≪導入事例≫StoreVirtualを導入したパートナーに訊く、その狙いと効果

ピコシステム株式会社(以下、ピコシステム)は、岡山市に本社を置き、システム設計、ソフト開発、インフラ構築やドキュメントシステムや携帯電話の販売、パソコン教室の運営という幅広い事業を展開する企業である。この春、HP StoreVirtual 4000 Storage(第三世代LeftHand) を導入した。その導入の背景と成果について話を聞いた。

ピコシステム社 経営方針

  1. 社員が夢と希望を持って、新しいことにチャレンジ出来る風土作り。
  2. メーカー、ユーザーが安心して取引出来る信頼ある会社作り。
  3. 組織の力で一丸となって運営され、公平・公正で誰でもチャンスのある職場作り。

  ピコシステム株式会社

ピコシステム株式会社  

ピコシステム株式会社 常務取締役 相沢建紀氏
ピコシステム株式会社
常務取締役 相沢建紀氏
 
 
ピコシステム株式会社 執行役員 副事業部長 眞部誠一郎氏
ピコシステム株式会社
執行役員 副事業部長 眞部誠一郎氏
 
 

ピコシステムは、2018年までに現在の売上を1.5倍にするという中期目標を掲げ、さまざまな取り組みを行っている。その中でも、“品質の向上”が最重要課題の1つだという。「優良顧客を獲得・維持していくために、製品・サービスの品質を向上していくことは、欠かすことはできません。そのために当社は、今後さらに製品・サービスに対する品質改善への取り組みが大切であると考えています」と常務取締役 相沢建紀氏はその重要性を語る。

ピコシステムでは、その品質向上のための重要施策の一環として、システム開発環境の刷新を検討することになった。

まず、当時のシステム開発環境の課題を、執行役員 副事業部長 眞部誠一郎氏が次のように語る。

「1967年に創業した当社は、開発の長い歴史があります。お客様のシステムを構築、サポートするためにWindows NT 4.0 を含めて、古いサーバーも多数維持してきました。また、最新のIT技術に合わせて、随時サーバー購入もしていました。結果として、当時30台以上の物理サーバーが存在し、仮想サーバーを含めると40台以上のシステムがありました。しかし、ハードウェアの老朽化が進んでいたり、システム環境の設定に時間がかかるといったこともあり、テストを実施する際に十分なパフォーマンスが得られなかったり、システム環境の設定に時間がかかったりしたことで十分なリソースを確保できず、テストをするのに苦労をし効率を下げていました。また、サーバー台数が多いことで、情報漏えいや、ウィルス対策などのセキュリティリスクを高めてしまうこともあり、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の観点からも、サーバー統合といった対応を取らなければいけないということも認識していました。」

このような背景から、新会計年度(2012年10月開始)に向けて、新しく開発環境を刷新するプロジェクトが、2012年秋から始まった。

プロジェクトメンバーは、今後必要となるサーバー数の洗い出し、また、維持すべきサーバーをリストアップした。そして、仮想化できる環境はどのシステムであるか、あるいは、減らせるサーバーはしっかりと減らしていくという方針を確認し、検討を進めた。その中で課題になったのが、ストレージであったという。「一例を挙げれば、当社が保持していたシステムの1つに、7年前に導入したHP BladeSystemをどうするかという問題がありました。台数として、6台のサーバーブレードがあり、各サーバーブレードの内蔵ハードディスク上に開発環境を構築していました。そのため、恒常的にストレージ容量が足りず、また、データの共有が困難であったといった課題がありました」と眞部氏は語る。

 
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そこで、ストレージに関する課題を解決すべく、今回採用された製品が、1Uサイズの筐体に、自働サーバー「HP ProLiant Gen8」のテクノロジーを採用した、統合性と効率性に優れた仮想化環境向けのスケールアウト型ストレージシステム「HP StoreVirtual 4000 Storage」(以下、StoreVirtual)だ。

眞部氏は、「ストレージの選定にあたって、当社がまず重要視したのが拡張性です。StoreVirtualは複数ノードでいちストレージを構成でき、ストレージ容量が足りなくなっても、ノードを追加すれば、システム構成を変えることなくシステム増強することが可能です。さらに、ノード数を増やしても、パフォーマンスの劣化がないことも魅力でした。通常のストレージですと、容量が足りなくなったり、パフォーマンスが悪くなったりすると、毎回新たに購入することになり、結果的にコストが高くなり、システムの柔軟性に欠けることになります。さらに、アクセス数やデータ量が多くなるとパフォーマンスの問題が発生しがちなサーバー/ストレージ間のネットワークについても、10Gbps対応iSCSIがリリースされたことで解決のめどがたち、製品選定の後押しとなりました」と語る。

