およそ3ヶ月という短い期間での移行作業は、日産フィナンシャルサービスも大きなリスクととらえていた。「既存の環境を新しいサーバに載せ換えるので、本来は既存環境をよく知るわれわれの支援が必要ですが、われわれのリソース不足がボトルネックになる可能性がありました。そうした状況でこの短い期間内に本当に移行が完了するのか、半分心配でした」(塩谷氏)そうした懸念をよそに、きわめてスピーディなサーバ移行を実 現したツールが、HPのSMP(Server Migration Pack)である。SMPを利用することで、既存のサーバのディスクイメージをそのままの形でVMwareの仮想マシンへ変換する「P2V(Physical to Virtual)変換」が可能になる。これにより、従来の移行作業につきものであったOSのインストールやパッチ適用、アプリケーションのインストールと設定、データ移行といったひととおりの作業をほとんど省略できる。SMPの威力について、橋本氏は次のように語る。「再構築が難しい“触りたくないサーバ”というのがやはり何台かあります。そうしたサーバも、ディスクイメージをコピーしてそのまま移築できましたので、非常に楽でした。従来のサーバ移行では、調査から詳細テストまで実施すると1台あたり1週間〜10日は要していましたが、SMPでは 数時間で終わってしまいます」 また今回のサーバ・コンソリデーションによって、日産フィナンシャルサービスでは「ITシステムの標準化」による大きなメリットが得られたという。「何かあったときの運用管理が容易になりました。個別運用ではなく集中化しましたので、管理すべきポイントは一ヶ所ですみます」(橋本氏)。HPからは安全なインフラ運用に欠かせないサービスとして、無償でリアルタイムにハードウェアのイベント監視や通知を行い、クリティカルな問題の発生を未然に防ぐ遠隔モニタリングサービスも提供している。「弊社のビジネスの柱である金融サービスでは、ITそのものが商品と言っても差し支えありません。新しい商品を出すにもそれを支えるシステムが不可欠です。そうなると、やはり『スピード』が大事なキーワードとなります。従来のようなシステム構築とは異なり、そうしたスピード感に追随できるインフラが実現できたと思います」(塩谷氏) ビジネスとITが直結する現代において、環境変化のスピードに柔軟に適応するITインフラはいまや不可欠である。日産フィナンシャルサービスは、柔軟でスピーディなITを武器に、これか らも多様なお客様のニーズに対応し、ビジネスを進化させていくだろう。