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(編集部)アダプティブ・インフラストラクチャを具現化する製品として、「HP BladeSystem c-Class(以降c-Class)」が大きな注目を集めていますが、これはどんな製品で、今までのBladeSystemとは何が違うのですか。
山中 HPが今年6月に発表した新世代BladeSystem c-Classは、世界各地にあるHPの2000人以上の技術者が開発に携わり、さまざまなHP製品の最新鋭の技術を結集した製品です。
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これまでのBladeSystem同様、アダプティブ・インフラストラクチャのコンセプトに基づいて製品化されたもので、「ITインフラの管理・運用を自動化し、俊敏性を向上させる」という狙いはまったく一緒ですし、管理の仕方や考え方も今までの「p-Class」と「c-Class」は同じです。もちろん両ブレード間での共存もできます。では、何がこれまでのBladeSystemと異なるのかというと、「自動化を実現するための手段や方法が違う」……これが画期的に新しいわけです。
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(編集部)具体的に言うと……?
山中 私たちはc-Classの設計指針を、「Blade-everything」という言葉でご説明しているのですが、これは「1つのエンクロージャの内部に、システムに関するすべての要素を入れることができる」ことを意味しています。つまり、前のp-Classはタワー型やラック型サーバの替わりとしても利用いただける、管理性を高めた“サーバコンソリデーションプラットフォーム”だったのですが、c-Classはそれに加え、サーバのみならず、ストレージやネットワークなど、“システム全体を統合するプラットフォーム”の機能を一つのブレードに持たせることができ、ブレードの適応範囲をさらに拡大することが可能となるのです。
この機能を活用すれば、サーバやストレージ、ネットワークなど、これまでは別々に行われていたIT管理をすべて一元化し、アダプティブ・インフラストラクチャのコンセプトが目指す自動化をより広範囲で実行できるわけです(図版:HP BladeSystem c-Class のプラットフォーム機能)。
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(編集部)その他にも特筆すべき機能はありますか?
山中 いろいろあるのですが、中でも特徴的な機能である「バーチャルコネクト」「インサイトコントロール」「サーマルロジック」についてご説明しましょう。
まず、「バーチャルコネクト」についてお話します。従来の製品の場合、ブレードサーバの移動や増設など、システムを変更させようとすると、サーバ担当者がLAN側、SAN側の各担当者と"接続"に関してミーティングを実施しなければなりませんでした。しかし、この技術を活用すれば、物理的位置に左右されない、I/Oの仮想化が実現し、LAN側、SAN側の変更が不必要となり、システム変更も、サーバ担当者の決定権限範囲内で済んでしまいます。これはいままでのITの常識を覆す革新的なもので、バーチャルコネクトの機能を活用することで、例えば、これまで「3日」かかる場合もあったシステムの変更が、「30秒」で可能になるなど、システム変更に伴う物理的な手間や管理を大幅に削減することができます。
2つめの「インサイトコントロール」とは、システム管理工数を減らすために必要となる管理機能の総称です。これは、システムのありとあらゆる動作状況や必要な操作を、全て遠隔地から可能にする機能の実装や、グラフィカルで直感的に操作が可能なインターフェースの装備など、「システム管理は迅速に対応しなければならない」「誰でも簡単に利用できなければならない」という、HPの経験から導き出された思想が反映されたものです。
このような機能は、「HP Systems Insight Manager(HPシステムインサイトマネージャ)」などの管理ソフトウェアや、エンクロージャに搭載され、サーバブレードやファン、電源などのコンポーネントを監視する「Onboard Administrator(オンボードアドミニストレーター)」など、HPならではの技術により具現化されています。また、エンクロージャ前面には、ハードウェアの故障発見、交換などの作業時に大幅に工数を減らす、弊社のプリンタ製品開発で培われた技術の小型LCDを用いた「Systems Insight Display(システムインサイトディスプレイ)」が設けられています。これにより、管理者はハードウェア交換などの作業も、遠隔地からの指示で現地のオペレータに分業させることが可能となり、システム管理の効率化、工程のシンプル化に大きく貢献します。
3つめの「サーマルロジック」は、発熱や電力の抑止・コントロール・管理機能の総称で、ラックやデータセンター自体の設計まで含めて考えられた、HP独自の発熱・電力問題のアプローチ手法をご提供するものです。c-Classでは、独自開発の冷却ファンによる冷却効率の改善、ダイナミックパワーセーバー技術のような、パフォーマンスを犠牲にせずに消費電力・発熱を抑える方法の実装はもちろん、「管理ができないものはコントロールできない」という考え方に基づき、リアルタイムに発熱量や利用電力量を把握、ロギングする機能をさらに充実させています。データセンター内の全てのブレードの吸入・排出温度、ラックレベルでの発熱量が、遠隔地からも一括で監視が可能ですので、どこのラック、どこの通路が問題なのかを瞬時に判断し、的確な処置を行うことが可能になります。(図版:HP BladeSystem c-Classの特徴)。
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(編集部)さまざまな製品が存在する中で、c-Classがアダプティブ・インフラストラクチャの実現に、とりわけ優れた製品だと言えるのはなぜですか?
