| 新たに仮想化ソリューション「Integrity VM」を導入し適材適所なサーバリソースの最適化を実現
HP Integrity Superdomeによる新しいMAIN-21における最大のポイントは、HPが提供する「統合化された仮想化技術」を存分に活かしていることにある。仮想化技術はサーバ統合を実現する手段として注目を集めているが、SAP ERPのようなミッションクリティカルな領域での適用は、一般的にはこれから本番を迎えるというのが実情だ。しかし丸紅では2004年のサーバ・ハードウェアの統合時からHPの技術を採用し、仮想化のメリットを着実に実現している。
今回のハードウェアリプレースプロジェクトで採用された仮想化技術は3種類あり、本番環境には以前から実装していたnParsおよびvParsの組み合わせを引き続き適用し、サーバリソースを最適化。さらに今回は開発・検証環境に、サーバのリソースをソフトウェアレベルで柔軟に分割できる技術として、新たにHP Integrity Virtual Machines(Integrity VM)を採用している。
nParsは、CPU、メモリ、I/Oなどといったサーバのハードウェアリソースを電気的に分割する物理パーティションである。それぞれのパーティションが完全に独立したサーバとして動作可能となるため、OSレベルでの障害はもとより、ハードウェア障害の影響を個々のパーティションに封じ込めることを可能とする。
一方のvParsは、nParsに柔軟性を持たせることを目的に、nParsをさらにいくつかに分割するための論理パーティションである。その特徴は、アプリケーションの負荷状況に応じて、vParsのプロセッサー数をシステム動作中に変更できる点にある。そのため、夜間バッチ処理の負荷に対してもプロセッサーの割り当てを変更するだけで対処が可能となり、「物理的なサーバ」に縛られない運用が可能となる。
新たに採用されたIntegrity VMは、vPars同様に論理パーティションであるが、vParsがファームウェア上に複数OSを動作させる仮想化技術であるのに対して、ホストOS上でゲストOSを動作させる仮想マシンによる仮想化技術となっており、サーバリソースの共有を可能にする。今回、Integrity VMを使うことでメモリの共有ができるようになっただけでなく、インスタンスの許容範囲内で複数のサーバを立てることが可能となった。その意味で、開発・検証環境に最も適した仮想化技術といえる。なお、丸紅ではこのIntegrity VMを用いた仮想化技術をサンドボックスにも活用している。プロジェクトで事務局を務めた情報企画部 基幹システム課の近藤伸介氏は、その効果について次のように語る。
 |
 |
丸紅株式会社 情報企画部 課長 基幹システム課 近藤 伸介 氏
|
 |
「前世代のSuperdomeでは1環境のみだった『サンドボックス』の機能が大きく拡張されました。当社では本番サーバを丸ごとサンドボックスにコピーすることで、実データを使った高度なシステム検証を可能にしていますが、今回提供されたIntegrity VMの技術により、このサンドボックスの中に複数の環境を並存させることができるようになったのです。その結果、発生するイベントやプロジェクトに応じたさまざまなシステム検証を、自在に中身を入れ替えながら、並列的に実施できるようになりました。仮想化がもたらしたこの柔軟なシステム構成が、システム検証の精度を飛躍的に高めていると感じています」
なお、一般的にサンドボックスによる検証環境は、カットオーバー後に縮小される傾向にあるが、ワールドワイドで活用されている「MAIN-21」においては、常に世界のどこかでアプリケーションの改修や追加が実施されている。それだけに、今後も仮想化技術によって持続的に世界中の検証環境を用意していく予定だ。
|