マイクロソフト担当者に訊く、
Windows® 7搭載PC 企業導入の現状と予測

 

 

マイクロソフト担当者に訊く、Windows® 7搭載PC 企業導入の現状と予測

Windows® 7のリリースから早くも一年が経過し、一方で、PCメーカーが企業向けに販売していたダウングレード権を行使したWindows® XP ProfessionalプリインストールPCの出荷が、2010年10月22日をもって終了。
今後、お客様からWindows® 7搭載PCの導入相談が増していくことと予測されます。

そこで、企業導入の現状を把握いただき、Windows® 7でのビジネス及びPC拡販をさらに積極的に行っていただくため、マイクロソフト社のOEM統括本部アカウントエグゼクティブ 中薗直幸氏とマーケティング本部シニアマーケティングスペシャリスト 箕輪陽子氏に、HP Partner News編集部がインタビューをさせていただきました。

リリースより1年、現状と今後の予測

マイクロソフト 株式会社
マーケティング本部
シニアマーケティング
スペシャリスト
箕輪 陽子氏
マイクロソフト 株式会社
マーケティング本部
シニアマーケティング
スペシャリスト
箕輪 陽子氏

--リリースより1年、Windows® 7の販売数、企業導入数など現状を教えてください。

箕輪氏:コンシューマ市場でのWindows® 7への切り替えが、ほぼ100%と言って良い現状で、ビジネス向け市場でも大変順調に導入が進んでいます。企業内クライアントPCにおける世界での販売総数は2,400万本となり、Windows® 7で稼働するPCは約17%以上に達しています。

国内では、発売時に228社が早期採用を表明(2009年11月時点)されていましたが、現在(2010年11月時点)までに約8,300社がボリュームライセンス導入をされています。

また、OEMによる出荷台数を含めると国内法人/団体の4社に1社が、Windows® 7の導入を開始しているといった(マイクロソフトによる)数値が出ています。

--非常に順調のようですが、その要因はどこにあると見ていますか。また、今後の導入予測についてはいかがでしょうか?

箕輪氏:Windows® 7の導入速度は、以前のOSと比較して倍の速さとなっています。当初は、スモールビジネス以下のお客様からの導入が多かったようですが、現在は企業規模に関係なく増えてきています。
製品の完成度に加え、リリース当初から、事前検証や技術者トレーニング、ラボの提供など導入障壁を払しょくする技術面での取り組みを強化してきた事が大きいと感じています。スクールニュー・ディールでの採用、2010年春頃にはリーマンショックの影響が一段落したこともあって、PCの入れ替えを凍結していた企業が動き出したことも、一つの要因だと考えています。

Windows® 7導入を一年以内に予定すると回答している企業は、2009年は15.2%だったのに対し、2010年は42.8%にまで増加(*1)しています。一方で「XPの継続利用」を考える企業は、2009年に31.5%でしたが、2010年度は17.9%と約半分近くまで減っています(*1)。今後もXPからWindows® 7への移行が順調に継続し、3年以内に企業の60%がWindows® 7への移行を展開していくと見ています。

*1 出典:IDC Japan, 2010年7月「2010年国内PC 市場ビジネスユーザー利用実態調査」(J10200105)

Windows® 7 移行支援施策

--いよいよWindows® 7への移行を考えなければという企業に対して、
  マイクロソフトとしてはどのような支援を行っていく予定ですか?

箕輪氏:Windows® 7への移行を考える際、過去の資産をどうするのかが大きな問題です。Windows® 7 では、OSの機能として「互換機能」を持っており、公開されている互換情報・ツール類と組み合わせて使うことで、事前チェック/互換機能/互換ツール/仮想化技術(Windows® XP モード)と、段階に応じた互換性対策を行うことが可能です。

また、製品発売前からパートナー様と共に取り組んできた技術者育成の取り組みの成果として、パートナー様から移行支援サービスが提供されており、業務で使用しているソフトやOffice、IEの資産をWindows® 7 で継続利用できるよう、移行計画の立案・設計・構築・運用までをサポートするものになっています。

