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特集 - ITサービスを“マネジメントする”という発想

〜5分でわかる「ITSM」「ITIL」〜 2004年7月29日発行

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ITサービスを“マネジメントする”という発想 〜5分でわかる「ITSM」「ITIL」〜
最近ひんぱんに目や耳にする「ITSM」「ITIL」という言葉。今後のITサービスの管理・運営を語る上で必須とも言えるキーワードですが、「意味するものがいまひとつわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。欧米などではすでにスタンダードな管理基準として定着。日本でもようやく認知され始め、採用する企業が急速に増えています。そもそもITSM/ITILとは何か、その導入がどんなメリットを生むのか‥‥ITSMのコンサルティングに携わる日本HPの須部恒と加藤秀輝が、わかりやすく解説します。
須部 恒 日本HP
コンサルティング・インテグレーション統括本部
ITコンサルティング本部 ITSMコンサルティング部 部長
須部 恒
須部 恒 日本HP
コンサルティング・インテグレーション統括本部
ITコンサルティング本部 ITSMコンサルティング部 コンサルタント
加藤 秀輝

「ITSM」は「ITサービス管理」、
「ITIL」はITサービス管理の「ベストプラクティス集」。

Q:ITSM、ITILとは何ですか?簡潔に教えてください。
須部:
赤本・青本
まず「ITSM」は、Information Technology Service Managementの略で、「ITサービス管理」を意味します。ITの重要性が高まり、「ITはビジネスを円滑にする一種の“サービス”」と捉える傾向が強まる中、質の高いサービスを維持するために「ITサービスをどう管理していくか」は重要なテーマです。そんな時代背景から浮上してきた言葉だと言えます。

一方「ITIL」は、Information Technology Infrastructure Libraryの略で、一般的には「アイティル」と呼称。英国政府が80年代後半の不況下に、IT投資の効率化という目的のために編纂した、ITサービスの管理・運用に関するベストプラクティス(最適の実践方法)が記された「書籍」です。そこには技術者だけでなく、誰にでもわかる言葉を使って業務ルールが定められ、オープン系システムの「世界基準」として、多くの国々で採用されています。

この「ITIL」をベースにHPが開発したのが、「HP ITSM Reference Model(HP ITサービス管理参照モデル、以下「HP ITSM」)」で、これはITSMを実践するためのノウハウにあたります。HP ITSMの根底にあるのは、「ユーザーの利益、会社の利益を考慮しながら、どんなマネジメントを行うべきか」という発想。そこではIT部門が陥りがちな「トラフィックを管理する」という視点ではなく、「ユーザーの利益、会社の利益を考慮しながら、どんなマネジメントを行うべきか」が重視され、目的のために必要な「運用のプロセス(手順)」「構成管理」「契約の仕方」などの方向性、どんなツールを設け、スタッフ一人一人は「どんな時、何をすべきか」「どこまですべきか」などがすべて明示されます。つまり、全体的なITポートフォリオを見据えながら目的に向かってIT業務を遂行することが可能になるのです。

さまざまな立場の人が、
IT管理の現状に問題意識を抱き始めた‥‥

Q:なぜITSM、ITILが注目されているのですか?
加藤:
今やITは、それ抜きの企業活動は考えられない中核的なものですが、そのサービスを運用・管理するIT部門は、専門知識を持つ「技術者」で構成され、業務はどうしても専門化しがちな面を持っています。そのため運用・管理のノウハウが「共有化」されず、たとえば構築や運用を担当する技術者が休んでしまうと、何か問題があっても対処できないという事態を引き起こすこともあります。また多くの技術者は、リクエストに対して完全に応えようとする場合が多いので、彼らも、マネジメントクラスも「その作業が本当に必要かどうかわからない」「コストに見合うかどうかわからない」という問題に直面しがちです。そこで求められるようになったのが、適切で安定したITサービス運営を行うための合理的な判断基準で、ITILのベストプラクティスや、その遂行に役立つHP ITSMが、それらの問題解決の方法論として注目を集めているのです。

実際に導入を検討されているのは、コストを低減しつつITサービスの品質向上させる必要に迫られているアウトソーサー企業や、ユーザーとのやりとりでIT部門の当事者として苦労を重ねているシステム会社の方々はもちろん、それをコントロールする本社の企画・ビジネス部門などさまざま。ITの構築者、運用者、利用者、そして経営者‥‥と、といずれの立場からも、IT管理のあり方に対する問題意識が高まっていることがうかがわれます。

