| 急伸する中国自動車市場 法改正に伴いディーラ管理システムの必要性が浮上
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グローバル情報システム本部
M&S システム部
主管
伊原 典 氏 |
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北京オリンピックや上海万国博覧会を見据えたインフラ投資や積極的な外需を背景に、ますます成長を続ける巨大な中国市場は、自動車産業にとっても国際戦略を決する重要なマーケットだ。その中で、日・米・欧の自動車メーカー各社は、中国メーカーとの合弁やアライアンスを通じて事業拡大を進めている。
日産自動車株式会社は、中国・東風汽車公司とのジョイントビジネスで「東風汽車有限公司」を設立。現地生産の車輌の販売を推進してきた。また、日本などで生産された「輸入車」に関しては、NCICを窓口に販売網を広げている。旧来、中国における輸入車および補修部品は、代理店を通しての販売であった。しかし中国国内法改正に伴い、現地販売会社が一貫した責任体制のもとで独自にディーラをマネジメントすることが必要になった。
多数の国境横断的なプロジェクトに裏打ちされたメソドロジーと経験、体制を評価しHPを選定
そこでNCICは、ディーラ-NCIC-日産本社を有機的に結ぶ情報基盤の構築に取り組んだ。
「今回求められたシステムは、広大な中国の各地に点在するディーラを、一元的に管理するものです。その構築に当たっては、中国のビジネス文化や気質を熟知したパートナを選定することが大切でした」
そう語るのは、日産の国際戦略をITの側面から支える立場として今回のDMSおよび輸入車販売支援システム開発を主導したグローバル情報システム本部M&Sシステム部主管 伊原典氏だ。
NCICはこのプロジェクトのパートナとしてHPを選択した。これまでに日産はHPとともに中国・大連でのテレマティクスの開発実績があり、納期・品質を高い水準で提供したことが評価され、選択の1つの要因となった。
「テレマティクスとは、通信と情報処理を組み合わせて、自動車向けの次世代インテリジェントサービスを提供するものです。この開発プロジェクトでは日産のビジネス要件や企業文化に精通したHPの連携によってスムーズな進捗が実現しました。その評価を基盤に、HPの中国における自動車ビジネスの経験を考慮して今回の選定を行いました」(伊原氏)
そして今回のシステムでは、今後ディーラの裾野がさらに拡大していくことを考慮。中国国内の量的拡大や国際的な水平展開を射程に入れた上で、標準的なインターフェースの採用や開発工数の効率化などが目指された。そこで「ゼロベースで自前のシステムを構築するよりは、標準化されたビジネス手順に沿ったパッケージを利用することが得策」(伊原氏)だと判断。その結果、Oracle EBSとすでに中国国内で実績のあるDMSをベースに開発を進めることが決定されたのである。
3層構造のアーキテクチャによって柔軟な基盤形成を目指す
Oracle EBSへの理解や構築実績もHPの選定を後押しする要因だった、と伊原氏は語る。またHPは、車両販売システムを構成する3層型アーキテクチャを提案した。すなわち、(1)各ディーラに展開されるDMS、(2)ディーラとNCICとの架け橋を図るDCS(Dealer Communication System)、(3)そしてOracle EBSを核としたNCICの輸入車販売支援システム、という構図である。
この3層構造によって、販売製品ラインナップの増加やディーラ網の拡大、さらなるサービス体制の拡充など、将来を見越したスケーラビリティや市場変化に対応した高頻度のアプリケー ションの追加、更改などにも柔軟な対応を図ることができる。
また、各ディーラのローカルサイトは、インターフェース部分だけなので、運用負荷も軽減される。さらに製品マスターや顧客マスター、価格情報などは中央で一元的な管理・更新を図り、各現場ではそれらをリアルタイムに参照することができる。その上、ユーザインターフェースがきれいに切り出されているので、将来にわたる多言語対応や各国対応もスムーズに進めることができるなど、メリットも多い。
「HPから提案された3層型のアーキテクチャは、私たちのビジネス要件に最もフィットしたものでした。
もちろん、ディーラ側の入力からスタートして、それを上に積み上げていく一体型のシステムを築くという選択肢もありました。しかし今後の国際展開を考えると、インターフェース部分は外側に切り出して、各国の現状に即した使い勝手の良いものにしながら、背後のシステムでは同一の標準を築くべきだろうと考えたのです」(伊原氏)
ディーラ支援と顧客サポートの向上を両立
しかも、今回のシステムの主たるエンドユーザとなるのは、現地の営業担当者たちだ。多忙を極める営業最前線の人たちには、オラクルの習熟などを含めたシステム負荷を極力負わせたくない、という思いもあった。
「つまり、彼らにはシステムに煩わされることなく、より多くの時間やパワーをお客様のために割いてもらいたい、ということです」(伊原氏)
また、顧客の転居や移動中に修理が必要になった場合には、その車輌を購入したのとは別のディーラに入庫することになる。そんなケースでも、顧客マスターや修理履歴などが中央のNCIC側で一元管理されていれば、各ディーラは即座にその車輌の状況を把握し、適切な処理に取りかかることができる。逆に顧客の視点からは、どこにいても常にスムーズで高水準のサービスを享受できる。つまり、中国国内のどこで購入しようが、どこでサービスを受けようが、同じ日産車として同一の高い水準のサポートが受けられるのだ。このことによって、CRMの徹底やそれに基づくCS向上、ブランドロイヤリティの向上なども加速されるのである。
「NCICのOracle EBSは日産本社のシステムとも連携がとられ、車輌や部品の受発注やクレーム処理への回答や進捗も、各ディーラがリアルタイムで確認することができます。私たちは、ディーラの担当者の『次のアクション』をサポートしていきたいと考えているのです。さらに、横断的な統計データの分析から、車輌ごとの見込客抽出やアプローチへの示唆を与えるなど、マーケティングや販促の側面から、よりきめ細かなプッシュ型のディーラ支援も実現します」(伊原氏)
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