ホテルグランヴィア広島様HPネットワーク 無線LAN製品導入事例

現場の声を吸い上げ、すばやく対応することで顧客満足急上昇

  株式会社ホテルグランヴィア広島
 

株式会社ホテルグランヴィア広島  

株式会社ジェイアール西日本ホテル開発が運営するJR西日本ホテルズは、京都、大阪、和歌山、岡山、広島、奈良、三宮、尼崎に、宿泊、婚礼、レストラン施設を主体に、JR西日本の主要駅の近くでホテル運営を行っている。その中でも、ホテルグランヴィア広島は、客室数403室、宴会場12室、レストラン・バーなど直営8店舗を持つ、国際文化都市広島を代表するホテルだ。そのホテルグランヴィア広島が、2013年1月、HPネットワーク製品を活用し、宿泊者向けに無線LANサービスを開始した。

導入の背景

株式会社ホテルグランヴィア広島 企画部企画課係長 佛明伸幸氏
 
株式会社ホテルグランヴィア広島
企画部企画課係長 佛明伸幸氏
 
 

今回の無線LANサービス導入検討の背景を、システム導入の責任者であった佛明伸幸氏(株式会社ホテルグランヴィア広島 企画部企画課係長) に聞いた。

「それは、現場のスタッフからの強い要望があったからです」と佛明氏。「当ホテルでは毎年、会計年度の始まりに、社員向けの事業説明会を開催しています。昨年の説明会では、社長が社員の声をもっと聞きたいという意向があり、セッションを持ちました。その際に、現場の多くのスタッフが、お客様から、特に海外からお越しの方々から、『無線LANを使いたい』というご要望が多数寄せられているこという声を伝えました。」

世界遺産 厳島神社、原爆ドームが存在し、また、マツダの本社が位置する広島には、従来より、海外から多くの外国人が訪れる。その中でもホテルグランヴィア広島は、広島駅新幹線口に直結し、また広島空港からのリムジンバスが停車するという立地の良さからも、特に海外からの宿泊者が多い特長があるという。

「東日本大震災後、海外からのお客様が減っていましたが、当時は徐々に復調してきた時期でしたので、特に外国人のお客様のご要望に注意していたのです」と佛明氏。

当初2012年度の計画では、無線LANサービスの導入は予定されておらず、予算化もされていなかった。しかし、現場からの強い要望を聞き、ホテルとしても当年度に導入することが決定したという。

提案のポイント

2012年8月から、無線LAN導入プロジェクトが開始した。JR西日本ホテルズで、すでに無線LANを導入していた、ホテルグランヴィア京都のエンジニアに協力を得ることとし、ソリューションベンダー4社を候補としてリストアップし、各社に提案を依頼した。

佛明氏は、提案を受けるにあってのポイントを次のように語る。

「考慮すべき点として、もちろん提案価格があります。しかし、価格だけを見て、技術的な課題を低く見ることはできません。お客様に満足をいただく必要があるためです。ホテルでは、さまざまなお客様が宿泊されます。利用される機器も、PCやMac、タブレット、Nintendo DSなどのゲーム端末などの多岐にわたります。そして、セキュリティも重要です。ゆえに、セキュリティを守りつつ、多くの端末に対応した提案を期待しました。」

セキュリティで課題であったのは、SSIDとパスワードの運用であったという。「すでに無線LANを導入している他社のホテルでは、ネットワークのSSIDとパスワードを固定し、1年中変更していない運用を実施している場合があります。しかし、当ホテルではセキュリティリスクを考え、定期的にSSIDとパスワードを変更する方針をとることを希望しました」(佛明氏)。

しかし、宿泊する無線LAN利用者が、確実に、定期的に変更されたSSIDとパスワードを入手するためには、ホテル事業特有の課題があるという。

「お客様には、チェックイン後にSSIDとパスワードをお渡しすることで決めていました。この場合、例えばSSIDとパスワードを単純に毎日深夜に変更するという運用を行ってしまうと、日中は無線LANを使用できたお客様が、その後変更された新しいSSIDとパスワードを知らないため、夜中に急に使えなくなってしまうということが発生します。また、連泊されるお客さまもいらっしゃいますから、一定期間有効なSSIDとパスワードを定期的に変更する方法だと、連泊中にそれらが変更となり、使用していた無線LANがいきなりアクセスできなくなることもあります。そのようなことでお客様にご迷惑をおかけしないような運用方法を、提案企業には求めました」(佛明氏)。