さらこの取り組みを広げるため、新たにWebアプリケーション検証を効率化することができる“Internet Explorer® 移行検証ツール”の提供を開始しました。認定パートナー様を通じて提供されているので、ぜひご活用ください。これらの移行サービス以外にも、移行の障壁を下げる取り組みを各パートナーと進めており、PC下取りキャンペーン(注)やWindows® 7 Professional 搭載PCの貸出プログラムといったサービスが提供されています。

注:日本HPでは、製品の下取りについて現在検討中です。

--「Internet Explorer® 移行検証ツール」について詳細をお聞かせください。

中薗氏:これは、企業へのヒアリングしてきた中で、“Webアプリケーションの修正よりも、検証により多くの工数が必要となり、課題となっている”といった声が大変多かったことから開始したものです。

Internet Explorer®移行検証ツール
Internet Explorer®
移行検証ツール
画面イメージ
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移行検証ツールでは、任意のページの画面キャプチャをIE6とIE8それぞれ連続取得し比較でき、1ページあたり2~3分を要していましたが、数秒で行うことが可能になります。システム管理者が最も時間を取られている Webアプリケーションの検証を効率化すると共に、必要な作業工数の見積りの効率化にも役立ちます。

Microsoft Partner Networkデスクトップコンピテンシー  を取得したパートナー様や、DDPSパートナー様を通じて展開されていますので、ぜひご活用ください。

マイクロソフト 株式会社
OEM統括本部アカウントエグゼクティブ
中薗 直幸氏
マイクロソフト 株式会社
OEM統括本部アカウントエグゼクティブ
中薗 直幸氏
Windows® XP モードのイメージ
Windows® XP モード
のイメージ
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--どうしてもXP上でしか動作しないとアプリケーションについては?

中薗氏:Windows® 7 Professional以上のエディションでは、“Windows® XPモード”をお使いいただくことで、仮想マシン内でアプリケーションを表示し使用することが可能です。XPモードは、仮想化ソフト「Windows® Virtual PC」を利用することで、XPのアプリケーションを使えるようにするものですが、Windows® 7 上のショートカットからアプリケーションを起動することもできるので、仮想化環境を意識せずに、あたかもWindows® 7上でインストールしたアプリを扱うように使用できることが特徴となっています。

ご利用の際には、仮想化対応のハードウェアやOS要件、インストールの必要性など条件がありますのでご注意ください。 日本HPのビジネスPCでは、カスタマイズ選択で、あらかじめXPモード使用環境がインストールされ出荷されるので、導入時の手間の削減をお考えの企業様にお勧めだと思います。

--その他の施策についてはいかがですか?

箕輪氏:デスクトップ仮想化およびクラウド環境に対しても施策を設け、企業のWindows® 7への移行を強く支援していきます。国内のクライアント仮想化ソリューションの市場規模の推移予測を見ると、2014年までの年間平均成長率が35.7%(*2)と非常に高まっています。
また、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)向けのライセンス販売数が、2009年上期と2010年上期は240%と急激に加速している現状もあり、シトリックス社との協業などによってVDIの認知・訴求も進めています。

*2 出典:IDC Japan, 2010年5月「国内クライアント仮想化市場 2009 年下半期の分析と2010年~2014年の予測」(J10250102)

中薗氏:Windows® 7移行における展開シナリオとして、お客様が所有しているPC全てを一度にWindows® 7に買い換えるということは、なかなか難しいという点を考慮し、移行初期に関しては、Windows® 7のPCに対して、仮想化上(VDI)からWindows® XPを使えるようにする(OEM Windows® 7+VDI(Windows® XP))ことで、Windows® 7環境に徐々に移行してもらえるような取り組みを進めます。

そしてWindows® 7 の導入が進んだ移行後期では、Windows® XPが搭載されたPCに対し、仮想化上(VDI)からWindows® 7を使えるようにする(OEM Windows® XP +VDI (Windows® 7))ことで、今まで使っていたWindows® XP搭載上のPC資産も有効的に活用が可能になります。

注目されるVDIの展開シナリオ
注目されるVDIの展開シナリオ
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箕輪氏:現在、急速に成長を見せているクラウドにおいては、コストと手間を抑えたセキュリティソリューションの展開ができると考えており、フォーカスしていきます。クライアントセキュリティ対策の重要性について、パッチ管理の徹底が重視される傾向にある中で、その対策を阻害する要因として「手間・コストが掛る」が1位に挙げられています(*3)。

