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| この1年でLinuxのエンタープライズ市場は着実に拡大を続けています。IDC JapanはLinuxサーバの国内出荷台数は、2007年まで年平均22.1%の伸び率を示すと予測しており、最近では基幹システムにLinuxを採用する企業も出てきました。「興味から実践」の段階に入ったLinuxですが、そのメリットを100%享受するには、Linuxをどの部分に適用するべきか、適材適所を見定める必要があります。特集では、日本Linux協会理事であり、日本HPのLinuxマーケティングを推進する宇佐美茂男とLinuxソリューションの最前線を統括する森浩徳が、Linuxの特性と選ぶポイント、ディストリビューションの市場動向などについて解説します。 |
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日本HP
マーケティング統括本部
リナックスマーケティング推進部 部長
宇佐美茂男
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日本HP
コンサルティング・インテグレーション統括本部 ITコンサルティング本部 Linux・インターネットソリューション部 部長
森 浩徳 |
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森
我々は「興味から実践へ」というメッセージを発信しているのですが、この1・2年で、Linuxはまさに実践段階に入ってきたと思います。それ以前は、Linuxを試してみよう、勉強してみようという興味のもとに、情報システムの中でも差しさわりのない分野、例えば、バックエンドの仕組みやバックエンドサーバではなくて、インターネットの技術をよく使うアクセス層の仕組みのところで使ったりしていました。それが今は、情報システム全般でLinuxを使って、オープンソースのメリットを活かしていこうというところに、お客様の動向がシフトしています。最近では、IA32というスケールに合ったデータベースサーバで、それも高可用性でクラスター化して使いたいという需要がかなり増えてきています。 |
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森
Linuxの強みは2点あります。1点目はインターネットの技術要素を使った分野が非常に得意だということ。オープンソースはもともとインターネットから発生しているので、インターネットの技術を使って、ビジネスに活かす分野に向いています。我々は「インターネット・パワード・ソリューション」と言っているのですが、インターネットアプリケーションを組み合わせて構成していくというのが、適材適所を選ぶ1つのポイントになると思います。2点目は拡張性の点で、スケールアウト型に適しているということです。最近は、トランザクションを行うバックエンドのデータベースそのものにも採用が始まってきています。これは、オラクル「Oracle9i
Real Application Clusters」の登場が追い風になっており、基幹のバックエンドに使う事例が出てきています。
宇佐美
スケールアウトというのは、非常に簡単に言うと、CPUのボックスを増やしてパフォーマンスを上げていく拡張の仕方です。その反対に、スケールアップ型はCPUの箱は増やさずに、CPUのボードを増やしていく従来のやり方です。
森
スケールアウトは、投資する際に、初期投資を小さくでき、拡張の際の投資額を抑えます。またデータベースも負荷分散できるようになってきたので、今までデータベースは商用UNIXの牙城でしたが、その部分でもLinuxのメリットが享受できるようになってきました。 |
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宇佐美
スケールアウト型というのは、HPの根本的な思想になっているアダプティブ・エンタープライズという考え方に非常にうまく合致するんですね。我々はビジネス環境の変化が激しい時代に、俊敏性というものを第一に考えて、コンピューティングパワーを今必要されるお客様が、なるべく初期投資を小さくして、必要なパワーを持てるように、そして、もっと大きなパワーが必要になったときに、最初の投資を無駄にせず、その都度足していけるようなシステムをご提案しています。それを実現するには、スケールアウト型が良いのです。 |
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宇佐美
Linuxはコミュニティが開発しているために、非常にたくさんのパッチが出てくるという問題がありました。ところが、RedHatが基幹向けの「Red
Hat Enterprise Linux」という製品を出したことで、その流れが変わったのです。これは基幹向けに使えるOSを目指してLinuxを再検討したもので、サポートの期間を3〜5年で長いレンジにするとか、パッチの更新をクォータリーごとにまとめて出すといったアプローチを取っています。それがLinuxの基幹への導入に拍車をかけました。もう一つは、オラクルをはじめ、BEAなど、たくさんのアプリケーションベンダーがRedHatと協調して、世の中の流れを変えてきました。それがエンタープライズ市場の普及を即した第一段階ですね。
次に第二段階として、サポートの充実があげられます。例えば、HPでは「Red Hat Enterprise Linux」を自ら販売して、自らのサポートの中に組み入れています。電話サポートは標準の8時間サポートと24時間サポートの2種類を用意し、24時間365日のサポートも可能にしています。しかも、HPはRedHatとワールドワイドで提携しているので、世界の様々な地域で均一のサポート体制を提供することができるのです。このように、お客様が気にしなければならないことを、メーカー側とディストリビューター側で引き受けて、お客様にアプリケーションに注力していただけるような体制を整えてきたことが、エンタープライズ市場が拡大した大きな要因といえるでしょう。 |
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宇佐美
実は、僕は今のLinuxのブームを危険視しているんです。LinuxはTCO削減のための魔法のツールではありません。勿論、そういうアプローチもありますが、スケールアウトや、非常に軽く、非常に速い処理性能を出していくなど、いろいろなメリットがある。今までのやり方を継承して、単なるOSのリプレイスを行っても、構築・開発コストは変わらず、サポートのコストも必要なので、圧縮されるのはほんの小さい部分です。Linuxをスタンドアローンで使うときには、とにかく安い方がいいかもしれませんが、基幹システムで使うときには、システムを監視する機能が重要になってきます。例えば、HP
ProLiantはHP Systems Insight Manager(システムズ・インサイト・マネジャ)というツールをもっていて、ハードの状態まで監視できるのですが、こういうツールが有るか無いか、お客様には注意していただきたいですね。Linuxの適用分野、適用の方法を十分に検討し、Linuxが適しているかを考えないと、メリットを享受することはできないし、TCO削減はできません。 |
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森
Linuxを提供するベンダーの選択で重要なのは、そのベンダーにマルチOS、マルチプラットフォーム環境でのLinux導入に関するノウハウがあるかどうかです。Linuxだけでは成立する基幹システムなど存在しないのです。UNIX、Windows、Linux等のマルチOSを知っているところでないと、適材適所のシステム構築を行うことは出来ません。HPは1つのOSだけでは、すべてのシステムを構築できないことを知っています。
宇佐美
“HP delivers Linux for the real word.”というフレーズがあるんですね。これは、アメリカのOSDL(Open
Source Development Labs)でも中心的な役割を果たしている弊社のマーティン・フィンクLinux担当副社長が提唱している言葉なんですが、要するに「HPは夢物語ではなく、お客様の現実のシステム環境(リアルワールド)にLinuxを提供いたします」という意味です。HPはUNIX、Windows、LinuxというマルチOSのメリット、デメリットを熟知しているからこそ、リアルな世界にLinuxをご提供することができるのです。 |
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