待ったなし!Windows Server® 2003移行の波は最後に来る!!

 

 

日本マイクロソフト株式会社 サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 藤本 浩司氏
日本マイクロソフト株式会社
サーバープラットフォームビジネス本部
Windows Server製品部
藤本 浩司氏

Windows Server 2003 は、 2003 年 5 月の発売開始から2011年1月のダウングレードメディア販売終了(※)までの間、多くのパートナーが販売し、また多くのユーザーが重要なシステムとして利用してきた。
長らく活躍してきたWindows Server 2003のサポート終了まで、とうとう約3ヶ月となった。パートナーも、各種メディアを通じて、広告やキャンペーンを目にすることも多くなっただろう。
盛り上がりを見せるWindows Server 2003移行であるが、日本マイクロソフトの担当者によれば、その波をしっかりと捉え、ビジネスが成長しているパートナーと、見逃しているパートナーがいるという。
※Windows Server 2003はHP OEM版としては2009年3月に販売終了、その後ダウングレードメディアとして2011年1月まで販売。


本特集では、Windows Server 2003移行プログラムを推進する日本マイクロソフト株式会社 サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 藤本浩司 氏に話を聞き、現在の市場の進捗状況、課題、ベストプラクティスを紹介することで、HPパートナーが7月までに何をすべきかをお伝えしたい。

- 現在のWindows Server 2003移行状況はいかがでしょうか?


Windows Server 2003
サポート終了:現状
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地域別のWindows Server 2003
稼働率
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調査会社による最新の調査結果によると、国内のWindows Server 2003の稼働台数は、2014年末で21万台と推測されています。2013年末で36万台でしたので、1年間で約15万台削減したことになります。国内で稼働するすべてのx86サーバーの台数が238万台ですから、そのうち1割弱のサーバーで、まだWindows Server 2003が稼働していることを意味しています。

地域別、都道府県別で大きな差も出ています。2014年10月末時点で、Windows Server 2003の稼働率を各地域別でみると、四国では約5台に1台の割合でWindows Server 2003がいまだに稼働しています。稼働台数の多い順番では、東北、中国、北海道という順になっています。地方で多くのWindows Server 2003が引き続き使われていることが分かります。
また、それらを都道府県別でみると、沖縄、宮城、高知、長崎、熊本などでWindows Server 2003の稼働率が5%以下と低くなっていますが、徳島、滋賀、愛媛、福島、青森、福井などでは、20%以上稼働しており、約4~5台に1台のWindows Server 2003が稼働しており、早急な対策が求められています。

- まだ、かなりの台数が稼働しているのですね。では、サポート終了までの御社の移行目標はいかがでしょうか?

Windows Server 2003残数をゼロに!と言いたいところですが、現実的な目標として、さまざまな施策を通じて、サポート終了時7月15日の時点で、約5万台を目標に活動しています。

- ユーザーの認知度についてはどうでしょうか?

はい、NHKニュースだけでなく、地方の情報番組なども含めて、最近特に多くこの件は取り上げられておりユーザーの認知度は高いと考えています。当社が、全国15,000社を対象に調査したところ、Windows Server 2003サポート終了の認知度は、全体で84.7%、5名以下の企業を除くと95%以上と、ほぼすべての方が認知しています。これは、Windows Server 2000の同時期における調査結果と比較しても、高い数字となっています。

- では、Windows Server 2003 サポート終了について、ユーザーはどのようにとらえていますか?

 
移行計画と移行の阻害要因
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昨年末に現在稼働中のWindows Server 2003の移行計画を確認したところ、社員250名以上の企業では74%がサポート終了までに移行を決めているという結果が出ています。しかし、中堅中小を含む250名以下の企業では、サポート終了までに移行すると回答した企業が43%と低くなっています。

これら中堅中小の企業でもITプロフェッショナルの方は、Windows Server 2003サポート終了を認知されています。しかし、課題は『予算確保のための経営層の理解を得られない』という回答が54%と高くなっています。また、『移行のためのIT要員不足』が36.2%、同じようにIT要員不足のためと思われる、『アプリケーションの動作検証』も28%と高くなっています。つまり、経営層の理解と、移行に関わるリソース不足にどのように対応していくかがポイントとなるという調査結果となっています。