そこでマイクロソフトでは、クラウドベースのPCセキュリティ管理“Windows® Intune™”を展開予定です。このサービスは、更新プログラム管理や、アンチウィルス対策、資産管理などPC管理に欠かせないセキュリティ管理をオンライン上から提供するソリューションです。Windows® Intune™には、クライアント SAが含まれるため、追加のライセンス購入なくWindows® 7 Enterpriseをご利用いただくこともできます。 これによって、新しいPC、かつ Windows® 7 搭載PCへの移行にも繋がるのではないかと考えています。

*3 出典:経済産業省「平成21年情報処理実態調査結果」


Windows® Inture™機能
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中薗氏:管理者側とクライアント側がインターネットに繋がってさえいれば活用できるといった利便性に加え、中小規模の企業にとって、これまであいまいであった、何を満たせたよいのかといったセキュリティの基準や指標となるようなソリューションとも言えます。2011年上旬のラウンチを予定しています。

WindowsR 7 導入事例

――実際に導入された企業の声には、どのようなものがありますか?

中薗氏:「生産性の向上」と共に「サポートのコスト、時間の削減」がメリットといった声が非常に多いです。製造業、銀行、大学、不動産、テレビ局といった様々な業種の大規模なお客様から、税理士事務所やシステム開発に携わる中堅中小規模のお客様まで、 マイクロソフトの導入事例ポータル  で事例を公開中ですので、ぜひご参照いただければと思います。

HP様を始めとするOEM各社からは、Windows® 7のメリットを活かした魅力的なPCが続々と製品化されていることは、Windows® 7導入を後押しする結果に結びついていると思います。あるHPのご担当者様からは、Windows® 7搭載プレインストールPCのみとなった後も販売台数が落ちることなく、大変好調とお聞きしています。

また地方企業様が、より積極的にWindows® 7導入をされているといった興味深い話もお聞きしました。これまで様子見だった都市部の企業様も、これから大きく動き出してくるのではないかと思いますので、HP様を始めとするパートナー各社と一緒に、Windows® 7の促進をさらに進めていけたらと思っています。

今回のインタビューでは、Windows® 7の企業導入における浸透度や予測が具体的な数値で分かると共に、今後の具体的な移行支援内容をお聞きすることができました。マイクロソフトのWindows® 7移行推進への意気込みを感じることもできたのではないでしょうか。ぜひ、ご商談の際のセールスポイントとして紹介いただければ幸いです。最後に弊社製品担当よりHPパートナーの皆さまへのメッセージで締めさせていただきます。

HP製品担当よりパートナーの皆さまへ

パーソナルシステムズ事業統括 PSG製品統括本部
コマーシャルビジネス本部 デスクトップビジネス部 織田博子

「サポートのコストや時間の削減」、「生産性の向上」といったWindows® 7への移行をお勧めする理由に加え、2014年に予定されているXPのサポート終了を前に、2012年ごろには各社周辺機器やアプリケーションなどのXPサポート終了が進むと言われています。
この先、セキュリティの空白期間を作らないようにするためにも、買い替えや新たなリースを検討のお客様にWindows® 7移行の具体的な計画を開始していただくことが、早すぎるということは決してありません。

HPでは、買い替え時期に来ている3~4年前のPCと比較し、消費電力を4分の1まで低減可能な省電力タイプのPCや、充実したセキュリティ機能を標準搭載することで、運用コストを削減できるPCなど Windows® 7移行により実現できるコスト削減効果をさらに高めることが可能なWindows® 7搭載製品を幅広くご提供しております。

さらに、あらかじめXPモード使用環境をインストールして出荷するサービスを提供するなど、お客様のスムーズな移行をバックアップできる体制を整えておりますので、マイクロソフト様のより充実化したWindows® 7移行支援策とともに、是非お客様にご紹介いただけますようお願い申し上げます。


【記事関連ページ】
ビジネスに使える!Windows® 7
マイクロソフト担当者に訊く、Windows® 7企業導入のメリット(2009/11掲載)

HP Partner News 2010年12月14日号 特集記事]
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