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HP Technology at Work > 次世代「BI」で競争優位に立つ!

【Chapter 2】
「BI実現」に必要なアプローチ

 

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最大のカギは、「リアルタイムマネジメント」と「唯一の真実」の追求

では、さまざまな問題を解決しBIの目的を果たすには、どんなアプローチで対処していけばよいのだろうか。

次に、いくつかのポイントについて列挙していこう。

1) 「第三世代BI」への取り組み
BIが提唱された80年代後半から現在までの経過を見ると、BIは主に3つの段階に分けられると、HPの池邉は述べる。まず「第一世代BI」は、複雑な分析に対する答えをいかに素早く出すかを問うOLAP(Online Analytical Processing)の時代。続く「第二世代BI」は、業務の効率化を第一義とするCPM(Corporate Performance Management)の時代。

そして今は、情報をリアルタイムにキャッチしながら、その分析を即座に経営判断に活かすことが求められる「第三世代BI」。こうした新しい方法論が生まれた背景には、前号の記事でも言及した「業務系システムと情報系システムの間の垣根の消失」があり、「ITの進化に伴い情報に対する目線も変化し、これまでのエンタープライズアーキテクチャのあり方を見直さざるを得ない状況がある」と池邊は指摘する。

第三世代BI

この変化について少し詳しく説明しておきたい。今までは業務系のシステムで発生する業務データをデータベースに蓄え、それに対してさまざまな分析を行おうとするのが基本的な考え方で、実際これまでは多くの企業がこの方法を採用してきた。しかし、そこから導き出される答えは「業務がどのように行われているのか」といったもので、これは「業務の効率化を念頭に置いた“目的指向”のデータ活用」に過ぎない。

ところが昨今では、ビジネスの競争優位性を獲得するために「今、何をすべきか」という"主題指向"的な情報活用のニーズ」が強く求められるようになってきた。これを解決するには、業務系と情報系システムを包括的に活用させ、企業全体を視野に入れた情報戦略が必要であり、その上で両者の情報の橋渡しをなるべく速く行うことが求められる。そこで、情報の受け渡しが一気通貫的に行われるようになれば、ユーザーは業務系、情報系と意識することなく、シームレスに情報をビジネスに活用することができるようになる。こうした「第三世代BI」を実現するためには、以下の追求が大きなカギになると考えられる。

リアルタイムマネジメント
情報から導き出される現象や原因を分析し、対策と評価をリアルタイムに行うことで、情報に対する適切な判断を実現させるという考え方。情報を戦略的に活用する上で、最も重要なアプローチと言える。

唯一の真実(Single Version of the Truth)
一つの情報に対し、集計や分離の方法によって、多種多様な解が存在すると、ビジネスにおける適切な意思決定はできない。これからのBIでは、多くのユーザーが様々な視点からアクセスしても「共有される情報が一つの事実に基づくものであること」、よって「誰にとっても同じ理解や解釈ができること」が大前提となる。

2) 情報の見方は「広く」「深く」「高く」「多角」
BIで取り扱われる情報は、情報となった瞬間「過去の現象」を示すものと考えられ、それをキャッチすること自体は単に「現象を捉えること」に過ぎない。それをビジネスに活かすには、情報の捉え方に留意していく必要があるのだと、池邉は説明する。情報への対処のポイントは以下の4つ。

「広く」……情報が示す現象から、ある兆しや、それと類似した兆候などを類推して考える。
「深く」……ある兆しの特異性や共通点から原因を探る。
「多角」……全体をさまざまな視点から検証する。
「高く」……経営的な観点から評価を行う。

情報を捉える4つのポイント

つまり、品質の維持や向上、業務改善を行う上で有効とされるPDCA(Plan/計画、Do/実行、Check/評価、Act/改善)に倣い、情報についても「現象」「原因」「対策」「評価」のサイクルを回していくことが有効であるということ。その上で、指標や情報に基づいて業績を管理する仕組みを確立し、様々な状況において全体戦略と個別戦略の整合を図りながら、戦略展開によって個々に発生するコンフリクト(衝突)を調整して、全体としての価値創造へと連携していく。なお、「業績管理」や「戦略オペレーション管理」「KPIおよび施策管理」「イベントドリブンによるアクション管理」「バリューチェーン管理」など、精緻化し多様化する企業内の管理の目的やニーズに即応することのできる「階層化された情報供給」を行うことも必要で、池邊は、これらのアプローチによって「経営の可視化」と「現場の見える化」が同時に達成できると説明する。

3) 「水平統合」による情報システム構築
企業の個々の業務や組織の運用に合わせて情報系システムを構築しようとするアプローチは、旧来から多く行われてきたBIの形態で、業務からITに直接落とすことから「垂直統合」と呼ばれている。垂直統合は、比較的手軽かつ短期にシステム構築ができるのが特徴だが、データマートが多数できてしまう、経営層に情報が行き届かない、情報の整合性がとれない……など、さまざまな問題を引き起こす要因ともなっていた。
これに対し、「水平統合」は全社的な視野に立って情報系システムを構築しようとする考え方で、一元管理されたデータウェアハウスの構築により、業務や部署等の組織を横断しながら、情報の自在な供給・活用を支援。経営レベルの迅速な意思決定や、業務の目的に応じた自在な情報供給を可能にするものと考えられている。

垂直統合と水平統合

4) 情報に対する「ガバナンス」の徹底
情報をむやみやたらにデータベースに入れても統制を効かせなければ意味をなさない。情報をどのように扱うかという「情報ガバナンスの徹底」と、それに基づいた「情報の包括的な管理」も重要になる。

5) ビジネスとITの関係を中・長期的なスパンで捉え、情報を共有できるシステムを目標に
目の前の業務課題だけでなく、経営課題に目を向ける。そして「ビジネスとITの関係を中・長期的なスパンで見つめ直し」、自社にとってITの“あるべき姿”を構築することが重要となる。また、情報は全社員で共有することも必要。そのために、経営層を含めた「全社的な理解を可能にする情報システム構築」が望まれる。

 【Chapter 3】 スムーズな導入のために克服すべきこと



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