| 独自の工夫でQTPの効果を最大化
QTPは、システムテストの領域で圧倒的な実績を誇る自動化ツールだ。アプリケーションに対するGUI操作をスクリプトとして記録。そのスクリプトとパラメータ化した入力値を組み合わせることで、複雑なパターンの反復テストを自動化できる。実行結果は、詳細かつ分かりやすいレポートとして出力され、さまざまな角度からの検証・分析が可能だ。テスト作成から実行、結果の分析まで、システムテストにおける一連の作業をトータルに支援するソリューションとして、企業アプリケーションの品質管理の担当者から高い評価を得ている。
対応環境の広さも特筆に値する。Windowsはもちろん、SAP、Oracle、さらにはPowerBuilder、Delphi、Visual Studio、NET、Java/J2EE、Web Serviceまで、広範なエンタープライズ環境をサポート。また、主要製品のなかで唯一、Unicodeに対応するツールでもある。
「一応、他社やオープンソースのツールも検討しましたが、実績と機能、そして対応環境の広さで、QTPと比較できるものは皆無でした」
ただQTPの導入だけですべてが解決したわけではない。汎用的なツールであるQTPを、ソフトバンクモバイルの要求に合せるための工夫も不可欠だったという。QTP導入にあたった品質・標準化推進室の今井貴之氏に伺おう。
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ソフトバンクモバイル株式会社 情報システム本部 品質・標準化推進室 試験・品質課 今井貴之氏 |
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「まずスクリプトのモジュール化です。これによって変更時の対応を大幅に効率化できました」
QTPでは、複数の画面を跨いだ一連のGUI処理をシームレスに繋がるひとつのスクリプトとして記録できる。これはスクリプト作成時には便利な機能だが、どれか一つの画面で変更が発生した場合、スクリプト全部を修正しなければならないというデメリットもあると今井氏はいう。今井氏らは、画面単位にスクリプトを作成し、それらを組み合わせてテストを実行することでこの問題を解決した。この方式なら画面単位の変更があった場合もその画面に対応するスクリプトに手を入れるだけでよい。これにより改修時の工数を大幅に削減し、システムテストのスピードアップを実現できたという。
「QTPのスクリプトはVBScriptベースなのでカスタマイズしやすいのです。ユーザー独自のニーズにきめ細かく対応できるツールだと思いますね」
もう一つは導入領域の明確化だと、山下課長は語る。
「すべてにQTPを使うのではなく、最大の効果が見込める領域を選んで導入したのです」
山下課長が選んだ領域は改変しないアプリケーションを対象とした回帰テストである。システムテストの期間を確保できない状況では、新規スクリプト作成に時間がかかる改変部分のテストよりも、既存スクリプトを利用するだけで数千ものテストを一気に自動化できる回帰テストの方が生産性向上に直結するとの判断だった。
「重要なのは全体の効率です。全体最適化の視点でシステムテストの新しい手法を構築していきました」
開発期間の圧縮に成功
QTPの導入に当たっては、HPが全面的にサポートした。
「スクリプトについての疑問などはサポートセンターにメールで問い合せますが、それでも解決しない場合は直接営業の方に来ていただいて、現場で検証してもらっています。早期解決という点で非常に助かっています」(今井氏)
現在、品質・標準化推進室では、数十名に及ぶメンバーが、QTPを利用して顧客管理各システムのシステムテストを行っている。キャンペーンなどではその内容がなかなか決まらないことも多いが、そのようなときは開発とテストを並行して進めているという。当然発生する手戻りに対しては、変更部分のデータをQTPに一気に流しこむことで後から対応するとのことである。
「開発とテストを並行して行なうことで、開発期間の圧縮が可能になりました。こういう開発手法が可能になったのもQTPの導入効果だと思います」(山下課長)
また、ソフトバンクモバイルでは海外のベンダーと提携してオフショア開発を行っているが、その開発センターにもQTPが導入されたという。
現地のメジャーオフショアベンダー間でその開発手法が大変注目視されているところもソフトバンクの世界最高水準をめざす志を伺い知れる。
「全体的な効果を考えて導入すれば、オフショア開発の現場でもQTPのコストメリットが活かせるのです。さらに、夜間テスト実行(人間が寝ている間に、テストロボットが実行する)も成果を出し始めており、私たちの中では、自動化ツールを効果的に使いこなすしくみが出来ていますから、今後様々な部分で普及していけると思います」
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