小池 ITリソースを仮想化し共有化する際のベースとなるリソースプールの構築では、そこで配置されるサーバが、電源やLAN、ファイバーケーブルのワイヤリングの取り回しと言った、物理的な制約から解放されたのものである必要があります。また、それらは標準的な技術が採用され、管理性にも優れていることなども欠かせない要素となってきます。構築、変更、障害といったインフラのライフサイクルを考えると、リソースプールに配置されるサーバは、こうした要件を満たしたものでなければならず、それらの要件に全てお応えできるのがc-Classであると言えます。
また、c-Classは、「HP自身のITインフラ構築・システム管理」の経験から、管理上の問題をどう解決すればよいかを考え抜き、産み出された製品です。「導入するだけで理想的なアダプティブ・インフラストラクチャのベースを作ることができる」、これは非常に革新的なことで、c-Classは理想のインフラ構築を技術的にもコスト的にも気軽に始められる、画期的製品であると自負しています。
村井 HPはこれまでも「仮想化」「共有化」を実現した製品をご提供してきましたが、それなりのコストや時間を要し、まだまだ「誰でも実現できる」というレベルには至っていなかった部分もあると思います。その状況を打ち破るのが、c-Classのブレードシステムなんですね。互換性を持ち、IT基盤の一元管理ができるので、管理の手間が格段に軽減され、しかも、標準技術の採用により、最新技術の導入が容易です。
コストパフォーマンスも高く、ITの投資保護の観点からも優れている。これなら、企業のIT部門の置かれている状況や課題にあわせて始める「スモールスタート」にも最適で、アダプティブ・インフラストラクチャに取り組むスタートポイントのツールとして、まさに理想的な製品なのではないかと思います。
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(編集部)c-Classの導入で、留意すべきポイントはありますか?
山中 これは多く見受けられるケースなのですが、ブレードの導入により、全体を一元管理し、管理工数を削減するという事には賛同いただけても、いざ実際の導入となると、「今までの」管理手法に頼って行ってしまわれる。例えば、弊社のBladeSystemには、ラック型などには付いているCD-ROMのドライブがなく、OSをインストールする場合、管理ソフトから複数サーバにドラッグ&ドロップでインストールを行います。
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この方法は、CD-ROMを利用したOSインストールに慣れている現場の管理の方からすると、新しい技術を学ばなければならなかったり、最初の導入が面倒くさい、と感じられることも多いようです。実際、ブレードを導入しても、従来の管理手法のままでは、いつまでたっても管理工数は下がりませんし、ブレードを入れた意味も半減してしまいます。つまり、管理工数を削減する、ということは、お客様にもがんばって変えていただかなければならない部分も発生するということでもあるわけです。しかし、この最初の小さな「山」をしっかり越えて、「管理革命」を実行いただければ、BladeSystemの隅々には、AIの思想が反映されているのですから、絶対にその後は、楽になります。
村井 結局、アダプティブ・インフラストラクチャ構築で成功のポイントになるのは、人間が絡む中で、「いかに標準化を行いながら構築できるか」という部分だと思います。「共有化」「仮想化」を実現するにはいろいろな手法があるのですが、特殊な技術で構築したものは、後々の管理や運用で多くの課題を残すばかりでなく、最新の技術を取り入れることさえ困難になってしまう可能性もあります。常にオープンな環境で最新の技術を導入しながら管理の一貫性を実現する……そのためには従来のIT管理にのみこだわらない姿勢も必要で、実際に携わる方々のちょっとした「意識改革」も必要なのではないかと感じますね。 ≫ 【Chapter 4】 アダプティブ・インフラストラクチャのこれから |
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