- そのような状況で、貴社が取り組まれている最近の施策をご紹介ください。

昨年は、Windows XP のサポート終了に向けて、多くのパートナー様と共に移行支援活動を実施しました。「お客様が移行に関して予算を含めた計画を立てられること」、「そのお客様の計画を支援できるパートナーを通じた移行支援があること」の2つが重要であると学びました。

予算化も含めた移行計画を策定いただくためには、より早い時期から「サポート終了・新しい環境への移行」に関しての情報をお届けすることに腐心してまいりました。
そのため、先ほど紹介したWindows Server 2003の稼働状況の現状を踏まえて、中堅中小や地方でのメッセージや施策の強化を含めた活動を実施しています。1つは、1年で約15万台を削減した施策を、『待ったなし、Windows Server 2003移行キャンペーン』として、パートナー様と展開中です。

そのなかで、2つ紹介させていただきます。

先ほど紹介しましたように、移行への取り組みに大きな余地がある地方・地域に対する施策は重要です。例えば、地方・地域の中堅中小企業の経営者の方々に、Windows Server 2003のサポート終了を認知していただくため、地方新聞などを使った告知活動を実施しました。新聞の部数にすると、約1,700万部という大きなカバレッジとなります。
また、日本商工会議所様、経済産業省様およびITコーディネータ協会様の協力を得て、全国20か所でWindows Server 2003サポート終了セミナーを実施しています。セミナーでは、サポート終了やセキュリティの脅威、最新環境への移行に役立つ情報を丁寧に紹介しています。

これらの施策やパートナー様の活動により、当社のWindows Server 2003 移行の特別サイト に対するアクセスが、今年に入ってから、昨対比で2倍、3倍と増加しています。昨年は、Windows XP移行の需要が秋口まで続いていて、サーバー移行の予算まで確保できていないお客様もたくさんいらっしゃいました。しかし、お客様がやっと重い腰をあげられて、具体的に検討に入られたという実感を持っています。年初からライセンスの出荷本数も同じく増加傾向です。

- 実際のWindows Server 2003移行ビジネスについていかがでしょうか? 特に、本特集の読者であるソリューションプロバイダーの視点からご紹介ください。

Windows Server 2003移行のビジネス機会をうまく捉えられているパートナー様と、そうでないパートナー様に二極化されていると感じています。これは、日本HPさんからも同じ分析結果を共有いただいています。うまくいっていないパートナー様からは、「本当に移行ビジネスの機会があるのでしょうか?」とお問い合わせをいただくともあります。そのようなパートナー様の傾向として、Windows XP移行ビジネスと同じ提案活動で対応されているように感じます。例えば、サポート切れですよというメッセージだけでマイグレーションを提案するものです。単純にサポート切れ、セキュリティというキーワードだけでは、特に中堅中小企業の経営者の方々には響きません。 前述の通りユーザーの認知度は高いわけで、単にお知らせしただけではリプレースへ動かないのではとみています。

しかし、確実にビジネスは存在しています。これは、昨年のWindows Server ライセンスの出荷の中身を分析すると、Windows Server 2003 CALの出荷が減少し、Windows Server 2012 R2のCAL/RDSの出荷が急増している点などから判断しても、そして、先ほどのご紹介した15万台削減されたという点から見ても、その結果が裏付けられています。
うまくこの機会を捉えてビジネスを伸ばしていらっしゃるパートナー様は、独自の付加価値や、例えば、移行時にサーバー統合やクラウドの活用で運用コストが下がる、といったメリットを同時に提案することで、スムーズに移行提案を進められています。

また、2010年にありましたWindows 2000 Serverのサポート終了では同じく7月でしたが、2010年のWindows Serverの売上の推移を見てみますと、4月から6月の第一四半期から売り上げが上昇し始め、7月から9月の四半期が売り上げピークとなりました。 サポート終了まで3ヶ月となった、4月からタイミングで、付加価値のある提案をお客様に行うこともまだまだ重要になると考えています。

- つまり、Windows Server 2003サポート終了のビジネスは、4月からの6ヵ月が重要で、Windows XPのサポート終了と違ったかたちで、付加価値を加えた提案を行っているパートナーが確実にビジネス機会を得ているということですね。