その中で今回提案を実施した企業の1社が、パナソニック システムネットワークス株式会社とパナソニック ソリューションテクノロジー株式会社である。

パナソニック システムネットワークス株式会社 システムソリューションズジャパンカンパニー中国社 営業グループ 法人営業チーム チームリーダー 上野哲也氏
 
パナソニック
システムネットワークス株式会社
システムソリューションズ
ジャパンカンパニー中国社
営業グループ 法人営業チーム
チームリーダー 上野哲也氏
 
 

本プロジェクト提案のリーダーであった上野哲也氏(パナソニック システムネットワークス株式会社 システムソリューションズジャパンカンパニー中国社 営業グループ 法人営業チーム チームリーダー)は、提案の方針をこう語る。

「当社は、ホテルグランヴィア広島様の有線LANシステムを導入し、管理を実施しておりました。そこで、すでに使用しているスイッチの空きのあるポートを活用することで、コストを最小限に抑えるようにしました。また、有線LANと無線LANの運用体制を変えないことで、お客様にご負担を与えないという方針で提案をしました。お客様が当社コールセンターに連絡した際に、たらい回しにならないよう、有線LANと無線LANのどちらかの障害であるかを意識せず対応できるようにしました。また、物理的な対応が必要な問題があれば、すぐに、広島にあるオフィスからエンジニアが駆けつけられるような体制も構築しました。」

システム導入を実施したパナソニック ソリューションテクノロジー株式会社の横尾晃三氏(西日本支社 ITインフラグループ 営業2チーム 主事 横尾晃三氏)は、こう語る。

  パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社 西日本支社 ITインフラグループ 営業2チーム 主事 横尾晃三氏
  パナソニック
ソリューションテクノロジー株式会社
西日本支社 ITインフラグループ
営業2チーム 主事 横尾晃三氏
 

「セキュリティについては、万全の提案を行いました。SSIDとパスワードの運用については、四半期ごとに変更を行うが、変更前のSSIDとパスワードは、1ヶ月間並行運用することで、突然、宿泊者が無線LANを使えなくなるということがない運用方法をご提案しました。また、ネットワーク機器としては、SSIDとパスワードの変更に負荷がかかからないようにするため、設定・管理を一元的に行うことが可能なHPネットワークの無線LANコントローラー製品を選定しました。コストパフォーマンスの非常に高いHPネットワークの無線LANコントローラー HP MSM760 Access Controllerを中核に、無線LAN対応アクセスポイントのHP MSM430 Dual Radio 802.11n AP、フロアスイッチとしては、PoE 対応のHP 2520-8G-PoE SwitchとHP 2520-24G-PoE Switchを提案しました。」

ホテルグランヴィア広島は、提案企業4社にQ/Aを数ヶ月実施し、社内承認会議を経て、最終的に2012年11月、パナソニック システムネットワークス株式会社とパナソニック ソリューションテクノロジー株式会社に決定した。


ネットワーク構成(物理構成図)
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「選定の理由は、提案金額、技術的なすばらしさ、そして、Q/Aを含めた対応の速さでした」と佛明氏はいう。「提案には、部屋に自律型のアクセスポイントを配置するとした企業がありました。この場合、定期的にSSIDとパスワードを各部屋の端末ごとに個別に作業を実施する必要が出てくるために、運用が現実的ではありません。最終的には2社が同様の提案をしてくれましたが、2社のもう一方の企業の提案金額は、パナソニック システムネットワークス株式会社とパナソニック ソリューションテクノロジー株式会社の2倍でした。」

2013年、新年での稼働を目指す

2013年1月年初からの稼働を目指して、システム導入が開始された。ホテル業界では、工事などの作業が必要になる場合、フロアごとの調整の比較的容易になる2月あるいは5月のゴールデンウィーク後といった、繁忙期を避けた時期に実施することが通例だという。しかし、少しでも早く、お客様にご満足していただくことを重要視するホテルの方針から、2013年1月1日から無線LANを導入することとした。

