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NYで蘇った狩野探幽による重要文化財“虎の襖絵”
HPのプリンティングテクノロジーが再現

最先端のIT技術と世紀を超えて継承されてきた日本の伝統技術が融合、文化遺産の高精細複製をニューヨークから世界に発信
京都国際文化交流財団とHP「ArtExpo NY」に共同出展 リポート

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ニューヨークで行われた「ArtExpo」に京都国際文化交流財団とHPが共同出展

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芸術文化財を次世代に継承する HPイメージング&プリンティングソリューション
大判プリンタ
ニュースリリース
京都国際文化交流財団とHPは、3月2日から6日まで、ニューヨークで行われた「ArtExpo」に、日本の文化遺産を保護することを目的としたデジタルアーカイブ事業の一環として制作された高精細複製を出展しました。醍醐寺「五大尊像(国宝)」、南禅寺「群虎図(重要文化財)」、大徳寺瑞峯院「堅田図襖絵」の3作品、計13点の高精細複製が、世界中から集まるオーディエンスに公開され、貴重な文化財の保存に新しい可能性があることを示しました。ニューヨークで行われた「ArtExpo」参加の模様をリポートします。

クイックリンク
 
ArtExpo NYに突如出現した京都の町屋と日本の貴重な文化財
朽ち行く文化財 - わたしたちが直面する保存の急務
あるべきところに「回帰」した堅田図襖絵
最先端のIT技術と伝統工芸の融合が提案する新しい可能性
数百年前の芸術をかぎりなく本物に近く再現するために
限りなく広がる可能性ーより身近に、より遠くへ

ArtExpo NYに突如出現した京都の町屋と日本の貴重な文化財

  南禅寺「群虎図」
 

京の町家のようなブース

開催会場となったニューヨークのジャビッツ・センター。何の変哲もないコンファレンス・ホールの一角に、京の町家をそのままもってきたようなブースが登場しました。町家の門をくぐっていくと、原寸大に再現された大迫力の大徳寺瑞峯院「堅田図襖絵」そして南禅寺「群虎図」が現れます。

これまで厳しい制限のもとなかなか拝観できなかった3作品を、世界中からやってきた人々が、京都から遥か離れたニューヨークで観賞することができたのは、最新のIT技術と京都の伝統技術を融合させ、高精細の複製として再現することに成功したからです。観客たちは、作品に顔を近づけたり、時には触るようにして、思う存分観賞を楽しみました。


朽ち行く文化財 - わたしたちが直面する保存の急務

ユネスコに世界遺産として指定される京都には、3500以上の寺社仏閣に、日本が世界に誇る国宝の3分の1以上が存在します。しかし、こうした文化財は、時の流れとともに刻々と劣化の危機にさらされています。次の世代に今ある姿を残すため、デジタルアーカイブ化が急務となっています。

今回NYに駆けつけた財団の可児理事長は、文化財の保存が懸念される危機的状況についてこう話しています。
「京都は日本の文化の集積地。たくさんの文化財が継承されています。しかし、多くは木や紙が基本になっており、繊細でか弱いもの。劣化によって消失していったものもたくさんあると思われます。朽ちゆく文化財をなるべく早く保存していくことが、わたしたちの使命です」

あるべきところに「回帰」した堅田図襖絵

大徳寺瑞峯院「堅田図襖絵」
大徳寺瑞峯院「堅田図襖絵」

今回、複製が展示された文化財のひとつである「堅田図襖絵」は、室町時代の滋賀県堅田村に生きる人々の様子を描いた名作です。しかし、明治維新や戦争の混乱で120年以上もの長い間、行方がわからなくなっていました。近年になって発見されたものの屏風になっており、またすでに別の所有者がいたことから、このプロジェクトで高精細複製として再現させました。そして、もともとの襖絵に作り直して、これを大徳寺瑞峯院に「回帰」させることにしたというエピソードがあります。

大徳寺瑞峯院の前田住職は、もう戻ることのないと思っていた襖絵にかぎりなく近いものが、本来の場所に戻ってきた喜びをこう表現しています。

「450年前に建てられた本堂のなかに、この襖絵を入れて畳に座らせてもらったときの心境は、450年前にそのままもどっていくようで、祖師方のありがたさがしみじみわかりました(前田住職)」

