| アウトソーシングの導入効果
SAPアウトソーシング・サービスの効果は、まず運用管理の充実ぶりにあらわれました。R/3による商事管理系システムでは、ホスト時代に比べて管理項目を大幅に増やしており、基本となるパフォーマンス管理、リソース管理、バックアップ管理、構成管理、ジョブ管理、障害監視に加えて、ユーザ管理、セキュリティー管理、ハウスキーピング、リストア、運転スケジュールなどが加わりました。HP
OpenView vantagepoint Operations(統合運用・監視)、HP OpenView
omniback II(ストレージ管理)、日立のJP1(ジョブ管理)などのツールを利用した統合管理でシステム全体が1カ所から把握されています。また、システムの状態をより深く知り、障害を予測することで、トラブルシューティングやリカバリの頻度を大幅に減らし、システムの可用性を大幅に向上させることに成功しました。
横田氏によれば「心臓部を任せるアウトソーシングという形は、ニチレイとしては多少の不安がありました。」とのこと。しかし、メインフレーム時代は運用の立ち上げに1年かかったものをわずか2ヶ月でこなすなどの成果をあげ、HPは高い評価を獲得。運用管理のコストを明確に掴めるといったアウトソーシングの利点も明らかになりました。
SAPアウトソーシング・サービスの特長は、ユーザ企業とHPの間でSLA(サービスレベル・アグリーメント)をベースに作業手順を決め、それに基づいて正確にサービスを提供する点にあります。ニチレイとHPの間で手順と作業分担、責任範囲が明確になっており、HPでは日常の運用で明らかになった問題点をあいまいにせず文書化して改善していくといった徹底を図っています。これらの作業が効果的に運用業務全体のクオリティーを上げ、SAPアウトソーシング・サービスに対するさらに高い評価につながりました。
「これからはメインフレームとサーバ、ネットワーク、EDIも運用を統合化しようとしています。運用管理全体を考える部分、業務系システムとの連携はニチレイの中でやらなくてはなりませんが、それ以外の部分、専門性のある部分はなるべく専門のところにお願いしようと思っています。」と、情報システム部マネージャー冨安繁氏は述べています。システムの運用・監視をHPにアウトソーシングし、ニチレイとしては自社のコアビジネスに人材と資本を集中させる、そして社内に専門の人材を持たずにシステムの安定稼働を実現する、この戦略は今後も継続されるはずです。 |