その通りです。

これは、サーバーの移行は、クライアントOS移行とは大きく違う点があるからだと認識しています。クライアントの場合は、シンプルに、お客様に「サポートが終了する」「サポートが切れるとセキュリティ上の問題が大きくなる」と事実だけを伝えることで、入れ替えへのアクションにつながったケースが数多くあります。一方、サーバーの場合は、事実だけを伝えるだけでは移行へはつながらないのです。サポート終了になるとセキュリティリスクが増大することは、あらゆる規模の企業において認知が進んでいますが、さらに一歩踏み込んで説明することが重要です。

- 具体的な例を教えてください。

 
マイナンバーが必要になります。
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例えば、マイナンバー制度 への対策が必要であることを同時に伝えることで、セキュリティ対策がいかに重要かということを具体的に紹介されているパートナー様がいらっしゃいます。

来年度からスタートするマイナンバー制度は、住民票を持っているすべての方に対して、1人1番号のマイナンバーを付与し、 国の行政機関や地方公共団体などでは、社会保障、税、災害対策の分野で保有する個人情報を紐づけて効率的に情報の管理を行うものです。企業の大小を問わず、企業の経営者は、個人情報のかたまりであるマインバーを適切に、そして安全に管理する義務を負っています。もしマイナンバーが漏洩した場合、最も重い罰則のケースでは、経営者は「4年以下の懲役または200万円以下の罰金」もしくはその両方を科せられます。経営者の方にこの点を検討する必要があると同時にお伝えすると、サポート切れのシステムを利用するリスクを、実感としてご理解いただけると伺っています。

加えて、最新のWindows Server 2012 R2 をご紹介いただくことで、ビジネスへとつながっています。Windows Server 2003は、2003 年 5 月に出荷されていますから、設計段階から考えると15年も前のアーキテクチャーとなります。現代の環境とはまったく違う時代につくったものは、当然ながら現在のウェブを中心としたインターネット環境を反映したサーバーオペレーティングシステムでなければなりません。


サイバーセキュリティーは CEOレベルの問題に
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攻撃の目的と被害の変化
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- なるほど、一歩具体的に踏み込んでセキュリティを説明し、最新ソリューションのメリット、さらにパートナーの付加価値を加えることが重要なのですね。


サーバー入替時の課題
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その通りです。具体的に検討が始まると、お客様が考えていらっしゃるサーバー入れ替え時の課題が本格化してきます。 こちらのグラフにあるように、社内リソースの課題や、各種アプリケーションの動作検証に工数がかかるといったものです。特に、注目していただきたいのは、人手不足、アプリケーション動作検証、システムの棚卸し・状況調査という項目です。地方の中堅中小企業では、専任のITプロフェッショナルがいないことも多く、総務部門の方が業務の一環で対応されている場合も多くあります。アプリケーションによっては、10年以上前に開発され、導入当時の担当者やエンジニアとの連絡がつかない、不明であるといったこともあります。

これらの課題は、このPartner Newsをご覧になっておられるソリューションプロバイダーであるHPのパートナー様が、お客様をご支援していただけることで解決できると考えています。

- 最後にメッセージをお願いします

 
お客様相談窓口の強化
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当社とHPとは、グローバルなアライアンス「Frontline Partnership」に基づき、深いレベルでの相互の情報交換、技術協力、共同マーケティング活動を行っています。Windows Server 2003 移行についても、グローバルで、そしてこの日本においても、協調して活動しています。

Windows Server 2003のサポート終了まであと3ヶ月程度となりましたが、Windows 2000 Serverと同じであれば、Windows Server 2003からの切り替えに波は、これからです。パートナー様と一緒にお客様のサーバー環境を安全・確実に移行するために日本HPさんと一緒に、全力でご支援させていただきます。

日本HPでは、Windows Server 2003マイグレーションパートナーとともにマイグレーション促進を提唱している。マイグレーションパートナーにはぜひ、ProLiant Gen9の検証機貸出や、チラシ製作を活用して顧客への提案環境の充実に役立てて欲しい。
エンドユーザーに配布可能な移行ガイド(第3版)(PDF 1.83MB)も、営業ツールとして活用できる。
また、買い替えに最適な「のりかえ割nextキャンペーン」も、WS2003EOSの日付まで延長された。 今後も日本マイクロソフトと協調し、イベントやキャンペーンを実施中だ。

最後に。

7月15日までの時間は長くない。ぜひ、HPパートナーには、Windows Server 2003 移行のビジネス機会の波を見逃さず、確実に事業を拡大していって欲しい。

HP Partner News 2015年4月7日号 特集記事]
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