| サーバー30台をブレードサーバー7台に集約
システム構成が定まり、生物理工学部のシステム更改プロジェクトは2011年3月初め、約1カ月半の予定で構築作業がスタートした。だが、同月11日に東日本大震災が発生して国内の物流網が寸断されてしまった結果、一部のコンポーネントについて納入の目処が立たなくなるという事態に陥った。
「春休みの時期を逃すと、研究や講義に影響を与えてしまう」――同学部とNTT西日本は急遽、この時点までに移行を終えていたシステムをいったん旧サーバーに戻したうえで、構築作業を4月末から5月上旬にかけてのゴールデンウィークに延期し、10日間で集中して移行・構築作業を行うというスケジュールに変更された。
NTT西日本は「予期せぬ事態とはいえ、構築作業をわずか10日でやり遂げることがいかに困難であるかは承知しておりましたが実際ハードな日々でした」と、当時の作業状況を次のように振り返る。
「結果として、すべての構築作業を変更したスケジュール通りに完了させることができました。サーバー統合によって機器の台数が大幅に減った分、設置やシステムのインストール、設定作業などを短期間で済ませられたことと、各コンポーネントが検証済みの状態で納入されるため、基本的には組み合わせて設置するだけというHP CloudSystem Matrixの特徴が功を奏した格好です」
NTT西日本が言うように、HP CloudSystem MatrixとVMwareによるサーバー統合の効果は絶大であった。サーバールームを圧迫していたラック5台/サーバー30台は、ラック1台/ブレードサーバー7台にまで集約された。また、新しい仮想サーバー環境を容易に運用できるようにするために、障害予兆感知、リモート管理、電力管理など豊富な機能を備えた「プラットフォーム管理システム」が新たに構築された。
物理サーバーが故障したときには、代替機器が届かないことに復旧作業を行うことができない。NTT西日本によると、新システムの構築に際しては、仮想化環境の特性を生かして、どれだけ復旧作業のスピードを早められるかについても追求されたという。同社は新システムに備わる障害復旧機能について次のように説明する。
「システム/ネットワーク全体の状況を可視化し、障害の予兆を感知してプロアクティブな対応を可能にするプラットフォーム管理システムは、迅速な復旧において大きな役割をはたします。また、HP CloudSystem Matrixのサーバー管理ツールであるHP Insight Dynamicsを使うことで、管理者はシステムを停止させることなく、ドラッグ&ドロップ操作でサーバーを容易に切り替えることが可能になっています」
大規模な仮想サーバー環境が構築されたのに伴って、サーバーと各学科を結ぶネットワークインフラも大幅に増強されている。新システムで採用された「HP バーチャルコネクト Flex-10 イーサネットモジュール」は、10ギガビットイーサネットを4つのFlex NICに分割し、各Flex NICに任意の帯域幅を割り当てる事を可能にする。この仕組みにより、ブレードサーバー/サーバースイッチ間は10ギガビット帯域で冗長接続され、サーバー/教室間など他のネットワークも従来の100メガビットから1ギガビット帯域へと増強された。この増強は、生物理工学部のシステムの大きな特徴であるVID/ネットワークブートシステムを利用するときと、運用管理担当者がリモート管理作業を行うときの両方に快適なレスポンスをもたらしている。
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