| 優れたカスタマイズ性を活かして利便性とセキュリティを両立したWeb認証を実現
そこで同学の情報連携統括本部が主体となり、構築に取り組んできたのが名古屋大学無線ネットワーク「NUWNET」(Nagoya University Wireless NETwork)である。
同ネットワークは、2003年頃より実験サービスとして段階的に整備を進めてきたもので、システムインテグレーションにあたった東朋テクノロジー株式会社を介して、トータル1,000台を超えるHP の無線LANアクセスポイントHP E Series Access Point(HP E Series MSM320 Access Point、 HP E Series MSM410 Access Point)ならびに12台の無線LANコントローラーHP E Series MultiService Mobility Controller (HP E-MSM760 Mobility Controller JP)を導入。豊川キャンパスを除く3つのキャンパスをカバーする無線LANのインフラを整えてきた。
そして、2008年に正式サービスへの移行を目指した利用面の整備に着手。利用の際に特別なドライバーを必要とせず、IEEE802.11bに準拠したWi-FiならびにSSL に対応したWebブラウザを持つモバイル端末であれば、簡単にNUWNETのサービスを利用することができるようにした。
そして2010年4月、システム改変の作業を完了し、同学のすべての構成員(教職員や学生)を対象とした全面的なリリースに至ったのである。正式サービスへの移行にともない、認証するIDを名古屋大学IDに一本化。またアクセスポイントの設置範囲も大幅に拡大している。
八槇氏は、このシステムを次のように説明する。 「NUWNET の認証系は、大きくRADIUSサーバー、認証Webページ、LDAPサーバーから構成されており、コントローラーが各端末からのHTTPアクセスを取得し、Webサーバーへリダイレクトして認証Webページ(ログイン画面)を表示します。この画面から入力された名古屋大学IDならびにパスワードに基づいてRADIUSサーバーが利用者データベースを参照し、RADIUS認証の許可を出すというのが基本的な仕組みです。
なお、無線LANアクセスポイントとNICEの間ではNAT(ネットワークアドレス変換)を行っているため、NICE側から直接端末にアクセスすることはできず、外部からの攻撃に対する保護に配慮しています。また、無線LANアクセスポイント下の端末間の直接通信も制限されています」
そして、各キャンパスのサービスエリア内に配置された多数の無線LANアクセスポイントを束ねるとともに、上記のようなWeb認証にまつわる一連のやりとりを担っているのが、無線LANコントローラーである。
「HP E Series MultiService Mobility Controllerを使用したWebページはカスタマイズ性に優れ、ログイン画面を自由に作り込めるなど、ユーザーが親しみやすいアクセス環境を容易に構築することができます。一方、誰が、いつ、どのエリアからログインしたのかといったアクセスログを取得できるなど、しっかりした管理性も備えており、我々のニーズにとてもマッチした無線LANコントローラーでした」と八槇氏は語る。
なお、同学では教職員や学生(名古屋大学IDの保持者)の他、学会などで一時的にインターネットサービスを行うケースを想定。ゲストユーザーIDを簡単な手続きで迅速に発行できる体制を整え、柔軟な運用を行っている。
ただし、同一エリアからの接続を除いて多重ログインは許可されない。異なるエリアから接続が行われた場合、古いログインセッションは強制的に切断される仕組みになっており、セキュリティを確保しているという。
公開されたAPIを活用しアクセスポイントの設定を一括変更
もっとも、アクセスポイントの台数が1,000台を超えるほどの大規模かつ広いエリアをカバーする無線LAN環境を、長期にわたって安定的に維持管理するのは容易なことではない。一般企業と違って専任の運用部門を持たない同学にとって、これは特に切実な問題であった。
そうした中で同学が評価するのが、NUWNETの基盤を支えるHP E Series Access PointならびにHP E Series MultiService Mobility Controller の高い信頼性と使い勝手の良さなのである。
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情報連携統括本部 情報推進部 情報基盤課 情報基盤グループ 石原 正也氏 |
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同学 情報連携統括本部 情報推進部 情報基盤課 情報基盤グループの石原正也氏は、このように語る。 「実験サービスの頃から含めると、初期に導入した機器は10年近く使い続けていることになるわけですが、HP E Series 無線ネットワーキング製品はほとんど故障したことがなく、安定して稼働を続けています。また、無線LANコントローラーを介して各エリアの無線LANアクセスポイントの利用状況や負荷状況を監視することができ、運用担当者としても非常に助かっています。また、毎年4月は新入生に対するオリエンテーションなどで無線LANへのアクセスが集中する時間帯が多くなるのですが、HP E Series 無線ネットワーキング製品はその負荷に耐える十分なパフォーマンスを備えており、快適なサービスを提供しています」
さらに、八槇氏が一押しするのが、HP E Series Access Pointが持つ自律モードならびにAPIを利用した柔軟な運用形態である。自律モードとは、無線LANアクセスポイントを単体で運用する方式だ。
HP E Series Access Point は、自律モードと、複数の無線LANアクセスポイントをコントローラーで集中管理する制御モードの両方に対応するとともに、そのどちらのモードにおいてもほぼ同等の機能が実装されており、同じ水準で活用することが可能なのである。
そこで同学は、大学ならではの実験的なネットワーク構成にも対応できることを想定して自律モードを選択するとともに、その運用をAPI の活用によって効率化している。
「HP E Series Access Pointを使い込むに従って便利さを感じたのは、ネットワーク経由の設定インタフェースが充実していることです。この仕組みを利用し、無線LANアクセスポイントの設定を一括してリモートで変更するSOAPプログラムを作成しました。仮に、こうしたAPI が公開されていなかったとしたら、1,000台以上ある無線LANアクセスポイントを個別にメンテナンスしなければならず、自律モードでの運用は苦労したかもしれません」と八槇氏は語る。
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