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HP研究所が生んだ、エポック的「40の発明」

 

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設立40年目を迎える研究所の、イノベーティブな過去、現在、未来

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HP研究所 - 技術革新への情熱
HPの創始者、ビル・ヒューレットとデイブ・パッカードの2人の研究者が、新しいアイディア創出の研究施設として「HP研究所」を設立したのは、1966年。以来研究所は、40年に渡り数々のイノベーティブな技術を生み出し続け、時代を切り拓く斬新なアイディアで、業界をリードする製品やソリューションの提供に貢献してきました。HP研究所の歩みは、まさにITの歴史そのもの。そこで40周年にちなみ、研究所で生まれたテクノロジーの軌跡を辿り、常識を打ち破った「40の発明」をご紹介していきます。

※発明品は一部、1999年にHPから分社化したアジレント・テクノロジー社に属するものを含みます。


1960年代

「雑事に追われることなくアイディア創出に専念でき、未来を切り拓いていける施設を」……「HP研究所」は、ビル・ヒューレットとデイブ・パッカードのそんな思いのもと、1966年、3つの研究所(電子研究所、物理研究所、ソリッドステート研究所)を統合することで誕生しました。場所は2人の出身校、スタンフォード大学に近い、カリフォルニア州パロアルト(右写真:左からバーニー・オリバー、ビル・ヒューレット、アーサー・C・クラーク)。

バーニー・オリバー、ビル・ヒューレット、アーサー・C・クラーク
ノコギリの歯のような斬新なフォルムの6棟の建物からなる研究所には、およそ200人の研究者が勤務し、責任者に、彼らのスタンフォード大学時代の同級生で著名な科学者でもあるバーニー・オリバーを任命(氏は後に50もの特許を取得し、SETIの立ち上げにも携わる)。研究者たちは寸暇を惜しんで、新たなテクノロジーを生み出す研究の実証に取り組みました。

創設当初、開発の中心となったのは、固定物理、物理電子、電子、医療・化学など各分野における「電子機器」の研究。測量業界向けの距離計測機器「HP3800」をはじめ、新しいテクノロジーがベースとなった精巧な機器の開発が進められました。こうした研究活動は、オフィスや、金属キャビネットの剪断や型抜き、電圧計や発振器、信号発生器といった計器類の組み立てなどが行われている生産工場のすぐ近くで行われ、今日のIT技術の礎となる部分が形づくられていくことになりました。

1966年
(1)HP第1号のコンピュータ「HP 2116A」を発表。堅牢で信頼性が高く、世界で初めて「どこでも使え、何でもできる」コンピュータの原型が誕生することに。

1967年
(2)国際時間を1マイクロ秒の誤差で調整したHPの「原子時計」が、世界の標準時間の基準に。以降もその技術向上が進み、1991年に発表された「5071A」では、160万年に約1秒の誤差という驚異的な精度(先行機種の2倍)を達成。

1968年
(3)信号や交通標識の文字表示、ケガの治療などに応用できる、商用発光ダイオード(LED)を開発。

HP 2116A

1970年代

60年代の距離計測機器に続き、70年代になって登場することになったのが、世界初となった卓上関数計算機「HP 9100A」。まだLSI登場前の時代ながら、この卓上関数計算機は14層のプリント配線基板が搭載され、磁気カードによるプログラム保存も可能。小型ながら優れたコンピューティング機能を発揮し、その後のHPの方向性を提示する画期的発明になりました。

バーンバウム
しかし研究者たちは、それで満足することはありませんでした。ヒューレットが夢に描いた「ポケットサイズの計算機」を実現すべく、研究者たちはたゆまぬ努力を続け、1972年にはついに、世界初のポケット型関数電卓「HP-35(キーが35個あることに由来)」を誕生させたのです。この出来事を、「一夜にして計算尺が不要になった画期的な事件」と形容するのは、80年半ばと90年代に研究所の責任者を務めたバーンバウム(右上写真)。60年代の距離計測機器「HP3800」、卓上関数計算機「HP 9100A」、そしてこのポケット型関数電卓の「3つの計算機」は、その後のHPに新しいビジネスをもたらすエポック的発明となり、世界のビジネス、行政、学術分野などにも大きな影響をおよぼすきっかけとなりました。

