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| ここ数十年で画期的に進んだ「女性の社会進出」。しかし現実的には国や業種などでばらつきが大きく、中でも日本は、先進国の中でも立ち後れた状況にあります。そんな状況の改善に一石を投じているのが「世界女性会議」。代表の一人として参加した日本HPの山口朝子が、今後のビジネスのあり方や世界的潮流ともリンクする「女性のキャリアアップ問題」について語ります‥‥ |
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山口 朝子
日本HPマーケティング統括本部所属。学習院大学文学部卒。
日本IBM入社後、米国アーカンソー州立大学でMBAを取得。
日系IT企業を経て、2000年日本HPに入社。
現在、SMB(中堅・中小規模企業)市場をターゲットにしたマイクロソフトとのアライアンスビジネスを手がける。 |
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≫世界女性会議
女性の地位向上を目指し年に一度行われている国際サミット。今年は5月にソウルで開催され、世界84カ国から約800人の女性が参加。女性の人材育成に取り組むHPは、アジア太平洋地域の代表として80人(日本HPからは8人)という、会社組織としては最大の代表者を送り込んだ。 |
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日本にはなぜ女性リーダーが少ない?
世界の国々に立ち後れるこの国の現状 |
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大学卒業以来ずっとIT業界に身を置いてきた山口さん。外資系でのキャリアが長く、働く上で「女性」という立場をあまり意識したことはありませんでした。現在所属するHPも、女性管理職の育成に前向きで、CEOが女性(カーリー・フィオリーナ会長)という企業。「人と競うよりは興味ある仕事を黙々と追求したい」という気持もあり、これまで「女性の地位向上」というテーマをじっくり考える機会がなかったと言います。
そんな山口さんにとって、自分のキャリアプランを見直し、社会全体から見た女性の地位について深く考える機会となったのが、「世界女性会議」。サミットに出席して痛感したのは「日本では多くの人が女性の社会進出に対する問題意識が薄く、世界の国々に大きく後れをとっている」という事実でした。「同じアジアでも、シンガポール、香港、中国などは、管理職登用における男女の格差がほどんとなく、女性管理職がいるのはごく当たり前のこと。会議でもこうした国から参加している方々は実にパワフルでしたが、彼女たちから“なぜ先進国の中で日本と韓国だけが遅れているのか”という質問を受け、あらためて自分たちの置かれている状況を認識することになりました」。
現在、日本での女性管理職の登用率は約8.9%。米国の45.1%、他の先進国の20%以上という数字とは大きな格差があるのが現状です(数字はAERA '04年1月号より引用 )。当然日本にも優れた能力を持った女性が多くいるはずですが、その力が企業の中で、あまり活かされていないのです。「女性が強くなった」と喧伝されますが、日本の働く環境に目を向ければ、長い歴史の中で培われてきた“男性中心”の考え方は未だ根強いのが現実。山口さんが語るように「その壁を破り変化を起こすには膨大なエネルギーが必要」であり、昨今は問題として取り上げられることすら少ないといった印象もあります。 |
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多様な人材を活かすことが
企業の活性化に結びつく時代に |
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しかし、女性の優れた能力が活かされないのは、社会にとって大きな損失です。個々の力が十分に活かされなければ、企業や国は活力を持つことはできないのです。これはHPが世界規模で取り組む「ダイバーシティ・インクルージョン(多様な人材の受容)」の方針とも通じるもの。文化、宗教、人種、性別、身体的能力‥‥など「さまざまな“違い”や多様性を積極的に取り入れてこそ、企業にはダイナミズムや活力が生まれる」という考えは、21世紀の企業や社会にとって重要な視点であり、女性のキャリアアップ支援はこの理念と同線上のものでもあります。
HPアジア太平洋地区のダイバーシティ・インクルージョン担当マネージャー、ケイティ・スピアリット氏が、世界女性会議で「多様なアイディアや人材の活用こそが革新を生み、ビジネスを成功へと導く。その一環としてHPは、女性のビジネスリーダーを育て、ロールモデルを提供して女性の意欲を鼓舞していく」‥‥と語ったように、女性のキャリア育成が、今後ビジネスの新しい風につながるだろうというのがHPの見解。そのために女性も意識して行動すべき時代が来ていると言えるのです。
