プリンター商戦のキーワードは、「プリントヘッド一体型インク」と「テレワーク」

日本HPは1984年にインクジェットプリンターを投入してから、今年(2014年)でちょうど30周年となる。この間、常に顧客の要望、ニーズに耳を傾け、それに応えた製品を市場に投入してきた。そして今、日本HPが注目するキーワードは、“プリントヘッド一体型インク”と“テレワーク”だという。本特集では、プリンタービジネスのキーパーソンに詳しく話を聞く。


そろそろ年末商戦が活気を帯びてくる中、今年もプリンターを買い替えようかと考えている読者も多いはず。そこで今回の特集では、「プリントヘッド一体型インク」と「テレワーク」という視点に注目して、新しいビジネスチャンスを紹介しよう。今回話を聞くのは、プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 プリンティングビジネス本部 土屋収史氏と西川潤氏だ。

実はコストメリットの大きい『プリントヘッド一体型インク』

- 先般、HPでは新しいインクジェット複合機ラインナップを発表しました。まず、この新モデルについて簡単に紹介してください。

 


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土屋 今回、個人向けのプリンター新製品として、4機種を発表しました。 HPは、もともとすべてのインクジェットプリンター製品で、多彩なモバイル環境でのプリント機能を提供しています。スマホやタブレットからワイヤレス印刷が可能なモバイルプリント機能を搭載、iOSのAirPrint、モバイル端末からプリンターにメールを送るだけで印刷が可能な「HP ePrint」や、ルーターやアクセスポイントのない環境でも手軽にプリントができる「ワイヤレスダイレクト」などがこれにあたります。今回発表した「ENVY4504」、「ENVY5530」、「ENVY5640」も、これらの機能を搭載しております。また、ここ最近、SOHO、個人事業主の方などに加え、女性の就業支援や地域における就業機会の増加等による 地域活性化、余暇の増大による個人生活の充実、通勤混雑の緩和等といった背景から、国土交通省が推進する“テレワーカー”が増加しており、「仕事使い」と「家庭使い」の両方に対応できるプリンターのニーズが高まっていることから、FAXやADFを搭載した 「Officejet 5740」もラインナップに加え、展開を強化いたしました。

これらの4機種に共通する機構の1つが、『プリントヘッド一体型インク』です。

今まで、個人向けエントリーモデルのENVYシリーズには『プリントヘッド一体型インク』を、個人向け上位モデルのPhotoSmartシリーズや法人向けモデルには『独立インク型』を中心にしたインクシステムを採用していました。今回HPでは、『プリントヘッド一体型インク』のメリットをより多くのお客様にご提供しようと、個人向けモデルを全て『プリントヘッド一体型インク』を採用したENVYブランドに統一し、仕事/家庭の両方使いのお客様をターゲットとしたモデルであるHP OfficeJet にまで、採用モデルを拡大いたしました。

- 『プリントヘッド一体型インク』について、もう少し詳しく紹介ください。

西川  インクジェットプリンターのインクシステムには、『プリントヘッド一体型インク』と『独立型インク』の2方式があります。

インクは、赤(マゼンダ) ・青(シアン)・黄(イエロー)の3種類のカラーインクと、黒(ブラック) インクの、計4種類で構成されています。モデルによって、インクの色数が5、6種類といったように増える傾向にありますが、インクは赤・青・黄・黒の4色が基本です。そして、インクシステムは、染料のシアン、マゼンタ、イエローに、顔料のブラックを合わせた4色を基本に構成されることが多いです。普通紙やはがきにシャープに印字できるように、ブラックのみ顔料インクを採用し、ほかの3色は写真印刷に配慮した染料インクとなっています。

プリントヘッド一体型インクは、一般に「黒インク」と「カラーインク」の2種類のインクカートリッジを使います。「カラーインク」の中に赤・青・黄色といったカラーインクが内蔵されています。また、これら各色のインクが独立して存在するタイプを『独立型インク』と呼びます。

今回、HPは4機種において『プリントヘッド一体型インク』を採用したプリンターを準備させていただきました。

真のランニングコストは、印刷頻度と枚数の双方を検討すべき

- 『プリントヘッド一体型インク』と『独立インク型』との違いをどのように理解し、プリンターを提案したらよいでしょうか?

土屋 まず、2つのインクシステムの本当のランニングコストを理解することが大切です。コストを検討するには、最初にインク交換の方法について考えてみるとよいでしょう。

独立型インクの場合、必要になったカラーカートリッジだけを交換することになります。つまり、独立インク型は、必要なカラーカートリッジだけを購入・交換すればいいということです。プリントヘッド一体型インクでは、1つの色でもなくなった場合、カートリッジをまるごと交換します。そのため、独立型インクに比べると、インクの消費においてかなり非効率で経済的でないと指摘されてきました。しかし、ここで注意して欲しいのは、実際の運用時には、プリントヘッド一体型インクの方がコスト効率のよい場合も多いという点です。それには、使用頻度や印刷量の違いを考慮する必要があります。

インクジェットプリンターでは、印刷頻度が低い場合、使うたびに目詰まりが発生することがあります。たとえるなら、ボールペンをしばらく使わないと、かすれてしまうことがありますよね。かすれがとれるまで、紙で何度か書いてみて、インクの出具合をよくすることをされる方も多いのではないでしょうか? プリンターの場合も同様に、目詰まりすると、その度に何度もクリーニングを行う必要があります。そのため、クリーニングだけでインクがなくなってしまったり、クリーニングをしても、印刷のかすれにつながったりして、結局修理を依頼するといったことがよくあります。

