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地球温暖化防止を掲げた「京都議定書」の国際公約実行が、いよいよ来年からスタート。日本全体の2008〜12年における温暖化ガス排出量を、年平均6%削減(1990年比、CO2換算)することが、目標として掲げられ、企業の間でも、「省エネルギー」「省資源」のための取り組みがより本格化してきた。しかし、ここ数年の「景気改善」や「家庭のエネルギー消費の増大」によって、05年総計では逆に90年比で温暖化ガス排出量が8%アップ。京都議定書の目標達成には、14%以上の削減を行わなければならないという、非常に厳しい状況にある。
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ただ、企業は決して対策で手をこまねいているわけではない。むしろ、エコロジー対策に熱心に取り組む企業は急速に増えており、エコ対策を、「やらざるを得ない責務」と捉えるのではなく、CSR(社会的責任)の一環として、さらに「販売戦略」や「ブランディング」の手段として捉える風潮すら強まっているのである。環境配慮型の液晶テレビを生産する「シャープ」や、環境負荷を激減させた車、プリウスを発売する「トヨタ」はその一例で、もともとは「規制クリアのため」行われていたエコロジー施策が、今は「イメージアップ」や「販促」につながるもの、つまり「企業の付加価値を生む戦略」であると捉えられ、重用されているわけだ。
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もちろん、企業の環境対策そのものは、決して新しいテーマではない。古くは「公害への規制」があり、オイルショックに始まる「省エネ問題」も「地球温暖化」が話題になるずっと前から企業を悩ませてきた。しかし、日本はこうした問題に真摯に取り組み、むしろ多くの企業が「最小のエネルギーや資源で高品質な製品を作ろう」という努力を惜しまなかったため、それはかえって「世界的に高レベルな生産環境や製品を生み出す」ことにもつながっていった。
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その取り組みの姿勢や技術は世界に誇れるもので、昨今の大きなエコムーブメントは、深刻な地球の状況が後押ししているだけでなく、こうした長年培われてきた豊かなエコ施策の経験に、人々の環境への関心の高まりが重なりあった結果生まれたものではないか、と神保氏は分析する。
ちなみにもう一つ、ムーブメントの背景として考えられるのは、昨今、企業が社会的責務を果たしているか否かをチェックする「社会の目」「ステークホルダーの目」が厳しくなっているという事実だろう。「エコ対策を疎かにすれば、経営リスクにつながる」のなら、経営者はそれを怠るべきではなく、企業の「リスク管理」の面からも、エコロジーへの取り組みは必須。「エコがいいのはわかっているが、なかなかうちは……」と言い訳していては、企業の経営能力を疑われる時代になってきた、というわけだ。
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エコロジーが今後、「企業が時代を生き抜く一つのカギ」となることは、間違いないだろう。環境破壊が恐るべき速度で進む中、それを少しでもくい止めるためには、企業が率先して協力し、あらゆる企業活動を見つめ直し、積極的なアイディア立案と実行を続ける必要があることに、疑いの余地はない。
一つ、誤解を解かなければならないのは、「エコ対策はコストがかかる」という考え方。実際には、ムダや手間を省くことで、「コスト削減」につながるケースが多く、むしろ「エコロジー対策は、企業の業務を見直し、経営の最適化を図る、重要な切り口である」と捉えた方が賢明なのではないか。
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瀕死の地球を救う手だては、一人一人が「企業人として、地球人として、この課題に取り組むことが責務である」という自覚を持ち、行動を起こすこと以外にはない。私たちはまず、そのことをしっかりと認識しておくべきだろう。 ≫ 【Chapter
2】 エコロジー対策の基本と、昨今の傾向 |
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