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知識の王朝を発掘:
古代の兵馬俑と科学的な発見をオンライン化

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DSpace中国プロジェクトの技術的論評  
兵馬俑
兵馬俑
2000年以上の長きにわたって無敵を誇った中国の兵馬俑群像も、1974年の発見を期に、現代社会がもたらす脅威の犠牲者となりつつあります。 これら中国彫刻の最高傑作は、動乱の脅威にさらされ、自然侵食の影響によって色あせ、気候変動と環境変化によって高まる酸化と乾燥により劣化の危機にさらされています。

兵馬俑はこうした危機にさらされながらも、一方でその不老不死を保証する技術ソリューションも生み出しています。 これも、HPラボの取り組みの成果です。

 オープンアクセスを容易にするオープンソース

遺跡の撮影
遺跡の撮影
DSpaceプラットフォームと呼ばれるこの技術は、2002年10月にHPラボとMITライブラリーの技術提携によって生み出されました。DSpaceは、オープンソースのデジタルアーカイブシステムで、恒久的な研究データの収集、保管、インデックス付け、保存、再リリースが任意のデジタル形式で行えます。 このシステムを使用すると、世界のあらゆる場所からインターネット経由で資料を参照できるほか、教員や学生、研究者が以前には利用できなかった貴重な資料や収集物を共有できるようになります。

HPラボとMITでは、多くのユーザが技術を利用できるように、DSpaceをオープンソースとして世界にリリースし、サポートのための非営利団体「DSpace Foundation」を設立しました。現在、世界中で265以上の大学、図書館、博物館、研究センターが、DSpaceプラットフォームに100万件を超えるドキュメントを保管しており、無料アクセスを可能にしています。

現在、中国がDSpaceに最も熱心に参画しており、中国当局と研究者が2つの国家主導プロジェクトに対応するため、DSpaceを利用しています。プロジェクトの1つは、中国のトップ18の大学が所蔵する学術財産をアーカイビングするためのデジタル博物館プロジェクトです。 もう1つは、バーチャルオリンピックミュージアム用に、スポーツアーカイブとしての競技記録や、兵馬俑群像などの中国の文化遺産の写真、音声、映像などをキャプチャーして保管する意欲的な取り組みです。

 “中国の宝”への世界的なアクセスを促進

HPの研究者と中国教育省の共同作業のもと、中国のトップ18の大学がDSpaceを使用して、生物、人類学、地球科学、科学技術に関する知識をアーカイビングしています。中国の大学デジタル博物館プロジェクトでは、学術的なドキュメント、写真、音声・映像コンテンツのみならず、博物館のコレクションに収められた実際の工芸品もデジタル化しており、3次元フォーマットがよく用いられます。

 競技場から画面に

中国の宝物をアーカイビングするために使用された技術が、国家のデジタルオリンピックショーケース「バーチャルオリンピックミュージアム(VOM)」の構築にも利用されています。

来館者は、世界各地から標準インターネット接続を使用してデジタル写真、音声・映像クリップ、仮想環境にアクセスし、近代・古代オリンピック競技や中国の伝統スポーツと伝統文化に関する情報を入手することができます。

スポーツ面の展示でメインとなるのは、4つのテーマです。北京オリンピック、近代オリンピック、古代ギリシャのスポーツ、古代中国のスポーツです。

文化面で目玉となるのは、かの有名な兵馬傭です。 研究者は、すでに多数の彫刻の「ラップアラウンド」スキャンを実施しています。これにより、来館者が3Dで兵士を回転させ、さまざまな角度から拡大して、細部まで眺めることができます。

オリンピックの閉幕から年月を経ても、これらのユニークな3次元画像は、将来の世代にとって欠くべからざるものであり、研究者が劣化の検出や監視に使用することもできます。 こうした作業は、厳格な規制により、実際の博物館ではじかには実施することができません。

HPのUniversity Relationsチームによってサポートされ、北京航空航天大学の技術者によって開発されているVOMは、2テラバイト (約2兆バイト) ものコンテンツを格納できます。

 知識国家の構築

北京オリンピックの閉会によって、中国のDSpaceとの関わりが終わるわけではありません。 これまでの取り組みの成功により、中国当局では、向こう3〜5年以内に「中国デジタル科学技術館 (China Digital Science & Technology Museum)」と呼ばれる同様のバーチャルミュージアムの創設を計画しています。これには、300のサブミュージアムが含まれます。 ミュージアムは、国家の科学普及リソースの保存、一本化、共有、および科学文書への一般からのアクセスの質の向上を目的に設計されています。

中国は、DSpace自体の開発においても1つの役割を果たしています。 過去2年間、北京航空航天大学の科学者がDSpace International Workgroupの年次大会に出席し、ミュージアムのデジタル化におけるDSpaceの有効な拡張と応用に関して世界各国の研究開発者と議論を行ってきました。

北京航空航天大学のXukun Shen教授は、こう述べています。「北京航空航天大学にとって、DSpace Workgroup Meetingへの参加は、この分野で初めて国際的な舞台に立ち、世界に向かって我々の成果をお披露目する絶好の機会なのです。」

中国は、総勢8000の兵馬俑と、国家を代表するエネルギッシュで革新的な科学者たちを先頭に、繁栄した王朝を再度築き上げようとしています。今度の王朝は、情報と教育を礎に、知識の輝かしい遺産を活用したものとなるはずです。
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