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(編集部)コンソリデーションを進める上で、大切なことは何でしょうか?
大沢 大きなカギとなるのは「シンプル化」と「標準化」ですね。ITシステムは、ビジネスプロセスに最も近いところの「アプリケーション」、それを動かすためのアプリケーションサーバやデータベースなどを含む「ミドルウェア」、さらにそれらの基盤となるサーバやストレージといった「ハードウェアリソース」によって構成されていますが、システム毎に個別、バラバラにあるのではなく、なるべくシンプルに、効率的に構築されることで、標準化が促進され、TCO(Total Cost of Ownership/IT総コスト)削減などの効果に結びつけることができるのです。
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今の企業の実情を見ると、ハードウェアリソースに近いほど標準化が進んでいるのですが、上にいくほど複雑になってしまっているというケースが多いですね。それらを順次効率化していくことが、コンソリデーションの一つの目標になってくると思います。
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(編集部)第一章で「適用範囲はすべての人、プロセス、テクノロジーに及ぶ」とありましたが、サーバなどの物理的集約の他には、例えばどんなことが実践されるのですか?
久保 一般的に行われるのは、「社内に散在しているプリンタやプリンタサーバを集約する」「デスクトップPCのハードウェアやOSを標準化する」「個別に行われている運用管理を標準的なものにする」「メールサーバの統合を行う」「認証・ディレクトリを統合する」……といったことですね。あと、これはHPでも実践していることですが、「ビジネスプロセスそのものも、共通化できるものはしていく」。
戦略的なITコンソリデーションは、サーバやストレージなどの「物理的」なものだけでなく、その上の「機能の統合」も行うもので、「インフラの底辺のレイヤーだけではなく、広い範囲をターゲットにすることでより高い効果を得る」というのが基本的な考え方ですから、適用範囲を拡げ、一つ一つの命題を着実に実行していくことが肝要だということです。
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(編集部)戦略的なコンソリデーションになかなか踏み込めないケースもありますか?
大沢 「IT部門を、世の中のテクノロジーについていくための「コストセンター」と捉えている企業では、なかなか必要性を感じていただけない傾向がありますね。一方で、IT部門の役割は、ビジネスユニットに「ITをサービスとして提供すること」であると認識している企業では、自分たちの提供しているサービスの質やレベルがどうなのかを考えなければならないわけですから、戦略的コンソリデーションがいかに大事かを、理解していただきやすいように感じます。
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(編集部)コンソリデーションを行うと、IT管理者が「自分たちの仕事がなくなるかも……」と、マイナスイメージを抱くことはありませんか?
久保 例えばある一人のIT管理者が7台のサーバの運用管理を行っているとして、標準化・シンプル化することで、一人が20台まで見られるようになったとします。そうすると当然その場を管理するのに必要な人の数は減るのですが、そこで得た人的リソースは、ビジネスに貢献できるITシステムの構築に従事させるなど、もっと戦略的なIT投資に向けることが可能になります。コンソリデーションは、人減らしを目的とした考え方ではなく、IT管理者をもっと本来の創造的な業務に専念できるようにし、ITを武器にビジネスで前進してもらうための戦略である、というのが私たちの考え方です。
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(編集部)コンソリデーションを成功させるコツは何でしょうか?
大沢 IT部門が各ビジネスユニットに対してより価値の高いサービスを提供するために、「どのようなアーキテクチャ(設計)にすべきか」を考えることが、とても大切だと思います。目指すべき方向やビジョンを描き、それを実現させるアーキテクチャを作る。そこに向かって、優先順位を考慮しながら実行していくのが、コンソリデーションを成功させる大きなコツです。アーキテクチャが明確にあれば、標準化やシンプル化も非常に実行しやすく、それを運用することで、ベストプラクティスの蓄積も容易になります。
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そして、もう一つ大事なのが、「ITガバナンス*1」です。アーキテクチャはあくまで紙上のプランですから、これだけで問題解決や改善ができるわけではありません。アーキテクチャで計画されたものを、計画通りに実施するための仕組みとして、ITカバナンスをきっちりと実行していく必要があります。 |
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ITガバナンス:企業の目的達成のために、組織のIT戦略を定義し、その実行を監督する仕組み(プロセス、フレームワーク、予算 etc)。 |
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久保 コンソリデーションを成功させるために、一つ注意しておかなければならない盲点があるのですが、それは「標準化によって硬直化を引き起こさない」、つまり、一度標準を決めたからといって、その後の外部の環境や技術の進歩などを無視して、それをずっと使い続けるのではなく、「標準そのものを、時々メンテナンスする必要がある」ということ。そのためには、テクノロジーそのものが陳腐化していないかどうかをきちんと検証し、軌道修正しながら常にアップデートを図るということを、ITガバナンスの中に組み入れておく必要があります。 ≫ 【Chapter 3】 導入のロードマップ |
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