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| 昨今、格段に鮮明かつクリアになってきた液晶ディスプレイ。しかし平均的なコンピュータディスプレイの解像度は、高解像度プリンタに比べると約1/20〜1/40。プリントした画像や文字の美しさ・見やすさにはかなわないのが実情です。そんな常識を覆したのが、英国ブリストルのHP研究所が開発した「プリント・プラスティック・カラー・ディスプレイ」。プリンタに匹敵する高解像度を実現させた新テクノロジーとは‥‥?! |
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| 英国のブリストルにあるHP研究所が、まったく新しいタイプのディスプレイ「プリント・プラスティック・カラー・ディスプレイ」の開発に成功しました。発表されたのは画面が3cm×4cmという小さなプロトタイプですが、カラーモードでRGB 128×96ピクセルの画質を持ち、従来の一般的な駆動方式であるアクティブマトリックスを使わずに125色を再現。解像度の機能拡張が容易にできる設計とプラスチック素材の使用で、極めて高画質かつ低コストな次世代ディスプレイを実現しているのが大きな特徴です。当面はデジタル写真、電子ブック、電子マガジン、デジタルポスターなどの用途が想定されていますが、将来的には性能や価格の面から、テレビやノートパソコン、PDA、ケータイ、デジタルカメラなどハイバリューな製品への活用も見込まれています。 |
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このディスプレイの技術的な注目点の一つは、アクティブマトリックスに変わる駆動方式「双安定パッシブマトリックス」の採用です。これまでのアクティブ方式は、各ピクセルに埋め込まれたTFT(ガラス基盤上にアモルファスシリコンなどで作られた薄膜状のトランジスタ)によって、一定のアップデート間隔で各ピクセルをオン状態に保つものでした。これに対し双安定パッシブ方式は、TFTがなくてもオン/オフ状態を維持しながらその状態を記憶しておけるため、希望するだけのピクセル数をディスプレイ上で実現でき、プリントに匹敵する解像度に達するまで機能拡張することができるのです。ピクセルの状態を記憶する能力は、幅が1mmの千分の1以下。それをプラスチックにインプリントされた微小ポストが受け持ち、これらのポストがオン/オフに対応して、液晶を2つの方向のいずれか一方に保つという仕組みです。そうした微細な技術が可能になったのは、カラーフィルタと電極のプラスチック素材へのインプリント+ラミネート化によるもの。それらをカラーフィルターや電極用素材のテンプレートとして利用した結果、幅わずか5ミクロンのメタルラインなど極めて精巧な細工が施せるようになったのです。
これまで、アクティブマトリックスをベースにした反射式の高解像度モノクロディスプレイが発表されたことはありますが、フルカラーでこれを実現するのは、非常に画期的なこと。
「コンテンツの多くがフルカラーの時代ですから、カラーで本やアート、雑誌、ポスターなどと同じレベルの品質で映し出せるディスプレイを‥‥という課題が常に頭にありました」と、HP研究所ブリストルのディスプレイ・リサーチ・マネージャのエイドリアン・ジェイソー氏。カラー高画質化は次世代商品のための大きな課題だったのです。 |
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新しいディスプレイは、高画質化だけではなく、ディスプレイの軽量化、薄型化を実現し、それに伴うコスト削減にも大きな効果を発揮します。現在のフラットスクリーン・ディスプレイは、シリコンチップ製造に使われるものとよく似た処理技術を使ってガラスを基盤に作られているので、ディスプレイの大型化に伴い、それを作る工場にも多大な投資をする必要がありました。もともとプラスチックの上に高性能TFTを載せることは技術的に難しかったのですが、新しいディスプレイでは前に述べたように、電極とカラーフィルターをインプリントすることで、テンプレートのプラスチック化に成功。高価な真空蒸着機能やフォトリソグラフィが不要になった上、大きなガラスシートより取り扱いが格段に簡単になり、シンプルな素材、作業工程によって、全体的に大きなコスト削減を実現することができるのです。
「薄くて、軽く、魅力的なディスプレイを低コストで提供することは、プリンティングおよびイメージングビジネスにおける重要な課題です。プリントで対応するしか方法がない画像を、ディスプレイでも表現できれば、さまざまな可能性が広がるでしょう」と語るジェイソー氏。
「今回のプロトタイプに使われているパターニングはすべて、印刷に似た加工技術によって実現されたもので、技術の細部はまだ開発の途中段階にあります。今後適切に開発を進め、その商業的な可能性を評価するには、さらに数年研究を行う必要があると考えていますが、このプロトタイプは極めて重要な前進であると確信しています」‥‥ブリストル発の新テクノロジーが、次世代の液晶ディスプレイへの大きな足がかりになるかどうか、今後の展開が大いに注目されるところです。
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