カルビーのIT部門にとって、マイグレーションの次に取り組むこととなるテーマは、ディザスタリカバリ(DR)への対応である。同社の事業継続性を強化することを目的として現在検討が進められており、今後1年程度でのバックアップセンターの構築をめざしている。「ここ1、2年に起きた新潟の地震などで、業務を停止せざるを得なかった事例が業界内でも実際に起きています。たまたま過去数年、弊社ではそのような状況には至っていませんが、いつそうした状況が発生してもおかしくないという危機感が背景にあります」
実は、カルビーが今回導入したシステム構成は、今後のDR対応を前提として策定されたという。「有事の際には開発機をバックアップ機として利用できるように、十分なスペックを持たせるよう事前にHPと協議しました。現在は本番機と同じセンター内に設置してありますが、バックアップセンターの選定時にはそこに開発機を設置します。もっとも、コスト面を考えて、本番機とまったく同じ構成にはしていません。完全に同等な環境を用意するにはコスト的にも負担が高いので、縮退運転での対応を想定しています」
そしてカルビーが今後力を入れていくのは、企業活動へのVOC反映だ。「弊社では、地域やお客様により密着したビジネス展開・商品展開をしていきたいと考えています。お客様一人一人の声をもっとストレートに、よりきめ細かく私どもが受け止めて、それを元にした商品開発や事業展開ができるように、業務を変えていかなければなりません。これは、IT抜きでは実現できないと思っています」。例えば、各地域にどのようなお客様が住んでおり、それぞれどのような嗜好性を持っているかを細かに調査する。これにより、地域に合わせた商品の販売の仕方や、商品ニーズを拾い上げて提供する。こうした新しい業務展開は、ITによる支援があってはじめて実現可能であると同氏は述べる。
さらにカルビーが何年も前から取り組んできたテーマが、トレーサビリティである。「どれだけ安全・安心な製品を提供できるかが私どもの課題です。原材料を畑で収穫してから、お客様に食べていただくまでの、一貫したトレーサビリティの仕組みをきっちりと構築していかなければなりません。実は現状でも部分的にはトレーサビリティを実現していますが、まだ完全とは言えません。最終的には、例えばポテトチップスの袋に記載された番号を調べるだけで、それがどの倉庫、どの工場、どの畑、どの品種を使って生産されたのか、瞬時に分かるような仕組みを実現させたいと考えています。HPではRFIDなどのトレーサビリティ技術にも力を入れているので、そちらの面での提案にも期待しています」 |