|
|
箔工芸作家 裕人礫翔氏
によるデモンストレーション |
本物に限りなく近い迫力が再現できるようになった背景には、HPが持つ最先端のテクノロジーと、京都に伝わる伝統技術の融合がありました。
最先端の技術だけでは、何百年も前に作られた作品を蘇らせることはできません。時の流れとともに劣化した芸術品の現在の姿を忠実に伝えるためには、世紀を超えて継承されてきた京都の伝統工芸を取り入れることが必要なのです。「群虎図」の作成に際しては、何百年という時間に金箔が劣化してかもしだされた独特の風合いを忠実に再現するため、金箔を張り、さらにそれをはがしていく手法が取り入れられました。
今回の展示会場では、箔工芸作家の裕人礫翔氏が、金箔を貼る作業のデモンストレーションを行いました。多数集まった観客の前で、裕人礫翔氏が、HPプリンターによって和紙に出力された作品に接着剤をのせ、そこに風になびくほど薄い24金の金箔を一枚一枚のせていきます。そして、余剰の金箔を刷毛で払い落としていくというデリケートな作業を行いました。
財団の可児理事長も、こう語っています。
「文化財をしっかりと記録・保存しながら、オリジナルに近いものを出力する技術をもったHPの最先端テクノロジーと、京都に長年息づく伝統工芸の匠の技を融合することで、今日の文化財の再現が実現したのです」
払い落とされた煙ほどに細かい金粉が舞う幻想的な空間とその繊細な技に、観客たちの目が釘付けになっている姿が見られました。
|
| HP Designjet 5500ps UV プリンター |
数百年前の日本で和紙を彩った色は、当然のことながら、従来欧米で見られるような色のバリエーションとはずいぶん違います。今回展示された3作品の複製の作成でカギとなったのは、HPのカラーサイエンス能力でした。オリジナルにかぎりなく近い色合いを出すために、HPのカラー・サイエンティストたちが、色の明度を解析して「カラー・プロファイル」を作成しました。財団の専門家と協力しながら色の明度のずれを測定し、オリジナルに限りなく近い色を再現するために試行錯誤を繰り返したのです。
こうして作成された複製には、顔料にUV(紫外線)を使用した特殊なインクが使われています。このUVインクは、光を浴びても薄くなることがなく、HPの純正紙に出力された場合、300年以上の耐久性があることから、文化財の保存方法としてはきわめて優れています。
|
向かって右より
臨済宗大徳寺派 瑞峯院住職 前田 昌道 様
京都国際文化交流財団 理事長 可児 達志 様
HPイメージング・プリンティングサプライシニア・バイスプレジデント プラディープ・ジョットワーニ |
可能になった高精細の複製によって、今後日本の貴重な文化財が、より多くの人々の目に触れる可能性が一気に開きました。日本の伝統文化の継承、また世界への発信という面において、多くのメリットを秘めています。特に、千年を超えて受け継いできた日本の文化や芸術の素晴らしさを子供たちに、そしてこれからの世代に伝えていくことは非常に重要です。
ニューヨークでもオーディエンスたちは、日本の伝統美を、規制されることなく思う存分楽しんでいました。多くの文化財は、劣化を食い止めるために、厳しい管理のもと拝観制限されていますが、今後は、本来あるべき場所であるべき姿を心ゆくまで楽しんでもらうことができるのです。
また、日本の伝統芸術は、これまで外国人オーディエンスにとって、日本を訪れなければ楽しむことのできないぜいたくなものでした。しかし今回のように海外で展示するなど、高精細複製の登場は、日本の文化を世界に発信していくうえで、大きな一歩となることでしょう。
「複製を作るだけではなく、芸術品や文化財を通じて、日本の精神や禅の心をもっともっと世界に発信していきたいと思っています(可児理事長)」
「文化を守るということは、毎日の積み重ねです。代々の人々が守ってきてくれたものを、我々も守っていかなければなりません(前田住職)」
「歴史的に非常に意義のあるプロジェクトに参加できることはHPの誇りです。また、HPの最先端のテクノロジーを最大限に活用し、今回のような社会的に重要な事業に貢献することは私たちの使命だと思っています。今後も更なる技術向上の為の研究を重ね、貴重な日本の文化遺産の保護と未来への伝承に大きく貢献していきたいと考えています(HPイメージング・プリンティング・サプライ部門シニア・バイス・プレジデント プラディープ・ジョットワーニ)」
日本の伝統の心を世界に、そして未来の世代に、伝えていくというわたしたちの使命です。
|