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HPが取り組むかつてない“ゲーム”とは?

掲載記事についてさらに詳しくは(英語サイト)

  Let the games begin
米国のPCゲームのトップメーカー「VoodooPC」の合併・吸収に伴い、HPでは、今、ゲーム市場への本格参入が着々と進められています。総合ITベンダーならではのハイエンドで幅広い技術と、ゲームを知り尽くした会社のソフト力から生み出される新ゲームに、米国の識者からの大きな期待の声もしきり。新分野への挑戦で期待されるメリットと、研究チームが発表したプロトタイプの中身とは……?


「VoodooPC」とHPの技術コラボで実現する、まったく新しいゲーム

お気に入りのコンピュータゲームの中に入り込んだような気分が味わえるディスプレイ、リアルな世界をバーチャルゲームに映し出せるモバイル技術、友達とのゲームに最適なタッチスクリーンテーブル……そんなユニークなゲーム機器を、ITの総合ベンダーであるHPが開発していることをご存知ですか? 実はこれまでもHPは、ゲームデベロッパーに対するワークステーションの主要サプライヤー、オンラインゲームのインフラサービスのトッププロバイダとして、またゲーマーに必要なPCの米国最大の売り手として、ゲーム産業に貢献してきました。

しかし今、推進中のゲーム市場への参入は、これらの実績や、情報システム構築で培ってきたHPの幅広いテクノロジーの成果をベースに、HPの「VoodooPC買収」によって実現するもの(VoodooPCは、パーソナライズされた高性能のPCゲームのトップメーカー)。筋金入りのゲーマーたちの要望が明確にわかるようになることで、まったく新しいゲームのプロトタイプ作成に成功し、昨年5月にそれらの中身や市場参入のプランが発表されました。

VoodooPCの創設者で、もとCTO(最高技術責任者)、現在はHPのGlobal Gaming Business Unitの主任技術担当者となったラウル・スードは、HPについてこう語っています。「昨年初めてHPの研究所に足を踏み入れた時、大変大きな衝撃を受けました。研究所とHPのビジネスユニットには、私たちが使用できる素晴らしい知的財産が、あまりにも膨大にあったからです」。

イメージ技術、マルチメディア、インターフェース設計、センサー、モバイル技術、ネットワーク、メディアストリーミング……さまざまなIT技術の世界的なリーダーであるHPは、現在、デジタルゲームの将来に影響をもたらすリサーチプロジェクトのホストになっており、そんなHP研究所とGlobal Gaming Unitが手を携えることで、まったく新しいゲームが生み出されようとしているのです。米国HPの取締役副社長でありこのプロジェクトの主任戦略技術担当でもあるシェーン・ロビンソンは、挑戦への意気込みをこう述べています。「HPがゲームの世界でもリーダーシップを発揮できることを、皆さんにも知っていただけるよう、これからHPならではのゲーム戦略をお見せしていきたいと思います」。

成功すれば、ゲームは10年分以上進化し、ゲームの概念も変わる!?

それでは、発表されたいくつかのプロトタイプをご紹介しましょう。

【Panoply】
複数の低コストのプロジェクタを使い、ユーザーの視野いっぱいにカーブのかかった高解像度ディスプレイを配置。かつてない臨場感やスリルが楽しめるゲーム技術。ユーザーは自動カメラアシストプロセスを使ったシステム調整が可能で、プロジェクタ調整は不要。ゲームだけでなく、リモートコラボレーション、ホームシアター、学術的な映像上映などにも応用することができ、「HP's Halo telepresence product」での使用も検討されています。

【Mscap】
複数のユーザーが各種の異なるモバイルデバイスで、現実のスペースを使ってファンタジーゲームを行える技術。例えば、公園に何人かの友達がいると仮定して、彼らを公園の上のビジュアルな世界に重ねて映す、宝物を隠すための木々をマッピングする、カフェをお城に見立てる、予め設定した場所に妖精が現れてプレーヤーたちにご褒美を渡す……といったことが可能。途中でルールを変えたり、メンバーに次の使命を送ったりも自在にできます。

