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ユーザーIDの一元管理が課題
世界的なタイヤのリーディングカンパニーとして世界 150カ国以上で事業を展開するブリヂストン。積極的な多角化により、そのビジネスは、化工品、スポーツ用品といった領域にも拡大している。我が国を代表する製造業であるブリヂストンが、今回、関連会社をも含めた統合認証基盤を構築した理由は何か。社内システム基盤の構築と運用を担当するITネットワーク本部国内IT企画推進部の根岸公一IT基盤ユニットリーダーに伺った。
「利用者の利便性の面でも管理品質の面でも、いままでのシステム認証には大きな問題があったのです」
ブリヂストン社内の各部署には、長年にわたって数多くの業務システムが構築されてきた。それらのシステムで使われるID、パスワードは、システムの構築時に部内の管理者が適宜、発行してきたという。その結果、それぞれのシステムに別々のID、パスワードが必要になっていった。
「当然のことながら、利用者からは使いづらいと不評でした」
管理の面でも問題があった。退社や異動などで、利用者がいなくなっても、いったん登録したIDがそのまま残ってしまう、いわゆる「幽霊ID」が各部署に存在していたという。
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株式会社ブリヂストン ITネットワーク本部 国内IT企画推進部 IT基盤ユニットリーダー 根岸公一氏 |
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「システム認証のユーザー情報が信頼できない、このような状況はセキュリティー上のリスクに直結します。ITインフラを管理する我々としては、ユーザーとIDを1対1に対応させ、一元的に管理する仕組みが急務でした」
当初は、認証ソリューション製品の導入も検討したという。コンサルティング会社やソフトウェアベンダーは積極的に売り込んできたが、その提案には根本的な問題があった。ソフトウェアのライセンス費用が高額だったのである。数多くの利用者を擁するブリヂストンにとって、これは現実的な選択肢ではなかった。
2008年、HPから新たな提案があった。WindowsのディレクトリーサービスであるActive Directory(AD)を活用したID管理のしくみだった。「多少、ソフトウェアの追加は必要でしたが、費用的には大幅に抑えられる。非常に現実的な提案でした」
Active Directoyを活用したシンプルな仕組み
実は、根岸ユニットリーダーをはじめとするブリヂストン側も、統合認証の基盤としてのADに注目していた。
「ブリヂストンの社内のサーバーは、ほとんどすべてWindowsマシンです。WebサーバーもWindowsの標準コンポーネントであるIISで動いています。Windows標準のADならこれらすべてをつなぐだけで、シングルサインオンを全社に展開できるのではないかと考えていたのです」(根岸ユニットリーダー)
他のベンダーに検討を促してみたが難色を示されたという。その中でADの活用を積極的に提案したのがHPだった。
「その自信には裏付けがありました。HPには、ADを活用した統合認証システムの構築実績がすでにあったのです」
その事例に携わったHPの担当営業が、AD活用の実際について、経験に基づくアドバイスから苦労にいたるまでオープンに語ったという。
「提案内容と実績から、最終的にパートナーとしてHPを選びました」
将来、認証基盤をワールドワイドに展開することも視野に、グローバル企業としてのHPの実績も評価されたとのこと。
2008年9月、要件定義の作業がスタートした。要件定義からシステム構築まで、開発の中核となったのは、ブリヂストンソフトウェアである。ブリヂストン本社をはじめ関連会社の業務システム、IT基盤の構築から運用までをトータルに担う、ブリヂストングループで唯一のIT企業だ。同社のシステム技術部システム技術第2課長上野謙一郎氏は、目指したシステムの概要をこう語る。
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ブリヂストンソフトウェア株式会社 システム技術部 システム技術第2課長 上野謙一郎氏 |
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「正確なIDデータを得るために、ブリヂストンの人事情報と関連会社の人事情報を入力データとして、それをActive Directoryのデータベースに統合し、そこから社内の各アプリケーションにIDデータを配信する仕組みを作ろうと考えました」
上野課長らブリヂストンソフトウェアのシステム技術部は、システム開発部内の人事情報システム担当者およびHPのコンサルタントとともにシステムのあるべき姿を固めながら、現状とのギャップを洗い出していった。その中にはシステム的な見地で解決できる問題だけでなく、人事部門を始めとするブリヂストン社内の調整が必要になるケースも多かったという。この社内調整には根岸ユニットリーダーをはじめとする国内IT企画推進部が当たった。
「目指したのは、シンプルな仕組みです。コアなシステムだからこそ、シンプルでなければならないのです」(上野課長)。
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