1971年
(4)コンピュータ「2100A」用に、わずか800立方インチの体積で500Wの高出力を持つ小型電源を開発。

1972年
(5)世界初のハンドヘルド関数計算機「HP 35」を発表。「シャツのポケットに入るほど小さな関数計算機」が現実のものに。

1974年
(6)事実上最初のPCといえる、世界初のプログラミング可能な卓上関数計算機「HP 9100A」を発表。磁気カードでプログラムが保存できるとともに、当時の他の機器の約10倍もの高速処理で、科学や工学の計算が可能になり、HPのワークステーション分野参入の道を拓く。

1975年
(7)標準インタフェースの作成で、計器システムの簡素化を実現。電子業界はHP-IB(インタフェースバス)を国際標準として採用し、1台または複数台の計測器をコンピュータに簡単に接続することが可能に。

1979年
(8)HPの研究者が、ガス・クロマトグラフィ用のフューズド・シリカ・キャピラリーのカラムを開発。化学分析の分野に革命を起こす。

HP 35

1980年代

その後HP研究所は、インクジェット・プリンタや、縮小命令セット・コンピュータ(RISC)といった革新的なテクノロジーを、世界で初めて開発。デジタル写真や商用デジタル・プリンティングなどの新しいビジネス分野も開拓し、HPの強力な原動力として機能してきました。また、同時に、研究所のネットワークを拡大。1983年には英国のブリストル、1984年にはイスラエルのハイファに同研究所が設立され、世界各地の優れた研究者たちによって、研究はより深く、かつ広範囲に続けられることになりました。

ブリストル研究所
1980年
(9)HP研究所のテクノロジーをベースとした世界初の64チャネル超音波製品を開発し、人間の心臓の動きのリアルタイムな映像化に成功。

(10)キヤノンからライセンスを受けたコピー機技術に、光学系パッケージや種々の発明を付加し、初のオフィス向け商用レーザプリンタの開発に成功。優れた静音性が評価され、製品は広く社会に普及する。

1981年
(11)斬新なグリット・ホイール・プロッタ・テクノロジーを開発。当時主流だった技術の半分のコストで、製図品質の大型プロッタを実現できるように。

1984年
(12)1970年代にHP研究所が手がけたサーマル・インクジェット・テクノロジーを応用して、「HP ThinkJet」を開発。高品質で低価格な個人用プリンタが初めて可能になり、ドット・マトリクス・プリンタやインパクト・プリンタは過去の遺物に。

オフィス向け商用レーザプリンタ
1986年
(13)RISC(縮小命令セットコンピュータ)コンピューティングの初の商品化を支援。従来のチップに比べ、格段に高速なコマンド実行や、作業処理が可能に。

(14)SRXアーキテクチャの開発で、グラフィックス・ワークステーションの最初の世代であるHP SRXが登場。3Dグラフィックスの時代が到来を告げるとともに、HPは最先端のグラフィックス・ワークステーション・ベンダとなる。

1989年
(15)ヘリカルスキャンテープ記録方式のデータストレージ用のテクノロジーを開発し、HPで初のデジタル・データ・ストレージ(DDS)ドライブを発表。DDSは、テープ・バックアップ・フォーマットとして世界のベストセラーに。

RISC(縮小命令セットコンピュータ)

1990年代

1990年には日本の東京にも研究所が設立。ITが社会生活にとってなくてはならない「インフラ」となり、HP研究所の斬新なテクノロジーが多くの分野で活用されるようになります。

1991年
(16)DeskJet 500C用に原色(sRGB)、圧縮、およびハーフトーン・アルゴリズムを開発。カラー印刷コストを大幅に低減することに成功し、カラー・デスクトップ・プリンティング分野でさらに前進。

