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(編集部)企業の仮想化へのニーズはどんなところにあるのですか?
小桧山 ビジネスには常に改善が求められていて、競争に勝ち残るには、コスト削減、品質改良、リスク管理、プロセスの迅速化などを実現していかなければなりません。ITはビジネスの効率を飛躍的に進歩させたわけですが、今、さらにそれをレベルアップさせ、ビジネスに反映させるためにITをいかに使うか?……そのためのアプローチとして仮想化には期待が寄せられていますし、今後はビジネスの根幹に関わるものになるだろうと考えられています。
ただし仮想化は「目的」ではなく、最終ゴールに行き着くための「プロセス」です。どう活用すれば有効な結果が得られるかはそれぞれの状況によって異なりますので、まずは現状を分析し、サービスの提供者やユーザが一緒になって、綿密に仮想化の設計を行なっていく必要があります。
(編集部)仮想化は現場の人々にどんなメリットをもたらすのでしょう?
小桧山 立場によっていろいろありますね。まずインフラを設計する人にとっては、それぞれのレイヤーのリソースが独立設計になってくるので、アプリケーションのレベルだけチェックしていけばいいということになりますし、ベンチマークを確認したり、サイジングを厳密に考えたりする必要がなくなります。またアプリケーション開発者にとっては、プラットフォームをサービスとして利用することで、迅速にリソースを提供することができ、また、プラットフォームを設計するという負担も軽減できます。一方IT管理者にとっては、HPのOpen Viewなどの管理ツールを利用することで、一元的な「管理と制御」が可能になり、効率よく精度の高い運用を行うことができるようになります。
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(編集部)ビジネスという面では、具体的にどんなメリットをもたらし得るのですか?
小桧山 まず、米国HPの調査では、単一のサービスに向けて設計されたシステムの平均的使用率は30%くらいだと言われています。もちろん最初からそのように設計して安全を期している部分もあるのですが、実際、ビジネス需要の増減は決して一様なわけではありません。全体的に右肩上がりになっているとしても、ある時期に一気に増えたり、減ったりを繰り返すのが通常で、そこでは需要のピークにあわせてハードウェアを増強し、ITを運用することになります。ところが突然の需要増に対してハードウェアの供給が間に合わなければ、パフォーマンスの劣化や、需要に対応しきれないことで大きな機会損失につながることも考えられます。
また逆にリソースを充分に供給した後に需要が減少すれば、オーバースペックということになり、システムのパフォーマンスのほとんどが活用されないままになってしまう。昔は需要がマックスのところでサイジングしてそれが当たり前とされたり、コストメリットをあまり考えずに済んだITバブル時代があったりしたのも事実ですが、今はそういう時代ではなくなっていますよね。つまりコストパフォーマンスをしっかり見極める必要があるし、CPUなどの使用率にかかわらず、実はシステムにかかる負荷率もしっかりチェックしなければならない。
そんな中で、ビジネスの需給バランスの変化に自在に対応し、最適なパフォーマンスで機会損失を最小限に防げるのが、仮想化が企業にもたらしうる大きなメリットですね。仮想化することでシステム増設にかかる時間のロスなども避けられるわけで、とりわけ新たなサーバの構築に平均して1か月前後かかっているような現状では、仮想化が実現されているかどうかの差は歴然なのではないでしょうか。
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(編集部)具体的にどのくらいのコスト削減が見込めるのでしょうか?
小桧山 たとえばHPでは、IT利用形態をデスクトップ(クライアント型)からデータセンターに切り替える仮想化ソリューションによって、デスクトップTCOを4年のサイクルで最大半分に削減し、データセンター利用率を3年で2倍に引き上げられる、と考えています。ただ日本の多くの企業の場合、IT予算が一人あたり年額で数万円という定額制になっているケースもあり、例えば PC一台の導入と維持にかかるコスト算出など、TCOの分析がなかなか根付いていないという問題もありますね。その部分から意識を変え、会社の方針も変えていこうという考えを持っていただけないと、なかなかスタートしづらい部分はあります。
仮想化は「コストメリットを出しながら、いかに一定のサービスレベルを維持していくか」が使命です。電気や水道と同じで「あって当たり前」のものを、いかに問題なく提供できるか。そのためには会社の部署単位などで個々に自家発電所を持つ必要はなく、たとえば会社に一つ大型の発電所があって、それを個々に供給した方が、ムダな投資をすることなく資産を上手に活用できるということです。また同時に、いったい自分の会社でどこまでTCOを下げる必要があるのか、どこまでROIを高めていくべきか、現状を把握し目標を設定することが、まずは重要だと思います。
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≫ 【Chapter 3】 仮想化実現のためには?
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