そして、「当社では、仮想化環境には、マイクロソフト社のHyper-Vの採用を決めていました。そのため、StoreVirtualが動作保証環境にHyper-Vをサポートしていたこともポイントでした」と眞部氏は続ける。

直感的な設定画面でシステム構築

  ピコシステム株式会社 第3事業部技術サポート 古屋野崇氏
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第3事業部技術サポート 古屋野崇氏
 
  ピコシステム株式会社 第1事業部システム開発 小田昌広氏
ピコシステム株式会社
第1事業部システム開発 小田昌広氏
 
 
  ピコシステム株式会社 第1事業部システム開発 富山達也氏
ピコシステム株式会社
第1事業部システム開発 富山達也氏
 

ピコシステムでは、2013年3月からシステム構築作業に入った。今回、StoreVirtualの設定を実施した古屋野崇氏(第3事業部技術サポート)は、次のように語る。

「設定にあたっては、画面に従って直感的に実施すればよく、マニュアルをずっと参照し続ける必要があるような状況でなかったのがよかったです。また、以前にiSCSIベースのストレージ設定の経験があったことで、そのノウハウも生かすことができました。」

サーバーの構築についても、「今回、納品されたHP ProLiant Gen8 に同梱されていたIntelligent Provisioningが、当社が採用したWindows Server 2012に対応していないバージョンであったため、事前に最新のIntelligent Provisioning を準備する必要がありましたが、その作業を実施したことで、スムーズに構築作業を実施できました」と小田昌広氏(第1事業部システム開発)は、述べる。

このように、おおむねシステム構築は順調であったが、苦労したことは、システム移行の実施日を調整することであったという。

「対象となるサーバー台数が物理・仮想あわせて40台以上と多く、移行のタイミングの調整が大変でした。移行日にあたる週末に、開発部隊からは止めていいといわれていたサーバーが、プロジェクトの進捗の関係から、その週末にも作業を行う必要が出てきたため、急遽停止できない状況になるといった想定外のことも起こりました。今回移行作業は週末に実施していましたので、予定していた土日に作業できないと、次の週末まで一週間延びるということになります。そのためゴールデンウィークも、休日返上でメンバーは移行にあたりました。当初の予定よりは2週間程度遅れましたが、その程度の遅れで、移行・システム構築を終了することができました」と富山氏と語る。

新しい開発環境に移行後、数ヶ月たった今、「社内ユーザーから特に不満などは聴いていません。開発環境では、何も言われないことがいいことだと考えていますので、うれしいですね」と富山氏は胸を張る。「管理者としては、StoreVirtualでサーバーの集約を実現したことで、サーバーの管理が楽になりました。ネットワークブートもできますし、30台のサーバーを6台のブレードサーバーに集約できましたから、設置面積も大幅に減らすことができました。もっと早く導入すれば良かったです。」(富山氏)

また、眞部氏は、「StoreVirtualの提供するNetwork RAID機能により、一台故障したからといって、システムを停止することがなくなりました。そして、iSCSI環境で構築できたメリットも大きかったですね。というのは、当社では、このシステムを開発エンジニア、サービス担当のエンジニアが分担して運用管理しています。iSCSI環境であれば、ストレージスペシャリトのエンジニアがいなくても、サーバーに関する知識があれば、たとえ障害が発生しても、IPアドレスを付け替える程度で復旧作業を実施することができるからです」と語る。

さらに、「今後は、クラウドサービスであるHP Insight Onlineを活用して、StoreVirtualの運用管理に取り組みます。今までは、障害対応時に社外にいると状況をなかなか把握できず苦労することが多くありました。しかし、HP Insight Onlineを利用することで、何が起こっているかが理解しやすくなり、運用管理の大幅な効率向上を図ることができます」(眞部氏)と、運用段階においても抜かりのない配慮がなされている。

「新しい開発システムで、パフォーマンス、リソースともに十分なリソースを提供できるようになりました。環境が刷新・改善されたことで、リソースがないからテストを十分にできないという言い訳はできません。お客様に高い品質の製品・サービスをスピードも併せて提供できるようになったと確信しています」と眞部氏は自信を見せた。

