もともと、ビジネスで個人情報を有効に活用するには、企業がお客様の情報をしっかりと守ることの重要性を認識し、万全な保護対策を行ってこそ成り立つものです。ならばその対策の有無は、「企業を差別化」し「取引先やお客様に選ばれるため」の戦略的な武器となるわけで、まず情報セキュリティ対策の費用を「コスト」ではなく、経営的な視点に立った「投資」と考えることが、今後は中小・中堅企業にも必要となってくるのではないでしょうか。
そうした投資の実際のカギとなるのは、もちろん「IT」です。ただし、明確な目的や活用のシナリオを持たないままITを導入しても、必ずしもビジネス拡大につながるわけではありません。自社の目的や体力にあった導入を行うには、「経営戦略としての個人情報保護対策を、ITを活用してどう実現していくか」という視点が不可欠です。そこで大切なのは、経営的視点に立って「ITを経営課題解決のためのツールとしてどう活用するか」を考えることで、どの戦略にどのくらいの重点を置くかによって、構築するシステムや予算も変わってくることになります。
例えば、あるマーケティングの会社では、取引先から個人情報の預託を受ける際に、セキュリティ機能付きのCD-Rを活用し、そのCD-Rにアクセス制限や有効期限、コピー制限などのセキュリティ機能を付加することで、自社のセキュリティ対策をさりげなく取引先にアピールしています。この会社では「他社が監視カメラをつけたので当社も」ということではなく、「リスクに応じた合理的な対策を行う企業」であることが一目瞭然となる仕組みを作り、安定的な取引につなげることに成功しているのです。
それでは一般的には、具体的にITをどう活用していけばいいのでしょうか? |