 |
≫ |
|
|
 |
 |
| 株式会社テレビ朝日は、公器としての放送業務を担う企業として、番組制作会社をはじめ、音楽出版やテレビショッピング、施設管理、リースや調達、アナウンサー育成など、多岐に渡るフィールドに、多くのグループ会社を有している。その中で連結決算の対象となる13
社の国内企業の会計環境を、SAP R/3に統一。HP をパートナーとして、短期間での全社一括立ち上げを実現した。さらに、グループ経営強化に向けた戦略の中で、管理会計の実施や定型業務のシェアード・サービス・センター移行等を進めており、グループ会社それぞれの「強み」を活かしながら、筋肉質で柔軟なグループ経営体質形成を進めているのである。 |
|
|
|
 |
|
 |
 |
 |
 |
| |
本社外観 |
| |
|
| |
 |
| |
経理局
経理部 兼 関連企業室課長
橋本 孝治 氏 |
 |
|
真の企業の経営体力を測る指針として、子会社などを含めたグループ全体として、財政状況、損益状況、キャッシュフローなどを評価していかなければならないーという思想の下に、日本でも連結決算が重視されるようになってきた。
株式会社テレビ朝日(以下、テレビ朝日)は、東京の新名所ともなっている六本木ヒルズの南側、元麻布の住宅街を背景に峙つ新社屋を完成。全国に向けた放送ネットワークの要となるキー局として、多くの周辺関連業務を担うグループ会社を保有している。連結対象となる国内の子会社は、番組制作会社をはじめ、アナウンサーやレポーターの育成会社、音楽出版社、不動産管理会社、さらに電気製品や放送機器の販売・レンタル会社やグループの購買役を果たす総合商社的企業など、多分野に広がる合計13社となっている。
テレビ朝日本体は、旧来作り込みによる独自の会計システムを活用してきた。一方、これら13の企業群は、それぞれの業態や規模に則しながら、個別にさまざまな会計パッケージソフトを利用してきたのである。その辺りの経緯について、経理局経理部
兼関連企業室 課長 橋本孝治氏は以下のように語る。
「旧来、関連子会社各社はそれぞれの判断で、システムを導入してきましたので、結果としてグループ内に3種類のパッケージが混在する、という状況が生まれていました。したがって、そのデータを各社で一旦Excelに入力してから、本社に提出してもらう。さらに、その結果をもう一度私達がチェックしてから、再度手入力で変換ソフトに投入して、本社の会計システムに吸い上げるという、多重的な作業に依存していました。つまり、何回も人の手を介すことによる労力と時間のロスが、大きな問題になっていたのです」
以上のように、今までは人的リソースの集中投下による人海戦術的対応で、年二回の決算を乗り切ってきた。しかし、2003年度からは、上場会社には四半期ごとの決算開示が、義務づけられることになったのである。そうなると、テレビ朝日はもちろん、決算情報を提出する子会社側も含めて、毎月繁雑な作業が繰り返されることになる。今後、正確でスピーディな連結決算を実現するためには、13社の会計処理基盤の統一を図り、そのままグループ全体の連結データに組み込むことができる仕掛けを築くことが、焦眉の課題となっていたのだ。 |
 |
|
 |
 |
 |
 |
| |
総務局
情報システム部
副部長待遇
上田 昌夫 氏 |
| |
|
| |
 |
| |
総務局
情報システム部
遠藤 華子 氏 |
 |
|
折から、テレビ朝日のグループ経営のあり方そのものも、いままでの勘や経験則による抽象論ではなく、明確なデータに基づいた議論が可能になるような土壌形成に向かっていた。すなわち、各社に散在するデータを、グループ全体の経営資産として位置づけ、適切な収集を図りながら、いつでも必要な時に必要な分析を加えて、意思決定や戦略策定支援に役立てていくための取り組みを進めていたのである。その第一線を担う情報システム部
副部長待遇・上田昌夫氏に、そんな戦略的スタンスを聞いた。
