インシデント管理をサービスデスクに集約し自動化の起点に
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「HP Service Manager(HP SM)」は、ITIL v3に準拠したサービスデスクツールとして広範な実績がある。 インシデント管理、問題管理、変更管理、リリース管理、構成管理など、サービスデスクツールに求められる様々な手順をITIL v3に基づいた手法で管理することができる。
一方「HP Operations Orchestration(HP OO)」は、業界を代表するRBAツールだ。イベントの検知からクローズまでの業務手順をHP OO上で定義することで、様々なプロセスを自動処理することができる。オーケストレーションの名が示す通り、複数のツールに指示を出して、システムを横断するような大規模なワークフローの自動実行も可能だ。
「IIJGIOコンポーネントサービスでは、システムの稼働状況やパフォーマンスボトルネック、キャパシティ等を常時監視し、何らかのインシデントが発生すると、お客様のポリシーに応じてオペレーターまたはエンジニアがサポートを行います。監視対象のシステムは、案件数で言うと1,000を大きく超えています」(大國課長)
これは、IIJ GIOコンポーネントサービスに用意された「モニタリング&オペレーションアドオン」というメ ニューだ。契約ごとに異なるポリシーに合致した運用監視サービスを、24時間365日体制で提供している。
それでは、この1,000を超えるシステム、ユーザー企業ごとに異なる運用ポリシーに対して、IIJ GIOはいったいどのように「サービス運用の自動化」を実装したのだろうか。福原氏は次のように説明する。
「まず、監視ツールが検知した様々なイベントを、インシデント情報としてサービスデスクツール(HP Service Manager)に集約します。ここでインシデントをチケットとして管理し、その推移をトラッキングし、最終的にクローズするまで保持します。そして、インシデントの発生からクローズまで、標準化・定型化されたプロセスをHP Operations Orchestrationで自動処理するのです。これが大まかな流れですが、業務手順の標準化が大きなポイントです」
言うまでもなく、運用工数(=コスト)が大きいのは人手を介したプロセスだ。福原氏の言う「業務手順の標準化」をどこまで行えるかによって、人手を介さなくていい(=自動化)比率は大きく変わる。
「お客様ごとに異なる運用ポリシーに対して、業務手順を標準化することは容易ではありません。私たちは、リソースオンデマンドサービス「IBPS」の提供開始から10年、多くのお客様のニーズに共通する『核となる業務プロセス』を抽出する作業を積み重ねてきました。そして、IIJ独自のナレッジを組み込んだ標準業務プロセスを次々と構築していきました」(福原氏)
全イベントに対する復旧プロセスの自動化率75%を達成
実際にHP Service ManagerとHP Operations Orchestrationが連携して、自動化されている業務手順の例を紹介してもらおう。福原氏は次のように説明する。
「監視対象サーバーのCPU使用率が特定の値を超えたとしましょう。数分後に負荷が下がってCPU使用率が正常値に戻りました。こうした場面で必要となる業務、つまりお客様へのイベント発生の連絡、復旧の連絡、レポーティング情報の収集までを一貫して自動処理しています。もちろん、イベント発生と復旧情報を付け合わせして、問題がないことを確認する作業も自動化しました」
この例では、HPServiceManagerがイベントをフィルタリングし、経過をトラッキングしつつHP Operations Orchestrationに自動処理を実行させるか、サポートセンターが対応するかを切り分けている。またユーザー企業への連絡も、通報システムやユーザーポータル等のシステムとの連携をHP Operations Orchestrationが自動実行する仕組みだ。
もしこうした業務を人手で行おうとすると、システム規模に比例して人員を確保しなければならない。競争の激しいクラウド市場において、価格優位性を 保つことが難しくなるはずだ。
「監視ツールでイベントをフィルタリングして、 インシデントとして管理する件数を半分に。HPSMとHPOOを連携させた自動処理によって、サポート センターが対応する件数をさらにその半分にしています。全イベントに対して、およそ75%の自動化率を達成している計算になります」(福原氏)
事実、IIJGIOは2009年のサービス開始から急成長を続けているが、サービスオペレーション本部は大きく体制を変更することなく、顧客満足度の高い運用サポートを提供している。
「障害の迅速な通知、早期のサービス復旧、解決過程のトラッキングなど、お客様には様々なニーズがあります。こうしたニーズに迅速かつ的確に応えていくこと、それを実行できる環境をつくることが、私たちの運用業務の効率化にダイレクトに結びつくことを実感しています」(大國課長) |