindowsの32bit版。「Windowsの脆弱性や信頼性の問題もあったがコストパフォーマンスが期待するレベルまで達しないと判断しその時は決断できなかった」(道家氏)のだという。それが64bitで使用できるようになったことでWindowsの採用に乗り出せる環境ができた。
今回、HP製のハードウェアを採用したことについては、「Windowsの標準機としてこれまでもHP製のサーバを使用してきた。HPに対しては障害発生時の迅速な対応と解決まで粘り強く対応する企業姿勢を評価していた」(道家氏)という。ただ、今回のマイグレーションではマルチベンダでの競合によりコスト低減につなげる目的からもコンペ方式でハードウェアを決定した。その際の評価ポイントとして道家氏があげるのが「SAPとHPの強力なアライアンスとSAPマシンとしてのHPの実績」。「SAPの世界で、HPには多くのシステム構築の経験があり、シェアもNo.1、顧客満足度もNo.1と聞いていた。基幹システムとしてUNIXマシンに対抗できる堅牢性も必要であり、コストなども比較した上でHP Integrity Superdomeを選定した」(道家氏)と語る。
HP Integrity Superdomeはアステラス製薬の他システムでも使用されており、その堅牢性には実績があった。それだけではなくHP Integrity Superdomeの採用により、処理時間の短縮やシステム運用コストの低減、複数台あったWindowsサーバの集約など業務の効率化に大きく貢献した点も評価されていた。「サーバの選定においては、ひと頃流行ったベンチマークの結果よりもどれだけ技術がこなれていてシステムとして安定しているかということが重要」(齊藤氏)という。HP Integrity Superdomeは最新のテクノロジーにより、エンタープライズ規模の用途にも対応できるパフォーマンスを発揮しながら高い信頼性と可用性を実現、企業の基幹系システムを支えるハイエンドサーバとして評価が高い。それに加えて、HPとSAP両社の協業体制が両社の製品レベルでの親和性の良さを産み、パフォーマンスはもちろん優れた安定性や保守性を実現させている。HPサーバとSAPは、齊藤氏が言うところの技術がこなれたシステムなのである。
今回のプロジェクトではIBMのUNIXサーバおよびストレージの使用を止めたことで新たにディザスターリカバリサイトを構築する必要があり、大阪の加島事業所にそれを構築した。「障害対策は本システムにとって不可欠。そういう意味からディザスタリカバリシステムは本プロジェクトにおいて重要な検討項目だった。そしてシステムの安定性やパフォーマンスに影響を与えるのはストレージ」(道家氏)という考えから、数あるストレージ製品の中からHP StorageWorks XP12000を採用している。HP StorageWorks XP12000は、システムの故障停止を回避するための多くの機能を持つディスクアレイ。遠隔地にあるシステムの障害予兆を把握し、データの同期を取りながら、万が一の障害に対応できるその可用性の高さは折り紙つきである。
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