では、状況を変えるにはどんな行動を起こせばいいのでしょうか。山口さんは、「まずは“自分たちの置かれている立場を知る”こと。その上で“何ができるか”“どこまでやるか”という具体的なアクションプランを作成することが必要」だと語ります。女性一人一人が、問題意識を持ち、あるべき姿を思い描くことが大切なのです。
一方で、個々の動きを社会がバックアップすることも重要です。日本HPでも、現在の女性管理職の登用率を1%引き上げることを当面の目標に、女性のキャリア支援に取り組む姿勢を示しており、世界女性会議に先がけて、「女性メンタリング・プログラム」「女性ネットワーク」という2つのプログラムも立ち上げられました。
「女性メンタリング・プログラム」は、高い潜在能力を持つ女性社員に社外メンター(アドバイザー)を割り当て、通常の業務関係とはまったく別の面からさまざまなアドバイスを受けられるというもの。「女性ネットワーク」は、女性社員がネットワーク活動を通じてサポートし合い、リーダーとしての課題やサクセスストーリーを共有する機会を提供しようというもので、世界の女性たちが情報を共有し、自分の立ち位置を確認したり、目標を高めたりすることで、女性の意識改革を図ろうというプランです。
山口さんも、世界女性会議への参加をきっかけに、「女性を支援する社の方針に少しでも貢献できれば」と考えるようになったと言います。「私一人が発揮できる力は微々たるものかもしれませんが、全世界に14万5000人もの社員を抱えるHPで何かが変わっていけば、社会への影響力・訴求力は大きなものがあると思うのです。そのために力を尽くしていければ」‥‥今の山口さんの目標の一つです。 |
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人間としての器量を磨くことで
社会に新しい風を送りたい |
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ただ一方では「仕事における人間関係は、最終的に“個人対個人”で、性別はあまり関係ない」とも考える山口さん。「現在私が担当しているSMB(中堅・中小規模企業)のお客様は、どちらかというと保守的な体質で、過去には女性担当がお客様のところへ足を運んでも真剣に話を聞いてくれないということあったようです。でも一旦その壁を越えれば、とことん付き合っていただける方も多い。最終的に問われるのは、男性であれ女性であれ“人間としての器量”なのではないかという気がします」。
そのためには、「仕事」だけでなく、「家族」「趣味」「友人」「健康」など人生のいろいろな側面でバランスがとれていることも重要だと、山口さんは考えています。5つのプライオリティの比率を上手に調整しながら個人的なキャリアプランを考える。そこから結果的に人間としての器量が磨かれるし、女性の真の成功も5つの要素の絶妙なバランスの上にあるのではないだろうか、と。
また、女性の方が概して「粘り強さ」を持つ人が多く、社会的なプレッシャーが少ないためか、男性より「自由な発想ができる」など、実は働く上でのアドバンテージも少なくないと語る山口さん。「メリットは大いに活かしていくべきだと思いますし、私自身、自然体でありつつ 変革の一端を担い、社会に新しい風を送っていくことができれば」‥‥マイペースを保ちながら、静かな闘士を燃やす山口さんです。 |
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新聞記者、通信社記者、英文雑誌編集者を経て、現在フリーライター。著書に「新聞の秘密」(旧JICC出版)、「妻の恋」(共著、近日中にアストラ出版より発売)、「Grey & Other Accounts From Japan」(英文共著、近日中にChin Music Press出版より発売)がある。 |
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近況 July 2004 |
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近鉄球団の買収に名乗りを上げ、一躍マスコミの注目を浴びたインターネット・サービス大手、ライブドアの堀江社長、最近はblog形式の日記を自社サイトにアップしている。どこで食事をしたか、誰に会ったか、どんな映画を見たかまでを明らかにしてしまう社長も珍しいが、堀江社長いわく「外っ面がよければよいほど、裏の顔がばれたときのダメージは大きい。すべてをさらけ出せとは言わないけど、パブリックな人ほど、いろんなことを最初っからさらけ出していることは一種の保険になる。」(http://blog.livedoor.jp/takapon_jp/より引用)。嘘の上塗りを続ける企業や政治家がblogをやったら、少しは本音が出せるようになるのだろうか? |
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