1994年
(17)HP研究所で1981年に始まった研究をベースに、64ビットアーキテクチャ(Itanium)を開発。 2001年にIntelのエンジニアと共同で発表した、Intelの次の基本アーキテクチャとなり、コンピューティングを32ビットから64ビットへ進化させる。

DeskJet 500C
1995年
(18)各部門のエンジニアと共同で標準通信コンピューティング・プラットフォームを開発。当時の主流だった各社固有の専用機器に替わるものとなり、通信革命がもたらされる。このテクノロジーは後にOpen Call製品ファミリに採用され、10年後には100カ国、1億人を超える人々に提供されるサービスに発展。

1997年
(19)DNA分析のための遺伝子配列模型を作る技術を開発。

Open Call製品
(20)アダプティブ・ライティング、カラーバランス、自動赤目補正などの写真ソリューション「デジタル・パイプライン」を開発し、HP製のデジタルカメラに活用できる「カスタムフォトラボ」を提供。デジタル写真ビジネス分野の開拓を推進する。

1998年
(21)ハンドヘルドコピー機用に開発されたナビゲーション技術を、コードレスマウスに応用し、ペーパー・モーション・テクノロジーを開発。HPに大きな売上増をもたらす。この技術は現在のプリンタでも活用中。

HPデジタルカメラ
1999年
(22)UCLAの研究者とともに、世界初の分子論理ゲートを開発。化学的に構成された電子ナノコンピュータの実現に向け、大きな一歩を踏み出す。

(23)www(ワールドワイドウェブ)が、BtoBおよびBtoCのあり方を根本から変えてしまうほど大きな影響力を持つことを認識し、e-Speakを開発。業界で初めて、コードをオープンソースとして公開し、現在「コールWebサービス」と呼ばれている技術の先駆けになる。

(24)ユビキタス・コンピューティング実現のためにHP研究所では、革命的コンセプト「Hey! Everything Has A Website(HEHAW)」を開発。特許を取得し、人、場所、そして物事が、すべてWeb上でリンクしている実験都市「CoolTown」の基盤として採用される。

分子論理ゲート

2000年代

2000年代になると、研究所の拠点はさらに拡大し、2002年にはインドのバンガロール、そして2005年には中国の北京に設立されるなど、近年ITの発達が著しい新興国にまで、ネットワークを広げることになりました。

研究所では今後、ユーティリティ・コンピューティング、ナノテクノロジー、デジタルメディア管理など、新しい分野の開拓が進められていく予定で、新しいコンピューティング・アーキテクチャ、カラー印刷技術、量子コンピューティング……など、時代の先端をいく新テクノロジーがこれからも続々と誕生していくと予測されています。

ディック・ランプマン
しかし、発明の対象が何であろうと、研究所の目的が「社会に貢献すること」だというのは、40年前も今も、そしてこれからも変わることはありません。

「私たちは『テクノロジーのためのテクノロジー』の開発に取り組むことはほとんどありません。私たちが重視しているのは、競合他社との差別化をもたらし、お客様にその価値を認めていただける技術、HPのビジネスを発展させていける技術です」と語るのは、現在パロアルト研究所の最高責任者であり、HPの研究担当上級副社長でもある、ディック・ランプマン(右上写真)。

「私たちは、HPにエキサイティングな未来をもたらし、業界をリードするテクノロジーを提供し続けるために、最大限の努力を続けていきます」とランプマンが語るように、いち早く「世界初」を創出していく研究者たちの果敢な挑戦は、これからも世界各地で続けられていきます……。

2001年
(25)常に変化する顧客ニーズに、サービスプロバイダが対応できるようにするWeb QoSなど、企業のリソースの有効活用を可能にするテクノロジー「ユーティリティ・コンピューティング」を導入した、世界で初めての試み「ユーティリティ・データセンター」を設立。

