新春企画 「パートナー営業トップが語る、2011年度事業戦略インタビュー」

 

新春企画 「パートナー営業トップが語る、2011年度事業戦略インタビュー」
  HPは、一足早く昨年11月から2011年度を迎えました。 そこで、HP Partner News編集部では2011年の新春企画として、エンタープライズビジネス事業統括、パーソナルシステムズ事業統括、イメージ・プリンティング事業統括の 各パートナー営業トップに対し、昨年度を振り返りながら2011年度における事業戦略並びに抱負、注力製品などをインタビューしました。


【インタビュー回答者】
平松 進也 パーソナルシステムズ事業統括 パートナー営業統括本部長
玉利 裕重 エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 パートナービジネス統括本部長
阪元 立志 イメージング・プリンティング事業統括 パートナー営業本部
 
パーソナルシステムズ   ストレージ・サーバー・ネットワーク   イメージング・プリンティング

2010年度のビジネスレビューと2011年度以降のビジネス動向

 
玉利 裕重 エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 パートナービジネス統括本部長  
玉利 裕重 エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 パートナービジネス統括本部長  

--2010年度は、世界同時不況からの市場回復が期待されて幕を開けました。1年を振り返って、事業部のビジネスを総括してください。

2010年のエンタープライズビジネスは、IT投資の復活により1年を通じて力強い回復を見せました。年央からの急速な円高による失速も懸念されたものの、成長に対する投資意欲の高い企業、特に準大手や中堅企業層を中心にハードウェアビジネスは堅調でした。大型SI案件は少なかった印象ですが、インフラ投資やデータセンター案件などが回復基調を支えました。特にx86サーバーは、対前年比で継続して2~3割増と高い成長でした。

また、仮想化技術をベースに柔軟でシンプルな統合IT基盤を提供する「HP Converged Infrastructure」というコンセプトを発表してから1年を経過しましたが、この考え方は確実に日本のお客様にも受け入れられてきたと感じています。というのも、このコンセプトを製品化したHP BladeSystem Matrixが、おかげ様で日本でも何社かのパートナー様で検証や販売が進んでいるからです。

なかには自社のIT基盤をレガシー環境から実際にHP BladeSystem Matrixへ変更し、自らの経験やノウハウを踏まえて提案していただいているパートナー様もあります。2011年度はこのトレンドがさらに広がり、多くのパートナー様でもHP BladeSystem Matrixを代表とする統合IT基盤の提案が進むと期待しています。

--それらの昨年度のビジネスを踏まえて、2011年度のそれぞれのビジネスはどのような展開を期待していますか。

ユーザーは、これまで以上に柔軟性を持ったITを求めてきています。クラウド化が進むことにより、インフラ、ソフトウェア、サービスの垣根が緩やかになり、自前資産(オンプレミス)、パブリッククラウド、プライベートクラウドを組み合わせたハイブリッドモデルで、アプリケーションを利用するユーザーが増えていくことでしょう。

こうしたIT環境のなかで、インフラ部分におけるサーバー市場は、IT投資が回復しても金額ベースの成長はそこまで高くないとのアナリスト予想があります。仮想化が進むことによって、より少数のサーバーに集約される傾向が強まるためです。クラウド化が進むことで、一部のアプリケーションでは顧客がオンプレミスからクラウドサービスの利用へ切り替えることも増えてくるでしょう。一方、準大手・中堅以下の企業層では、引き続き仮想化によるサーバーのリフレッシュやストレージ統合などによってハードウェアへの投資が続くと予想されています。
また、ネットワーク向けの投資は、今後も成長が期待されます。増設、追加だけでなく、旧世代のネットワークを刷新する需要が高まると予想されるためです。

また、データセンター側では、ますます運用管理の自動化要望が高まると考えられます。運用自動化を支援するソフトウェアや、物理・仮想サーバー混在環境でのインフラ構築やストレージ容量の割当などを自動化できるツール類への需要も高まることでしょう。HPでは、これらを「Instant-On-Enterprise」として体系化し、IT基盤、ソフトウェア、アプリケーション移行サービスなどを顧客に提供していきます。

2011年度の事業ユニットの戦略

 

--2011年度におけるエンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業の戦略についてお聞かせください。また、その推進におけるHPの優位性もお願いします。

エンタープライズビジネスでは、引き続きサーバー、ストレージ、ネットワークのフルポートフォリオを提供できるITベンダーとして、HPの強みを最大限活かしていく考えです。これまでのサーバーやストレージという製品単体の考え方だけではエンタープライズ顧客の要望に応えることはできず、これらが統合されたIT基盤というものが求められています。これに応えるものがHP Converged Infrastructureであり、今後も仮想化技術を活用した統合IT基盤を提供していきます。

クラウド化のトレンドに対しては、日本HPはクラウドサービスプロバイダーを支援するというのが基本スタンスです。HP Converged Infrastructureをはじめ、Instant-On-Enterpriseによりそれを支えます。今日、お客様自身もアジア各国をはじめとしてグローバルに進出しています。その要望に応えるにはグローバルでのサービス能力と大規模データセンター集約の経験値が重要です。過去にHP自身がデータセンター統合を経験しており、世界最大級のプライベートクラウドを実現しています。その経験に裏付けられた提案ができることがHPの強みです。データセンターにおける電源効率や熱対策、VPNなどのネットワークの課題、大量のサーバーやストレージ、アプリケーションなど集約されたプラットフォームの運用管理の効率化など、データセンターの構築・運用にかかわる課題への対応策を、一貫してグローバルに提供できるのはHPだけだと考えています。