自分たちの経験を土台に確信を持って新しい提案に生かす


StoreVirtualは全機能が標準搭載
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ピコシステムでは、自分たちが使っている環境を提案することが方針だという。今回導入したStoreVirtualを活用した仮想IT統合ソリューションは、新しい提案として、ぜひ活用したいという。

「当社では、自分たちが知らなかったり、首をかしげた製品は、販売を差し控えます。逆に実際に使って良いことがわかっていると、その製品の提案に躊躇することがなくなります。今回StoreVirtualを自社で導入したことで、機能だけでなく、使い勝手も理解することができました。また、仮想化環境には共有ストレージが重要であることを実感しました。ディスク利用率やバックアップ運用に無駄がなくなり、管理性が向上することがよく理解できたからです。これで、サーバーのみの提案だけでなく、ストレージを組み合わせた提案にも確信を持って実施できます。特に、『ストレージは、お客様の会社全体で考え、複数台で個別に運用しているサーバーを統合して、台数を減らしませんか? 』といった、新しい切り口で提案できるようなったのが大きいですね。これからは、HP以外のストレージが導入されているお客様にも、提案できるチャンスが広がると思います」と 相沢氏と語る。

また、「以前から、HPが開発しているアレイコントローラーSmartArrayには、絶大の信頼を置いていました。今回、さらにNetwork RAIDなどのStoreVirtualの持つ強みが理解でき、構築・運用のノウハウもたまりました。これでStoreVirtualをキーに、仮想化、サーバー統合、事業継続など提案する幅が広がりました。また、他社と競合したときにも、当社が負けない提案をできるようになったと思います」と眞部氏と力強く主張する。

富山氏、古屋野氏、小田氏も、「実際使用者としての経験をベースに運用、活用方法をお伝えできるので、確信を持って提案できることが大きいですね」と口を揃える。

今後の展開- 品質の向上と人材開発

  サーバールーム内のStoreVirtual
サーバールーム内のStoreVirtual
 

最後に、ピコシステム社の中期目標を達成するための、今後の展開を聞いた。

「高い目標の達成、維持には、開発システムの刷新だけでは十分ではありません。お客様にすばらしい提案をして、メリット感じていただけることがポイントです。そのためには、人材の育成も重要な要素です。

これまで、当社では、主にOJT (On the Job Training) を中心に、人材開発を実施してきました。今後はOJTに加えて、ベンダー資格等を活用し、製品知識を強化していくつもりです。資格は、客観的に判断できる必要な制度であり、また、エンジニアによって、まちまちな知識を均一化してレベルアップできる有効な施策です。その中でも、日本HPさんが提供するHP認定プロフェッショナル・プログラムExpertOneに力を入れる予定です。エンジニアには、HP製品トレーニングを受講させ、最終的にHP ASEの取得を目標と捉えています。

また、新製品情報などの資格トレーニングではカバーしていない領域については、日本HPさんに、なるほどセミナー、なるほどSEセミナーといったセミナーを当社向けに開催していていただくことで、営業、エンジニアのスキルアップを図ります」と眞部氏は、人材開発にも力を入れていくことを強調する。

最後に 相沢氏は、
「革新的なテクノロジーに常にチャレンジし、質の高い人材育成に取り組むことで、さらなる品質の向上を図り、今後ともお客様に信頼のある企業として貢献できるように、ピコシステムはたゆまぬ努力を続けていきます。」 と抱負を語り、
「ただ、昨今のようなクラウドへのシフトには、データ保護やセキュリティの観点からも疑問を持つところもあり、お客様自身にハードウェアを所有いただくことのメリットをきちんとご理解いただき、差別化を図りたい。その点でもStoreVirtualを提案できることによるメリットは大きいと思っています。」
と締めくくった。

最新テクノロジーへのチャレンジ、製品・サービスの品質向上、人材の育成を常に行うことで、お客様の信頼の獲得し、ビジネスの成長へとつなげるピコシステム。今回紹介したStoreVirtual採用事例は、HPパートナーにとっても、参考になったところも多いに違いない。これから始まる下半期商戦の一助となれば幸いだ。

HP StoreVirtual 4000 Storage


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HP Partner News 2013年8月6日号 特集記事]
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