進撃のHP Moonshot System

これからの新しい時代に求められる革新的サーバープラットフォーム「HP Moonshot System」の発表から半年。採用企業も増加し、いよいよ本格的な普及が見えてきた。本特集では、採用が進むHP Moonshot Systemの背景と日本HPの今後の取り組みをキーパーソンに聞いた。


新たなサーバー時代の幕開けを告げるHP Moonshot Systemが発表され、半年が経過した。発表後からこれまでの動向を振り返るとともに、今後の取り組みを日本HPで、HP Moonshot Systemを担当する岡野家和(インダストリスタンダードサーバー製品企画部) 氏に聞いた。

  HP MoonShot System
HP Moonshot System

- HP Moonshot Systemの発表から半年がたちました。発表後からこれまでの状況を教えてください。

非常に斬新な製品コンセプトを持ったサーバーということもあり、発表直後からメディアでも大きく取り上げられ、多くのお問い合わせをいただき、当社の専任営業やSE部隊が、お客様・パートナー様への製品紹介、デモンストレーションを実施してきました。おかげさまで徐々に採用企業も増加し、本格的な普及が始まろうとしていると感じています。

- 「斬新な製品コンセプト」という言葉が出ました。HP Moonshot Systemをはじめて知る読者のために、その製品コンセプトを簡単に紹介してください。

岡野家和(インダストリスタンダードサーバー製品企画部)
インダストリスタンダードサーバー
製品企画部 岡野 家和
 

今、Internet of Things (IoT, 「モノのインターネット」) といわれる、「あらゆるデバイス」がインターネットで連携して使用される時代を迎えているとHPは考えています。
IoTが拡大する時代、つまりITシステムがこれまでとは一線を画した速度・データ量・スケールで拡大していく時代に、求められるサーバーとは何かを検討し、それは既存のアーキテクチャーで対応できないレベルの究極の実装密度を実現しつつ、低消費電力、導入および運用コストを削減して、さらにシンプルな製品であると考えました。

そこで、HPは今までと異なる開発コンセプトを採用しました。“Software Defined Server”という、ターゲットとするアプリケーション(ワークロードや処理)に最適なスペックを提供するのと同時に、異次元の省スペース・省電力を実現するサーバーというものです。そして、そのコンセプトに基づいた製品が、HP Moonshot Systemなのです。

- それが発表されたのが、この春だったのですね。その製品コンセプトの浸透とともに採用事例も増えてきたということですが、具体的にどのような点が評価されているのでしょうか?

 

やはり、現行の1Uラックマント型サーバーと比較して、スペースを80%削減、消費電力を89%削減、配線ケーブルを97%削減、コストを77%削減可能な点です。

業界標準19インチサイズに搭載可能な4.3Uの筐体で、45枚のサーバーカートリッジと2台のネットワークスイッチを収容する「HP Moonshot 1500シャーシ」には、HP ProLiant SLラインの持つ省電力のノウハウが活かされています。サーバーCPUには、コンポーネントにチップセットやストレージコントローラー等を統合した省電力・省スペース型の半導体チップ、System on Chip (SoC)を採用することで、劇的に電力とスペース、コストを低減できました。そして、アプリケーションの用途にあわせ、様々なパートナーベンダーが、さまざまな特徴を持つSoCを開発していますが、それらのSoCを組み込んだカートリッジサーバーをHPは次々にリリース予定です。

現在、エンタープライズ用途向けに開発されたインテルR Atom? プロセッサー S1260を1基、ECC対応DDR3 SO-DIMMスロットを1基(8GBメモリ)、2.5インチSATA HDD/SSDベイを1基、1Gbネットワークを2ポート標準搭載したカートリッジサーバーを発表しています。主にサービスプロバイダーが提供する専用ホスティングサービスや、WEBサービスのフロントエンドをターゲットとしたモデルです。