2002年
(26)標準DVDプレーヤとの互換性を持つ、世界初のDVD+RW(書き換え可能DVDシステム)を開発。DVDディスクに映像を録画したり、映像を消去したり、再録画して通常のDVDプレーヤで再生する、などが可能に。

ユーティリティ・コンピューティング
(27)インディゴ社(後にHPが買収)との技術提携で、デジタル出版ビジネスへ参入。新しい液体電子写真技術による、高品質カスタム商用印刷が可能に。

(28)電気的アドレッシングが可能な64ビットの最高密度(02年当時)メモリを開発。デモ用回路である、分子スイッチをアクティブデバイスとして使用し、人間の髪の毛の先端に1,000個以上も収まる、わずか1平方ミクロンほどの小型化を実現する。

インディゴ・プレス
2003年
(29)偽札防止に取り組む政府機関に協力し、画像処理、カラーマネジメント、情報埋め込みにおける豊富な技術知識をもとに、紙幣の印刷に応用できる偽造防止策を開発。

(30)HP研究所が開発した多くの技術をベースに、グリッド対応のサービス、ソリューション、製品を発表。ビジネスの変化に応じたIT管理の支援に取り組む。

偽造防止策
(31)。流体力学計算を応用して、データセンターにおける熱分散の3Dモデルを作成。「スマート・クーリング(スマートな冷却)」ソリューションを提供し、大幅な省エネによる、大幅な経費削減を実現。

2004年
(32)HP研究所のテクノロジーが、ビジネスの優先順位の変化に合わせてITリソースを自動的にシフトさせるHP OpenView Automation Managerの主要コンポーネントに。

(33)オープンソースのツールキットとして、世界で最も広く利用されているSemantic Webなど、新しいJenaバージョンをリリース。機械で読み込める形式でコンテンツを作成でき、機器をwwwに容易に組み込むことが可能に。

スマート・クーリング(スマートな冷却)
(34)HP研究所が開発した画像圧縮アルゴリズムが、 NASAのSpirit Rover宇宙船が撮影した、歴史的な火星の高解像度画像の作成に貢献。この画像から科学者は、1億600万マイルも離れた火星の表面を詳細に分析できるように。

(35)HP研究所開発のテクノロジーを活用し、メディア製作会社がコンテンツを1度作成すれば、あらゆるフォーマットで何度でもコンテンツ配信できる、DMP(デジタル・メディア・プラットフォーム)を実現。新しい資産の市場投入のスピードアップ、古い資産からの新しいコンテンツ・ストリームの製作が容易になる。

2005年
(36)企業内ネットワークでのウィルス拡大をすばやく抑制し、被害を最小限にとどめる「ウィルス・スロットリング・テクノロジー」を発表。現在このソフトウェアはHPのProCurve Networking Switch 5300xl、ProLiant Essentials Intelligent Networking Packに搭載されている。

火星の高解像度画像
(37)DreamWorksの映画『シュレック2』と『マダガスカル』の製作を支援し、英国のアニメーション・フィルム・フェスティバルでは多くの企業に協力し、ユーティリティ実行性サービスを提供。この実証実験をもとにHPでは、石油、ガス、金融、医療などの各業界をターゲットとした、柔軟なコンピューティング・サービスを立ち上げることに成功する。

シュレック2
(38)研究所開発のクロスバー・ラッチが、過去50年にわたりコンピュータの主要コンポーネントだったトランジスタに替わるものとなることを証明。将来のコンピュータ製造に新しい可能性を示す。

2006年
(39)HPのOpen Call事業部との密接な連携のもと、ストリーミングメディア、およびネットワーク・オーバレイ・テクノロジーを開発。3G電話ネットワークにおける高品質なマルチメディア転送の信頼性を高める。

(40)HPで色彩を研究する科学者が、1つのデバイスでキャプチャした色を他のデバイスでも正確に再現することに成功。国際カラーコンソーシアム(ICC)に大きく貢献するとともに、カラーマネジメントにおける予測性アップにより、商用印刷のWebベースビジネスへ転換が容易に。

クロスバー・ラッチ
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