「まず、グループコスト管理を進める必要がありました。というのも、すでに地上波デジタル放送も始まり、多メディア化に対応した新規事業立ち上げも進行していきます。他方、運用コストの拡大は、収益構造の圧迫要因になりかねないからです。そこで、まずテレビ朝日と子会社それぞれの事務処理コスト、そしてイベントや番組などプロジェクトごとの損益を明確にした上で、グループ全体を貫く視点から、本質的なシェープアップへの解決策を導く必要があったのです」
13社の経理基盤統一は、以上の企業経営戦略とベクトルをひとつにしながら進められていった。そして2002年1月、具体的スタートラインとして、経理部と情報システム部の連携による要件定義が、約3ヶ月間にわたって進められた。
「その中で、当初は3種類に分かれていた13社の会計パッケージを、どれか1種類に統合する、という案も出されました。しかし、PCベ−スのビジネス・パッケージは、各企業間の規模や業態の違いから、どれもそのままでは連結の要件が満たされず、相応の作り込みが必要になります。そうなると、結局パッケージのメリットがまったく活かせないだろう、と判断しました」(情報システム部遠藤華子氏)
そこで、経理統合においても「データを情報へ、情報を知恵へ」という、グループ全体の将来的な戦略的方向性を貫くべきであるという考えから、SAP
R/3の導入が最善策であるという結論に達したのである。つまり、柔軟に情報を蓄積して、後からそれをさまざまな切り口で抽出し、分析・加工することができるデータベースの柔軟性と成長性が、評価されたのである。
「これからは個別業務処理だけでなく、グループ戦略に資するシステムとして、インプットのみならず、具体的なアウトプットの出せるものでなければならない、というのが最終的な決定要因となりました」(上田氏) |
 |
|
 |
 |
次いで、実際の構築〜導入〜運用に至るパートナーの選定に入った。ここでは、テレビ朝日の主要パッケージベンダを中心に、合計5 社からの提案を求めた。その中で、最終的にHP
が選定されたが、上田氏はその要因をこう語っている。
「HPは、メールシステムやファイルサーバなどの情報系システム、さらに地上波デジタル放送開始に伴う関連ソフトウェアの運用環境等のアウトソーシング先として、これまでも信頼関係を築いていました。またその中で、子会社各社を含む当社のビジネス環境を良く理解していたのです。したがって、今回の経理環境統合に際しても、私達のグループの事情を熟知した視点と、幅広い産業界で多くのSAP導入事例を築いてきた客観的視点の複眼で、当社の戦略に沿ったアドバイザリ・パートナー役を務めてくれるだろう、と期待したのです」
また、経理部門からの評価も大きかった。
「旧来、グループ企業間の決済でも、請求書がやりとりされてきました。しかし、請求書発行と到着の間にはタイムラグが生じるために、請求側では当月算入されているにも関わらず、被請求側では翌月扱いになる、といったケースも少なくありません。ここで連結上の整合性がとれなくなり、毎回その原因追及や調整に、多くの時間と労力が割かれていたのです。そこで、請求はすべてリアルタイムな電子データのやりとりにする必要がありました。それを実装するにはHPから出されたアドオンの提案が、非常に的を射たものだったのです」(橋本氏)
こうして、2002年夏にグループ会社の会計システムの移行計画が決定。8月から実際の構築フェーズに入った。まず、13社の内2社をパイロットケースとして先行させ、その過程でさらにプランを鍛え上げてから、グループ全社に水平展開するという手法がとられたのである。
先行構築では、規模的にも大きい2社に白羽の矢が立った。そのうち1社は、業務内容がテレビ朝日本体と最も近い制作会社、そしてもう1社は、あえて最も業態の離れたリース等を扱う商社が選ばれた。
「大きな規模の会社をやっておけば、小規模への適応も楽になる。そして、業態の近いところと遠いところの両側から攻めていけば、各社の相違点と共通点がより明確になり、今後の水平展開も楽になるはずだ、という読みがあったからです」(橋本氏)