【Misto】
高解析度のタッチスクリーンをコーヒーテーブルの中に埋め込んで、例えば本物そっくりに見えるデジタルの水槽を映し出したり、友達とデジタル・ポーカーやバックギャモン、あるいはあなたの好きなゲームを楽しんでみたり……。この研究は「複数のユーザーが同じ場所に集まってゲームをする時、どんな娯楽がいいのか」を社会行動学的検知から追及するプロジェクトでもあります。

【Pluribus】
デジタルサッカーやフットボールなどを大型プロジェクタで映し出し、実際の試合にいるような臨場感が味わえる技術。本来、輝度が高い大型デジタルプロジェクタは高価で、既存のマルチプロジェクタシステムでは手動調整にコストと時間がかかるという問題がありました。Pluribusは複数のデジタルプロジェクタを使用しますが、プロジェクタのコンフィグレーションにかかわらず、すばやく自動的に1つの大画面に、高解像度、高輝度のイメージを作り出すことが、他社の同様のシステムよりもずっと低コストで可能。高品質マルチプロジェクタが手軽に実現できるようになります。

なお、これら4つのテクノロジーは、Voodoo のPCと「HP Touchsmart PC」というワイヤレスキーボードとマウスのついたタッチスクリーンPCとともに、サンフランシスコで開かれたHP Gaming Summitでも、レポーターやアナリストによって紹介されました。このイベント後、IT産業アナリストのロブ・エンダール氏は自身のブログにこう記しています。「こうしたゲームプランを進めている企業は他にはなく、もしHPが成功すれば、ゲームは10年分以上進化するとともに、ゲームの“捉えられ方”が変わり、ゲームの将来の方向性をも変えることになるでしょう」。

ゲーム研究で生まれた技術を、HPの従来の商品ラインにも活用

ところで、HPのゲームに関する研究について、HPの「HP's Mobile and Media Systems Lab」のディレクター、スージー・ウィーはこう語っています。「HPはこれまで、より低コストであることが要求される市場の研究を主に進めてきましたが、このことは、顧客が本当にベストな体験と商品を求めるゲーム市場に対してもプラスになりそうです。新しいゲーム商品に使用されようとしているテクノロジーの多くは、本来はHP研究所のプロジェクトの他の分野でフォーカスされてきたものですが、両社が手を結ぶことで、ゲーム市場により早く新テクノロジーを反映することが可能になるため、まずハイエンドな領域でゲームの商品化を行い、その後、その技術をHPの顧客にも行き渡るようにすることもできると考えています」。

こうしたスケールメリットについて、スードもこう語っています。「数々のゲームのプロトタイプから恩恵を受けるのは、ゲーマーだけではありません。HP研究所がゲームのテクノロジー開発に力を注ぎ、成功・失敗を繰り返しながら、改善点を見つけることで、ゲーム研究の成果を他の商品ラインにも反映させることができるのです」。

ちなみに、HPのゲーム研究は、新しいGaming Unitで研究員たちと一緒に仕事をするようになる以前から、純粋にゲームとそのテクノロジーを楽しみたい研究員たちによって、密かに行われていました。ウィーは語ります。「夜になるとオンラインゲームにいそしんでいた人たちが、今後はそれに仕事としても情熱を注げるようになったことは、とても喜ばしいことです」。

一方、スードは今年の終わりにはもっと多くのゲームを発表すると公言しており、そこには、HPのプレミアムPCとVoodooの完全にカスタマイズされたゲームマシンや、全く新しいゲームのプラットフォームなどが含まれています。「ゲーム市場がHPの注力する領域の一つになることで、よりエキサイティングなゲームが今後誕生することになると期待していただきたいと思います」。HPの「新ゲーム」がどんな一大旋風を巻き起こすか……?! その動きは、大きな注目に値するようです。

[掲載記事についてさらに詳しくは(英語サイト)]
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