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(編集部)HPの「エンタープライズ・アーキテクチャ」の取組みについて教えてください。
山根 HPでは、企業のITシステムは、「インフラストラクチャ」をベースに、「アプリケーション」「情報」「ビジネスプロセス」の3つのレイヤーが絡む、という図式で成り立つと考えています。それぞれのレイヤーには役割があり、「アプリケーション」はさまざまな業務の目的を達成するための機能を提供すること、「情報」では「情報をどのように持ち、取り扱うか」、「ビジネスプロセス」では業務プロセスの定義、改善を行っていきます。
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そうしたITサービスを提供する基盤となるのが「インフラストラクチャ」であり、一つ一つの企業のIT構築のための最善策を目指していくということですね。HPはその構築が「アダプティブ・エンタープライズ(変化に適応できる企業)」を実現するために不可欠な方策であると考え、「Infrastructure for the Adaptive Enterprise (以下、IAE)」という視点で、システム構築のご提案を行っています。
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(編集部)理想的なITインフラストラクチャとはどのようなものですか?
山根 一言で言うと、「変化することを前提に構築されたITインフラストラクチャ」で、ビジネスの急激な変化にも柔軟に対応できるものです。サーバ、ストレージ、ネットワークなどのITリソースは仮想化*1され、必要な時に必要な人が必要なITサービスを受けられるようにする。つまりすべてのアプリケーションに対して共有化されたコンピューティングリソースを、必要に応じてサービスとして提供していくという形にするのです。
ここでは、ITインフラストラクチャが「プーリング」「共有」「ソーシング」の3つの機能を持つことにより、必要なときにリソースを使い、使い終わったら戻すという循環サイクルができあがっています。「プーリング」はリソースをプールしておく機能で、「共有」はすべての利用者に対するリソースの共有機能、「ソーシング」はリクエストに応じてリソースを最適に配分する機能。これらを駆使することで、インフラストラクチャに柔軟性を持たせ、サービスを提供していくわけです。
これまでは、サーバ、ストレージ、ネットワークなどのITリソースが別々にあり、その上に個別のアプリケーションを載せ、それぞれの業務サービスを提供するというような、いわゆる「サイロ型」と呼ばれる垂直統合のモデルが多かったのですが、それを水平統合化することでこのような環境を実現し、ITの利用効率を上げていこうという発想です。 |
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| *1 |
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仮想化:コンピュータ資源の物理的な「枠」を取り払い、使い勝手にあわせて「分割」して使用する方法
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(編集部)「IAE」の特徴はどこにありますか?
山根 IAEは、全体のITシステムの構造を体系的に捉え、さまざまな機能をサービスとして提供していくという考え方に基づいており、そこには2つの大きな特徴があります。
ひとつは各レイヤー間をつなぐものとして、全体の「管理」と「制御」の機能があるということ。これまでの垂直統合型のモデルでは、インフラストラクチャ、アプリケーション、情報、ビジネスプロセスの各レイヤーの縦の連携は比較的うまく取れていたのですが、これをそのまま水平統合にすると、各レイヤー間の連携がうまくいかないこともあれこれ出てきます。
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例えば「ビジネスプロセスは設定されているが、インフラストラクチャと連携が取れていない」「他のレイヤーを考慮することなくそれぞれのレイヤーだけで開発が行われている」……つまり単純に横の連携をとっただけでは、それぞれが再度バラバラにならざるを得ないわけです。そこで全体をコントロールし、柔軟にビジネスの必要性に応えていくには、各レイヤー間を縦に貫く「管理」と「制御」の機能が重要になってくるのです。こうした考え方は、HPが「企業のIT環境を総合的に提供できるベンダー」だからこそできる部分でもあり、他ではなかなか実現できないのではないかと思います。 |
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もうひとつの特徴は、「インフラストラクチャで提供される機能が“サービス”として定義されている」という点です。例えば「Webサーバ*2を追加したい」というリクエストがあった場合、「インフラストラクチャの中から、ユーザーがそのまま利用できるWebサーバ環境を貸し出す」というサービスを行うこともできます。単にハードウェアを提供するのではなく「機能も含めた“サービス”として提供する」という考え方は、従来のシステム構築ではなかった発想なのではないでしょうか。 ≫ 【Chapter 3】 「IAE」構築のポイントとは? |
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| *2 |
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Webサーバ:インターネットなどのネットワークにより情報送信する機能をもったサーバ |
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