一方、プリントヘッド一体型インクは、インク交換の際にプリントヘッドごと交換することになり、きれいな状態が保たれるため、クリーニングの必要性も、目詰まりするなどの故障の割合も大きく減少します。

結局、修理費用、買い替えなどを考慮すると、印刷量の少ないユーザー向けには、『プリントヘッド一体型インク』の方が、コスト的に有利なことも多いのです。

西川  印刷枚数に基づくランニングコストに加えて、印刷頻度も大切なポイントになります。今回、HPは家庭でのご使用を想定した製品から、仕事においても兼用したいお客様を想定した機種まで、プリントヘッド一体型インクを準備致しました。
従来の独立型インクは印刷頻度、枚数共に多いお客様を意識しておりますが、HPは真のランニングコストを考え、プリントヘッド一体型インクのラインアップを拡充し、より広範なお客様をサポートできる品揃えが出来たと考えています。

インクバックアップ印刷機能、シングルカートリッジモード搭載だから、いつでも安心

- 他の注目すべきポイントは、いかがでしょうか?

 


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土屋 インクジェットプリンターに対する一番の不満に、1つのインクが切れただけで、都度購入するのが面倒、交換しないと印刷できず不便、と考える人が8割を占めていることに、ぜひ注目して欲しいですね。

みなさんの中にも、久々にプリンターに電源を入れたら、クリーニングが始まり、その結果カラーの1色がインク切れ、でも印刷したいのは黒1色の報告書なのに印刷できない、といった状況を経験された方も多いのではないでしょうか?

他社のプリンターでは、一色だけでもインク切れをすると、印刷不能になってしまうケースが多いです。HPでは、“インクバックアップ機能”と“シングルカートリッジモード”により、なんと印刷時に1つのプリントカートリッジのみを使用してプリンターを動作させることができるのです。これは、黒インク/カラーインクのどちらかがインク切れになっても、印刷の継続が可能な、柔軟性の高い“インクバックアップ機能”を搭載しているからです。また、外出先や夜間など、すぐにインクが入手できない状況でも、黒がない場合はカラー合成によって、またカラーがない場合はグレースケールにより印刷を継続できます。

今回発表した4機種にはすべて、このインクバックアップ印刷機能、そしてシングルカートリッジモードを搭載していますから、安心してご利用いただけます。

- 続いて、「テレワーク」というキーワードで、新しいプリンター活用用途の広がっていると聞きました。詳しくご説明いただけますでしょうか?

西川  はい。ここ数年、政府が中心となって、ICTを活用した、場所にとらわれない柔軟な働き方である「テレワーク 」を推進しています。

これにより、家庭生活との両立による就労確保、高齢者・障害者・育児や介護を担う者の就業促進、地域における就業機会の増加等による 地域活性化、余暇の増大による個人生活の充実、通勤混雑の緩和等、様々な効果が期待されるわけですが、プリンターのニーズも、テレワークの推進により変化してきています。以前、パートナーニュースの特集で、外出先で使えるプリンターとしてHP Officejet 100 Mobile/150 Mobile AiOの活用事例をご紹介いたしましたが、ここ最近では、テレワーカーの増大、そして日本の住宅事情もあり、仕事でもプライベートでも使えるプリンターとしてご購入いただくケースが増えてきました。そのコンパクトなサイズはもちろん、最大解像度4800dpiという高いカラー印刷品質をサポートしているためです。

また、企業のオフィスでも、社長やマネジメント層の方々が、自分のデスクにもプリンターを配置して利用するといった活用方法も増えています。これは、事業情報や人事情報のような機密性の高い情報を、集約化されたプリンターには出すことができない、あるいは印刷した紙を取り忘れるといった間違いが起こらないように、手元のプリンターとしての利用も拡大しているのです。今後、多くの企業では検討されていくソリューションになっていくと考えています。

そして、HP Officejet 100 Mobile/150 Mobile AiOは、先ほどもお話ししましたインクバックアップ機能、シングルカートリッジモードをサポートしております。コンパクトなプリンターを、便利なだけでなく経済的に利用することも可能です。

- それは、興味深い広がりですね。最後に、パートナーにメッセージをお願いします。


写真左から土屋氏 西川氏

 

土屋 これから熱気を帯びてくる年末商戦、そしてその後に続く年度末商戦では、ぜひプリントヘッド一体型インクのメリットを基に、家庭利用のお客様から仕事/家庭の両方を想定されているお客様、そして企業において個人利用を考えられているお客様へ、今回紹介させて頂いた商品をご提案いただければ幸いです。

西川  本日ご紹介したインクジェット製品を加え、家庭から仕事まであらゆる切り口でフルラインナップをご用意しております。より拡充されたインクジェットプリンターで、パートナー様のビジネスの展開を支援させていただきますので、よろしくお願いします。

『プリントヘッド一体型インク』を採用したHPの新しいインクジェット複合機ラインアップを、ユーザーの使用頻度、印刷量という視点から、提案するのはいかがだろうか?さらに、企業で働く個人をターゲットに、モバイルプリンターなどを提案するのも1つのビジネスチャンスだろう。また、本パートナーニュースを読んでいるHPパートナーである読者も、企業で働く個人であるという観点から、自宅での導入も考えてみるのも1つかもしれない。ぜひ、年末商戦でもがんばってほしい。

HP Partner News 2014年11月4日号 特集記事]
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