具体的な採用事例もいくつか紹介してください。

まずご紹介したいのは、当社の社外向けサイト『hp.com』の採用事例です。『hp.com』の一部サイトで、Cache/Proxyサーバーとして全体の12%を処理しています。以前のシステムに比較して、80%スペース削減することもできました。今後は、ウェブサーバーやデータベースサーバーにも展開する予定です。必ずしも単一アプリケーションを45サーバーにスケールさせるのではなく、例えば一筐体の中でキャッシュサーバーに6カートリッジ、Web表示レイヤーに15カートリッジを、ファイルダウンロード関連のシステムに15カートリッジを、といったような使い方を考えています。

 
 
 

Moonshotをデータセンターで稼働中のユーザーとしては、世界最大規模のオークションサイトeBayの子会社で、インターネット決済サービスを全世界に展開する米PayPal、米国第3位の通信会社であるCenturyLink傘下の企業で、エンタープライズ向けクラウドサービスを提供しているSavvis、オランダのホスティング/クラウドサービスプロバイダー最大手の一つLeaseWebなどがあります。

国内でも、公開事例ではありませんが、販売実績として3つの例をご紹介できます。
1つ目は、通信情報サービス業のお客様です。社内サービスプラットフォームの展開のために、現在最終検証を実施されています。長期に渡る大規模な導入を計画されており、弊社営業とプリセールスが綿密なリレーションを図って目下対応中です。

2つ目は、製造業のお客様です。研究部門のチームの方が弊社EBCに別件でお越しくださった際に、情報提供のつもりでMoonshotをご紹介したところ、すぐにご購入の検討を始めて頂けるという展開になりました。現在、最終検証を実施中です。

3つ目は公共のお客様です。スケールアウト型クラウドサービスの実証検証基盤としての採用を決定頂きました。従来型サーバーなら優に4ラック分のスペースを使う130以上のサーバーノードを、3台のMoonshotで稼働される予定です。いずれも多くのノード数と高い密度が必要であり、1つ1つのサーバーには高いCPUパフォーマンスを必要としない領域で採用されたことが特徴と言えると思います。

- これらの動きを加速するための今後の取り組みについて、ご紹介ください。

日本HP大島本社に、今まで限定公開していたHP Hyperscale Labを正式にオープンしました。このHyperscale Labは、HP Moonshot System 、SL4500など、スケールアウトに特化した製品の検証施設で、お客様・パートナー様が所持されるソフトウェアや使用予定のアプリケーションを実環境で、他のHPサーバーやネットワークと一緒に検証可能です。社内でHyperscale Initiativeと呼んでいるMoonshot専任のエキスパートチームが後方支援する体制を整えています。

また、『Moonshotはじめてセミナー』を、8月から開始しました!このセミナーでは、製品コンセプト“Software Defined Server”をご紹介するとともに、実機に触っていただき、革新的なサーバープラットフォームであるHP Moonshot Systemを体感していただけます。サーバー以外にも、HP Moonshotの視点で考えるHPネットワーク製品、そしてHadoopをはじめとした先端のオープンソースソリューションへのHPの取り組みを一緒に紹介することで、活用シーンをイメージしていただきやすい内容となっています。すでに8月に初回開催したセミナーでも、参加者の皆様から高い評価をいただいています。


 
 

- 最後に、パートナーにメッセージをお願いします。

 

10月25日(金)に渋谷ヒカリエホールにて次世代カートリッジの詳細情報、適用領域、今後のロードマップをご紹介する『HP Moonshotパートナー様向け特別内覧会』をHP Scale-Out Solution Day 2013の中で開催いたします。米国本社のスケールアウトテクノロジー部門責任者より製品戦略もお話しさせていただく予定です。こちらにもぜひご参加ください。

- 本日は、ありがとうございました。

HP Moonshot Systemは、近日さらに魅力的なモデルが加わる予定であるという。ぜひ、新しい製品コンセプトを実現し、ますます強化が進むHP Moonshot Systemを商材に加えることで、一歩先行くソリューションを顧客に提案してほしい。


Moonshotはじめてセミナー 定期開催
HP Moonshot Systemパートナー様向け特別内覧会(HP Scale-Out Solution Day 2013) 10月25日開催

HP Partner News 2013年10月1日号 特集記事]
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