開発力強化のために「シンプルでコンパクト」なストレージ環境に移行
GMグループにおけるスズキの役割強化を狙ったIT環境の再構築に加えて、スズキでは商品開発のスピードアップを図るために、設計・開発部門で使用するCADデータ、CAE(Computer
Aided Engineering)データの共有が大きな課題となっていた。ここ20年来、スズキの設計・開発部門は独自開発のSCAD(Suzuki
CAD)を標準ツールとして使用するほかは、部門ごとに最適なIT環境を整えてきたため、マルチOSの分散システム環境がデータ共有の壁となっていたのだ。
グローバルなサバイバル競争のなかにあって、開発スピードの向上は至上命題だ。また、一層の製造コスト低減も競争力強化に不可欠であり、プラットフォームや部品の共通化のためにデータの共有が求められていた。さらに、設計・開発によるデータの増大は商品開発の質に直結するだけに、常に設計品質を維持するためのストレージの追加が必要だった。しかし、マルチOS環境のため、データ容量増加に対応するには、ベンダー単位でストレージを増設しなければならず、大きなコストがかかる。
そこでスズキでは、2001年頃から「シンプルでコンパクト」にストレージを増強できる方法を検討し始めた。それは、SAN(Storage
Area Network)の構築が現実味を帯び始めた時期と重なっている。「ディスクデバイスを他社の装置に接続させることは、ベンダーの聖域に足を踏み入れること」を意味したが、グローバルな展開を考えると、マルチOS、分散システム環境をマルチベンダー対応のストレージ統合へ踏み切らなければならないことは明らかだった。
「4年ほど前、うちの担当者が、マルチベンダー対応のストレージ製品の検討を始めました。その時、旧コンパックのマルチベンダー対応のStorageWorksに注目したのです。他社のマルチベンダー対応のストレージは目の玉が飛び出るほど高価でした。いつかはストレージ統合をやらなければならないと思い、リサーチを続けていたのです」(磯部氏)
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