| ハードウェアレベルの遠隔データ複製ソリューションを採用
災害復旧を実現するには、まずは確実なデータ保護が基本だ。これは、基本的に遠隔地のサイト (データセンター)間で同じデータを保持することによって実現できる。
もっとも、データの保持の方法はさまざまだ。テープを使ってデータを受け渡しする方法、アプリケーションの機能を使って差分データをこまめに送る方法などがある。RTOやRPOを達成できるかどうか、投資コストは許容できる範囲内か、運用は容易か、といった観点から適切な方式を選択することが必要だ。 そうした中でカルビーの目に留まったのがHPからの提案であった。
HP StorageWorks XP10000ディスクアレイを遠隔地の二つのサイトに設置。同ストレージがもつ「筐体間ミラーリング機能」を利用し、ネットワーク経由でデータをリモートコピーするというものだ。
「筐体間ミラーリング機能は、ハードウェアレベルで同期を取りながらストレージ全体のデータを自動的にコピーするため、個々のアプリケーションやデータベース側でその処理を意識する必要は全くありません。シンプルな運用を実現して管理者の負担を最小限に抑えるとともに、データ欠損に対するリスクを下げることができるという意味で、私たちにとってベストな方式でした。当初懸念していたコストも、当社のIT予算に収まる範囲内であり、HP StorageWorks XP10000ディスクアレイは、非常にメリットの大きなソリューションであると判断しました」と、西村氏は評価する。
そして、最終的な導入の決め手となったのが、HP StorageWorks XP10000ディスクアレイの実績である。
「HP StorageWorks XPシリーズは、非常に遠距離間のデータコピーにも利用されていることを知りました。こうした豊富な導入実績と、HP自身が持っているDRシステムの構築・運用ノウハウに大きな安心感を得ました」と梶ヶ野氏は言う。
もちろん、既設のHP StorageWorks EVAも外部ストレージとして利用できる。これによって首都圏センターのHP StorageWorks XP10000ディスクアレイに大容量のディスクを追加しないで済み、機材としての新規投資を低減。さらにHP StorageWorks EVAからHP StorageWorks XP10000ディスクアレイにデータ移行を行わずに済むために構築期間を短縮でき、コストも抑えられる。
既存のIT資産の有効利用を図り、トータルコストを削減
HP StorageWorks XP10000ディスクアレイの筐体間ミラーリング機能ならではのもう一つのメリットは、距離による制限を受けることなく、ほぼリアルタイムでデータをコピーできるという点だ。これによりカルビーは、フリーな視点からDRサイトを設置する地域を検討することができたという。その結果、選んだのが沖縄の地である。
「沖縄は全国最小値の地震係数が示すとおり、もともと地震の少ない地域です。同時に、首都圏から1600km以上離れており、同時に被災する確率は極めて低いといえます。また、沖縄県は産業誘致政策に基づく各種の支援制度や優遇措置を実施しており、専用線の通信コストを安く抑えることができます。さらに好都合なことに、建屋免震や電源・通信回線の二重化といった充実した設備を備えたFRT社のデータセンターが開設されたのです。こうしたさまざまなメリットから、当社は沖縄にDRサイトを設置することに決めました」と梶ヶ野氏は言う。
もっとも、首都圏データセンターとほぼ同じ構成のITインフラを、沖縄データセンターにも新たに用意するというのでは、多大なコストがかかってしまう。そこでカルビーは、首都圏データセンターにおいて開発用サーバとして運用していたHP Integrityサーバ rx7620を沖縄に移設。そして、両センターにHP StorageWorks XP10000ディスクアレイを追加することにより、既存のIT資産を活かしながら、必要最低限の投資でDRシステムを実装するという方法をとった。
またカルビーは、災害復旧体制を立ち上げるまでの手順をまとめたHPのテンプレートをひな型として活用した。このテンプレートは、HP が災害対策分野における豊富な経験をベースに災害復旧体制を立ち上げるまでの一連の手順やフローチャートなどをまとめたものだ。こうしたテンプレートの活用も功を奏して、災害対策プロジェクトが発足してから、わずか6カ月後の2006年11月に沖縄データセンターの運用を開始した。
「ITインフラの設計はもとより、そのサービスを工場や物流などを含めた業務にいかに適用していけばよいのかなど、災害復旧体制の構築に際しては事前に解決しておかなければならない多くの問題に直面します。仮に、それらのすべてにゼロから取り組んでいたとしたら、おそらく膨大な時間を要していたと思われます。HPのさまざまな提案やアドバイスを参考にしながら、私たちの都合の良いように取捨選択できたことが、今回の短期間かつトータルコストを最適化するITCPの実現につながっており、HPのサポートやコンサルティングには非常に感謝しています」(西村氏)
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