適正なサービス・レベルの設定で
業務効率化やコスト削減を。

Q:HP ITSMを取り入れると、どんなメリットがあるのですか?
須部:
ITSM、ITILを取り入れると、どんなメリットがあるのですか?
ITサービスの管理・運用は、「人(People)」「過程(Process)」「技術(Technology)」の3つの要素で成り立つとされますが、今までは突出しがちだった、人(技術者の努力)や、技術(過剰なツール)のあり方を適正なものにし、適切なプロセスを導入することで、全体のバランスがとれ、理想的な管理・運用を実現できるのがHP ITSMのメリットだと言えます。「適正なサービス・レベル」の設定によって、経営側では「IT投資コストが適正に保たれる」、技術者などのスタッフ側では「業務の目的や責任範囲が明確になり作業の効率化が図れる」などのメリットが生まれますし、一人一人の業務が可視化され、役割が明確になることによって、スタッフの仕事へのモチベーションが高まるのも重要な点。ただし、基本的にHP ITSMは「より安定したサービスの提供」のためのものですから、短期的には効果が出にくく、継続的に遂行していくことがまず必要だと言えます。

Q:導入にはどんなプロセスを踏むのですか?
加藤:
HP ITSMの導入は、その企業のアセスメントから始まります。まずは、サービス管理・運営の現状がどうなっているのか、インシデント管理をどのようにし、それをどう変えていきたいのかという細かな分析が必要です。次は目的を設定し、あるべき姿を実現するための企画立案が行われますが、ここはお客様に熟考していただく部分。その後それを遂行するために、どんなツールやプロセスが必要なのか、どんなスタッフの体制で臨むのかの決定は、専門のコンサルティングが不可欠となります。

なお、ITILには7つのフレームワークがありますが、中でも取り組みやすいのは、日々の運用におけるプロセスをまとめた「サービスサポート」と、月次や年次サイクルでの管理プロセスをまとめた「サービスデリバリー」の2つ(サービスサポート用は通称"青本"、サービスデリバリー用は通称"赤本"と呼ばれている)。各会社の状況に応じて必要な部分からスタートさせるのが一般的です。

ITILの2つのフレームワーク
サービスサポート サービスデリバリー
・サービスデスク ・サービスレベル管理
・インシデント管理 ・ITサービス財務管理
・問題管理 ・キャパシティ管理
・構成管理 ・ITサービス継続性管理
・変更管理 ・可用性管理
・リリース管理

ITサービスのグローバル化の中で
日本の企業もITILが必須の時代に。

Q:ITSM、ITILは、どんな国々で利用されているのですか?
須部:
ヨーロッパ各国やカナダなどではすでに90年代から普及し、アメリカでは2001年頃から定着。オーストラリア、インド、シンガポール、香港といったアジア太平洋の国々でも、ITILはすでに管理基準のスタンダードと捉えられています。日本ではここ数年の間に認知されるようになり、最近急激にお客様の引き合いも増えてきました。今はどんな業種でも「世界的に会話ができないと成り立たない」時代で、ITサービスのグローバル化も不可避なテーマです。日本の企業もそれを無視できないところに来ており、ITSM、ITILへの期待もぐっと高まっている状況だと言えます。

Q:日本HPは、ITSM、ITILとどのように取り組んできたのですか?
須部:
HP ITSM参照モデル:クリックすると新しいウィンドウに拡大画像を表示します
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世界的に見ると、ITILは80年代後半に登場し、90年代後半に、各会社のベストプラクティスとして適応させる動きが活発化しました。そうした流れの中で、HPでは96〜97年頃から自社でITILを実践し「HP ITSM」として集大成。これを基にお客様のITIL導入のコンサルティングを始め、2000年頃からアウトソーシング・サービスの運営にも活かせるようになりました。日本でこれだけの実績を持って各種サービスを提供できるのはHPだけです。なお、より詳しく学びたい方のために、HPでは、「ITIL エッセンシャル・ワークショップ」という3日間のITILの基礎トレーニング・コースも実施していますし、国内に200人以上の経験豊富なプロフェショナルを擁し、アセスメントからプロジェクトの企画、実行までお手伝いをさせて頂いています。
 
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