事実、パイロット2社の成功以降、スムーズな水平展開が図られ、2003年4月1日には全子会社への本番運用が開始した。 |
 |
|
 |
 |
また、リースやビル管理会社は、業種特有のビジネス形態に沿うかたちで、以前から独自の販売管理システムを組み、そこから会計パッケージにデータを上げていた。
「これらの会社ではビジネスモデル上、経理システム統一後も、この販売管理システムを継続して活用させる必要があるのです。販売管理システムとSAP
R/3のリレーション部分でも、HPのノウハウを発揮してもらいました」(遠藤氏)
一方、四半期決算に対応したさまざまな処理やオペレーションが楽になる、とはいうものの、旧来使い慣れた会計システムから、新システムへの移行期には、子会社各社に負荷がかかることも事実だ。また、システム移行に先立って、グループ内の勘定科目の統合や手順の統一化なども、進めなければならなかった。そこで、橋本氏をはじめとするテレビ朝日の経理スタッフが、各社を巡回。各々の要望をヒヤリングしながら、SAP
R/3への移行に伴うコンセンサスの獲得に努めたのである。
「HPのスタッフは、各社への啓蒙にも同行し、その中で各社の現状やビジネスモデルの把握に努めてくれました。それを構築リソースにフィードバックしながら、『あるべき姿』の形成とアドバイスをしてくれたのです。さらに導入後は、ユーザ・トレーニングなど、実際のオペレーション支援の面でも、大きな戦力となりました」(橋本氏)
本システムは、以上の経緯の中で、すでに実運用から1年が経過した現在も、「常に評価を行い、改善しながら向上を目指す」という姿勢が堅持されている。
今回の経理システムの統一化によって、子会社の収益構造の中身に対する透過性が増し、親〜子会社間のみならず、その先にあるサプライヤーや外注先までも含めた、コスト意識の徹底が図られるようになった。
目下テレビ朝日は、今回の実績と成果をベースとしながら、SAPR/3をエンジンに連結データベースの経営情報を活かし、さらに変動費/固定費や損益分岐点、設備投資効率などの視点を組み込んで、経営意思決定を支援するための管理会計導入に向かっている。
「さらに、たとえば人事・給与計算など、煩雑な定型業務を、子会社各社で別個に実行するのは、経営効率上得策とはいえません。今後SAP
R/3を基盤としたグループ経営の推進と歩調を合わせながら、定型業務はグループ全体のシェアード・サービス・センターに移し、費用対効果の最大化を図りながら、それぞれのコア業務への集中やコストの削減、さらにシステム保守等に割かれる人材の最適配置を実現していきたいですね。その意味でも、HPへの期待は今後も大きいものがあります」(上田氏) |
 |
株式会社テレビ朝日会社概要
|
 |
 |
 |
| |
| コールサイン: |
JOEX-TV (アナログ放送)
JOEX-DTV (デジタル放送) |
| チャンネル: |
10ch (アナログ放送)・5ch (デジタル放送) |
| 本社所在地: |
〒106-8001 港区六本木6-9-1 |
| 代表電話番号: |
03-6406-1111 |
| 送信所: |
東京タワー(東京都港区芝公園4-2-8 ) |
| 創立: |
1957年11月1日 |
| 開局: |
1959年2月1日 |
| 資本金: |
366億4,280万円 |
| 社員: |
1,262名 |
| 事業目的: |
放送法によるテレビジョンその他一般放送事業 |
| 決算期: |
毎年3月 |
| 支社・支局: |
関西支社、名古屋支局 |
| 海外支局: |
ニューヨーク、ワシントン、ロサンゼルス、ロンドン、モスクワ、カイロ、バンコク、マニラ、中国総局(北京、ソウル) |
| URL: |
http://company.tv-asahi.co.jp/ |
|
|
 |
 |
 |
本ページに記載されている情報は2004年7月時点のものになります。
閲覧される時点で変更されている可能性がありますので、予めご了承下さい。 |
|
 |
|