--今年度以降のビジネス戦略を推進していく上で、核となる具体的な製品は何ですか。

エンタープライズビジネスでは、HP BladeSystem Matrixに加え、昨年に買収したストレージである3Par、新たに旧3Com製品が加わったHP Networkingを中心に考えています。いずれも高度な仮想化技術を備え、サーバー、ストレージ、ネットワークを統合したIT基盤の構築を可能にします。
同時に、引き続きハードウェア需要が旺盛なコマーシャル、SMB顧客層に向けて、コストメリットのある製品を提供していきます。例えば、ストレージの領域では従来のファイバーチャネルより安価なiSCSIの需要がますます高まっており、HP StorageWorks P4000は今後さらに期待できるシステムです。ネットワーク分野では、HP Networkingシリーズはライフタイム保証や独自の仮想化技術により、既存のネットワークと比較してユーザーにコストメリットを提供できます。他にもHP ProLiant MicroServerという大変小さいサイズのx86サーバーも投入しました。これは静音、低価格が特長であり、特にオフィスなどでの小規模サーバー分野に期待できます。

2011年度のパートナービジネスについて

 

--2011年度のビジネス戦略、製品戦略を展開する際に、パートナー様とのビジネスをどう推進していきますか。

2011年度は、パートナービジネスの成功のためには3つのポイントを重視しています。1つは、パートナー様によってHPのフルポートフォリオを提供していただくこと。サーバー、ストレージ、ネットワークという企業向け製品に限っても、HPのポートフォリオは非常に幅広くなってきました。そのなかでHP ProLiantサーバーは市場シェアも高く、多くのパートナー様に販売いただいていますが、ストレージやネットワーク分野はまだまだ拡大の余地があると考えています。単に製品ではなく、顧客にとって価値のあるIT基盤として提供するためには、ストレージやネットワークを含めたフルポートフォリオを販売していただけるパートナー様をどれだけ増やせるかが重要なカギとなります。

サーバー、ストレージ、ネットワークだけでなく、ソフトウェアやサービス、ソリューションを含めた、HPのトータルポートフォリオ、すなわちInstant-On-Enterpriseをパートナー様と実現していきたいと考えています。そのためにはパートナー様にHPの幅広いポートフォリオを余すことなく伝え、パートナー様のビジネスの種にしてもらうための育成活動が重要です。「パートナー・エコ・システム」などを通じて、HPがパートナー様、ISVなどのソリューションプロバイダー、顧客をつなげていくことも効果的と考えています。

2つめは、SMBに強いパートナー様でのビジネス拡大です。SMBは引き続きハードウェアへの投資意欲が強いので、この領域へ最良・最適な製品を提供していきます。PC製品との連携も重要で、HPとしていかに一体感ある対応ができるかが重要です。SMB市場にも、PCやクライアントデバイス向けのエッジ領域といわれるネットワーク機器、ファイルサーバー、NAS、そのバックアップソリューションなどSMB向けフルポートフォリオがあります。単なるオフィスでのPCに加え、工場、医療、学校などさまざまな領域で専用機器がネットワークにつながり始めており、このインフラは今後も大きなビジネスになることでしょう。

また、SMB市場全体としては規模が大きいものの、一社一社、一つひとつの案件の規模は小さいので、効率よい引合いの創出(デマンドジェネレーション)が必要になります。きめの細かい販売支援セミナーやテレマーケティングなどを活用し、パートナー様向けの引合いを創出していきます。

3つめは、新しいパートナー様の開拓です。まだまだHPを採用いただいていないパートナー様はたくさんありますし、PCだけ、x86サーバーだけという部分的な採用にとどまっているパートナー様も多くあります。きちんと開拓し、各々の分野でHPによるフルポートフォリオの実現を目指していきます。

--パートナー様あるいはエンドユーザーに向けた、具体的なプログラムや販売推進キャンペーンがあればお聞かせください。

フルポートフォリオをパートナー様にご提供いただくためには、パートナー様向けの育成施策が重要と考えています。特に製品単体からHP Converged Infrastructureに代表されるIT基盤に移行していくためには複数の製品を包含する技術が必要ですし、販売に当たってもこれまでとは違う営業シナリオが必要です。また、ネットワークやストレージでは次々と新しい製品が登場しており、これを速やかに立ち上げるためにも営業、技術両面でトレーニング、ワークショップ、あるいは認定資格制度などの育成活動を強化します。また、フルポートフォリオをご提供いただけるパートナー様はそれだけHPの技術、文化に対してより深く投資していただいているわけですから、それに対してより多くの利益を得られるような制度も考えているところです。

パートナービジネス統括本部は「パートナー様を通じて、すべての顧客・市場へ最良のIT基盤を提供する」ということを組織スローガンとして掲げています。すべての顧客でHPのサーバー、ストレージ、ネットワーク製品をご利用いただけるようにパートナー様との協業を強化していきます。HPのフルポートフォリオに基づいて、コスト競合力に優れた製品が続々と投入されています。ぜひともHP製品をご愛顧いただき、お客様に最良のIT基盤を提供していただきたいと願っています。

HP Partner News 2011年1月11日号 特集記事]
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