
優れた芸術家であり、偉大な科学者であったレオナルド・ダ・ヴィンチが生誕して553年。そして現代のこの日本で、未来のダ・ヴィンチを見つけようというのが今回のプロジェクトの目的です。名誉委員長には、紙と鉛筆に代わる魔法のソフトウェア「スクイーク」の産みの親であるアラン・ケイ博士が就任。博士は、個人用ダイナミック・メディア(ダイナブック)という設計思想で、パーソナルコンピュータを世界で初めて考えた人物であることから、"パソコンの父"として多くの人々に親しまれています。また、「Smalltalk」(パーソナルコンピュータの原型「アルト」のソフトウェアで、世界初のオブジェクト指向言語)の開発をリードするなど、幅広い分野で才能を発揮してきました。
そして今回は、次の3つの団体が共催としてプログラムを支えます。まず、アラン・ケイ博士が代表を務め、スクイークの開発と普及支援、およびメディア関連開発をおこなう米国NPO「Viewpoints Research Institute(ビューポインツ リサーチ インスティチューツ」。さらに、子どもの創造力や表現力を育む活動をおこなうNPO法人「CANVAS(キャンバス)」(理事兼事務局長、石戸奈々子氏)。加えて、日本HP社員と関係者120名が参加するボランティア組織「HP-Squeakers(HPスクイーカーズ)」です。それから、協賛として後押しする日本HPは、このプログラムの全ての費用を支援します。
実行委員長で、HPスクイーカーズ代表/日本HP 経営企画室GPA部 部長の瓜谷輝之は、「このプログラムを通じて、子どもたちが何かを発見し、創作することの面白さを楽しみながら学んでもらえれば大変嬉しく思います」と語り、今後もこのような機会を通じて、広く社会貢献活動につなげたいとの考えを示します。また、理事兼事務局長の石戸氏は、「ダ・ヴィンチのように、幅広い視野で、想像力豊かにこれからの社会を築いていく子どもたちがたくさん生まれることを願っています」と話し、プログラムへの期待の大きさを表します。
「『HPスーパーサイエンスキッズ』 〜明日のダ・ヴィンチを探せ!〜」ワークショップ&コンテストは、小学校3年生から中学校3年生までの児童を対象とし、2005年12月から2007年4月までの期間で実施されます。
コンテストの応募作品は、「サイエンス」をテーマにして、スクイークを用いて作成したものなら何でもOK。また、このコンテストと並行して、全国でワークショップが年間50回以上開催されますが、すでにスクイークを利用していて、ワークショップに参加しない子どもたちも応募が可能です。この応募者の中から最終的に選ばれた5名は、「HP スーパーサイエンスキッズ」として、2007年の3月下旬から4月上旬に行なわれる米国の世界最先端の研究施設(NASAやHPの研究施設をはじめ、スタンフォード大学やUCLA/UCバークレー、博物館、水族館などを予定)を訪問するツアーに参加し、第一線の研究者との交流が実現します。
詳しくは http://www.supersciencekids.com/ をご覧ください。
イベントの基調講演として、アラン・ケイ博士による「子どもと教育、コンピュータ」についての講演が行なわれました。
講演の内容については こちら をご覧ください
NPO法人CANVAS理事兼事務局長の石戸奈々子さんを司会に、デジタルハリウッド大学の学校長で工学博士の杉山知之さん、キューエンタテインメント株式社で代表取締役CCOを務める水口哲也さん、横浜市東山田中学校の校長で元楽天株式会社副社長の本城愼之介さん、そしてViewpoints Research InstituteのExecutive Directorであるキム・ローズさんをパネラーに迎えて、活発なパネルディスカッションがおこなわれました。
パネルディスカッションの内容についてはこちら ををご覧ください。
別会場では、日本全国でおこなわれている、スクイークを用いた教育活動についての成果報告と、今後の方向性に関する貴重な発表がなされました。満員の客席からは、熱い視線とともに感心する声も多く聞かれ、またユーモラスな成果には笑い声が上がっていました。
成果発表会の内容についてはこちら をご覧ください。
成果発表会と並行した別室では、子ども向けスクイークワークショップが公開されました。日本HP社員の子どもたちが10名、そしてスクイークを取り入れた学習で知られている、東京都杉並区立和田小学校の児童10名が参加したこのワークショップでは、スクイークの基本をマスターした子どもたちが、スクイークを「目的」ではなく「手段」として、学習に取り込む様子を見ることができました。
使われた教材は、パソコンと世界聴診器(電圧を音の高さに変える機器)、それに、かぼちゃ、みかん、アボカド、キウイ、にんじん、パイナップルなど、山と積まれた果物や野菜たちです。まず、世界聴診器を乾電池とつなぎ、電圧に応じて音程が変わることを学んだ後、亜鉛と銅とアルミの金属片とレモンを用いて、どの金属の組み合わせが最も電圧が出るかを実験。そして、さらにパソコンにつないで数値を確認した子どもたちは、思い思いに果物や野菜を持ち寄って、同様の実験を繰り返しました。
その次のステップでは、スクイーク上でクルマを使って、出した数値をスピードに変える実験です。単に電圧を上げるだけではなく、プログラムでコース上を走らせることで、誰が一番速くゴールさせることができるかのコンテストをおこないました。
世界聴診器の開発者のひとりで、HPスクイーカーズの阿部さんは、「よく観察して、ひとつひとつ確認しながら実験を進められた子どもが良い成績をおさめたようです。このような体験は、仮説を立て、検証する実験を行い、普遍的な法則を導き出すといった、科学リテラシーを習得するのに最適ではないかと思います」と話します。
そして、カンファレンスは終了の時間を迎えました。名誉委員長であるアラン・ケイ博士は、「本日は、ここに集まってくれた子どもたち、保護者の方々、先生方、日本HPのボランティアの方々、また報道陣の方々の協力のおかげで、すばらしい1日となりました。このような体験が、世界中で1億くらい生まれればいいのにとも思いますが、まずはここに1つ実現できました。皆さんに、心からの感謝を申し上げたいと思います」と語り、カンファレンスを締めくくりました。
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