このようにデジタルアーカイブ事業により、他所に流出してしまった文化財をあるべき場所に蘇らせるという可能性も広がるのです。

最先端のIT技術と伝統工芸の融合が提案する新しい可能性

箔工芸作家 裕人礫翔氏によるデモンストレーション
箔工芸作家 裕人礫翔氏
によるデモンストレーション

本物に限りなく近い迫力が再現できるようになった背景には、HPが持つ最先端のテクノロジーと、京都に伝わる伝統技術の融合がありました。

最先端の技術だけでは、何百年も前に作られた作品を蘇らせることはできません。時の流れとともに劣化した芸術品の現在の姿を忠実に伝えるためには、世紀を超えて継承されてきた京都の伝統工芸を取り入れることが必要なのです。「群虎図」の作成に際しては、何百年という時間に金箔が劣化してかもしだされた独特の風合いを忠実に再現するため、金箔を張り、さらにそれをはがしていく手法が取り入れられました。

今回の展示会場では、箔工芸作家の裕人礫翔氏が、金箔を貼る作業のデモンストレーションを行いました。多数集まった観客の前で、裕人礫翔氏が、HPプリンターによって和紙に出力された作品に接着剤をのせ、そこに風になびくほど薄い24金の金箔を一枚一枚のせていきます。そして、余剰の金箔を刷毛で払い落としていくというデリケートな作業を行いました。

財団の可児理事長も、こう語っています。
「文化財をしっかりと記録・保存しながら、オリジナルに近いものを出力する技術をもったHPの最先端テクノロジーと、京都に長年息づく伝統工芸の匠の技を融合することで、今日の文化財の再現が実現したのです」

払い落とされた煙ほどに細かい金粉が舞う幻想的な空間とその繊細な技に、観客たちの目が釘付けになっている姿が見られました。

数百年前の芸術をかぎりなく本物に近く再現するために

HP Designjet 5500ps UV プリンター
HP Designjet 5500ps UV プリンター

数百年前の日本で和紙を彩った色は、当然のことながら、従来欧米で見られるような色のバリエーションとはずいぶん違います。今回展示された3作品の複製の作成でカギとなったのは、HPのカラーサイエンス能力でした。オリジナルにかぎりなく近い色合いを出すために、HPのカラー・サイエンティストたちが、色の明度を解析して「カラー・プロファイル」を作成しました。財団の専門家と協力しながら色の明度のずれを測定し、オリジナルに限りなく近い色を再現するために試行錯誤を繰り返したのです。

こうして作成された複製には、顔料にUV(紫外線)を使用した特殊なインクが使われています。このUVインクは、光を浴びても薄くなることがなく、HPの純正紙に出力された場合、300年以上の耐久性があることから、文化財の保存方法としてはきわめて優れています。

限りなく広がる可能性 - より身近に、より遠くへ

向かって右より
臨済宗大徳寺派 瑞峯院住職 前田 昌道 様
京都国際文化交流財団 理事長 可児 達志
HPイメージング・プリンティングサプライシニア・バイスプレジデント プラディープ・ジョットワーニ
向かって右より
臨済宗大徳寺派 瑞峯院住職 前田 昌道 様
京都国際文化交流財団 理事長 可児 達志 様
HPイメージング・プリンティングサプライシニア・バイスプレジデント プラディープ・ジョットワーニ

可能になった高精細の複製によって、今後日本の貴重な文化財が、より多くの人々の目に触れる可能性が一気に開きました。日本の伝統文化の継承、また世界への発信という面において、多くのメリットを秘めています。特に、千年を超えて受け継いできた日本の文化や芸術の素晴らしさを子供たちに、そしてこれからの世代に伝えていくことは非常に重要です。

ニューヨークでもオーディエンスたちは、日本の伝統美を、規制されることなく思う存分楽しんでいました。多くの文化財は、劣化を食い止めるために、厳しい管理のもと拝観制限されていますが、今後は、本来あるべき場所であるべき姿を心ゆくまで楽しんでもらうことができるのです。

また、日本の伝統芸術は、これまで外国人オーディエンスにとって、日本を訪れなければ楽しむことのできないぜいたくなものでした。しかし今回のように海外で展示するなど、高精細複製の登場は、日本の文化を世界に発信していくうえで、大きな一歩となることでしょう。

「複製を作るだけではなく、芸術品や文化財を通じて、日本の精神や禅の心をもっともっと世界に発信していきたいと思っています(可児理事長)」

「文化を守るということは、毎日の積み重ねです。代々の人々が守ってきてくれたものを、我々も守っていかなければなりません(前田住職)」

「歴史的に非常に意義のあるプロジェクトに参加できることはHPの誇りです。また、HPの最先端のテクノロジーを最大限に活用し、今回のような社会的に重要な事業に貢献することは私たちの使命だと思っています。今後も更なる技術向上の為の研究を重ね、貴重な日本の文化遺産の保護と未来への伝承に大きく貢献していきたいと考えています(HPイメージング・プリンティング・サプライ部門シニア・バイス・プレジデント プラディープ・ジョットワーニ)」

日本の伝統の心を世界に、そして未来の世代に、伝えていくというわたしたちの使命です。

 

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