計画としては、設置作業を11月末から12月中旬までに終了し、その後2週間程度のテスト期間を行い、年初からの本格稼働とした。

システム導入の課題は、大きく2つあった。1つは、無線電波の干渉を防ぎつつ、確実にフロアごとに接続エリアを確立すること。もう1つは、ネットワークの配線およびアクセスポイントの設置作業を、宿泊者のチェックアウトから、次の宿泊者がチェックインするまでの短時間に行う必要があったことだ。

前者は、特にホテルという性質に起因。景観を損なわないという理由から、アクセスポイントを廊下や客室から見える場所に設置することができず、通常と違った電波の流れとなる。すべて天井裏に置くことになったため、それらの干渉を防ぐために、入念な測定と設計が必要であった。そのため、事前に無線電波を測定し、さらに、設置後に再度測定を行うという入念な作業を実施することで解決した。

 
 

後者については、現場のスタッフ、関連部門の協力を得ることなしに実施することは不可能であった。なぜなら、ホテルグランヴィア広島では、チェックアウトが12時、チェックインが13時から可能(2013年10月からは14時から)という、他のホテルと比較しても、短時間の作業時間しかとれないことが理由としてあったためだ。さらに、2012年12月は、客室改装中ため、細やかなルームコントロールを行う事で解決を図った。

「本プロジェクトのきっかけがお客さまからの要望の早期実現を現場スタッフも望んでいたため、関係部署の協力が得られやすく、作業時間の調整をなんとか実施することができました」と佛明氏。その結果、関係者一丸となった作業を実施でき、2日間ですべての配線・設置を完了できた。

そして、12月16日からテスト運用を開始。目立ったトラブルも発生せず、2013年1月に正式稼働となった。

海外口コミサイトで評価急上昇、海外からの宿泊者増加

 
 

運用開始から約半年が経過した無線LANサービスについて、導入成果を聞いた。

「当ホテルウェブサイト上で、日本語のみならず、英語での告知や、『無線LAN導入記念宿泊プラン』などを作ることで、告知に努めました。今のところ、お客様から繋がらなくなったなどの苦情はいただいておりません。順調に稼働しています。ネット接続の評価が高くなったと言う事もあり、おかげさまで、海外の大手旅行サイトの広島地区ホテル満足度ランキングで大きく順位を上げ、3位になりました。 さらに、海外からのお客様も増加し、今は宿泊客の15%程度を占めるようになっています」と佛明氏は熱く語った。

「今後も、お客様のご要望を察知し、満足していただけるように努力し続けたいと思います」と締めくくった。

パートナーの方向性と日本HPへの期待

最後に、HPパートナーとして、上野氏と横尾氏に今後の方針と日本HPへの期待を聞いた。

「一般企業を担当していて感じていることは、過去に導入した有線LANから無線LANへの移行を検討されているお客様が増えてきていることです。このトレンドをとらえ、適切に提案し、無線LANビジネスを立ち上げたいと考えています。そして、日本HPには、無線LANについてこれまで以上に市場に啓発を図っていただきたいと期待しています。」と上野氏。

「当社は、今後HPパートナーとして、無線LANビジネスの拡大を実施するつもりです。そのため、今回のホテルグランヴィア広島様の事例を積極的に横展開していきたいと思います。日本HPには当社の技術者教育を含めて、支援を期待しています。」と横尾氏。

お客さまと接している、現場スタッフからの生の声を吸い上げ、すばやくプロジェクトを進めたホテルグランヴィア広島の試みは、業界が違えど、HPパートナーにとっても参考になることが多かったであろう。また、既存のお客様との環境を考慮し、最適なソリューションを提案したパナソニック システムネットワークス株式会社とパナソニック ソリューションテクノロジー株式会社の取り組みも、ぜひ参考にして欲しい。


ホテルグランヴィア広島様  
パナソニック システムネットワークス株式会社様  
パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社様  

HP Partner News 2013年9月3日号 特集記事]
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