| 企業資産としての開発データを全社で共有・活用する文化が浸透
現在、製造業各社が直面している最大の課題は、製品開発期間とコストの圧縮、さらに品質向上とマーケット
のニーズに合わせた納期の短期化だ。特にその傾向は、厳しい国際間競争の渦中にある自動車産業において著しく、めまぐるしく変化する市場の中で製品投入サイクルも短期化している。
周知のように、車の開発期間は短縮化傾向にあり、その内装部品の開発生産を担う河西工業にも、各自動車メーカーの開発フェーズに、より上流から参画することが求められている。短期サイクル化の趨勢の中で、同社は製品開発の迅速化と品質向上の両立を進めてきた。
車両のコンセプトやイメージと深く関わる内装部品を提供する企業として「カーインテリアのTEIR-1 サプライ
ヤー」を掲げる同社の製品は、車両の居住性や静音性はもちろん、安全性なども求められている。さらに自動車のグレード感やテイスト、価値を決める重要な役割をも担っている。そこで、設計・開発においても旧来のように工程を順に追うのではなく、同時並行で行う手法を進めてきた。さらに、量産設計などにおいても上流工程から製品設計に生産要件を反映させることで、生産技術のフロントローディングを進めてきたのである。
また同社では、製品の開発期間短縮と設計精度向上のために早くから3次元設計を推進。さらにそのデータを基盤とした各種解析の活用や、製品ライフサイクル全体をカバーする環境保全施策などを深化させてきた。
一方、電子データの活用によるペーパーレス化も推進しており、生産現場では3次元データを3D ビューア上で確認。立体形状を視覚的に捉えることで、設計‐生産間の相互理解も深まった。また、購買部門では部材の発注や評価・精査を行う材料として、営業部門においても商談や見積、コンサルティング、プレゼンテーション等の各現場で3次元データの活用を図っている。開発の上流工程から調達・製造等の下流工程、さらに顧客対応の最前線に至るまで、資産であるデジタルデータを活用する文化を浸透させてきたのである。
新社屋建設を契機に
ネットワークの「あるべき姿」を目指す
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管理本部
内部統制プロジェクト
主担
鈴木 規嗣 氏 |
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「部門を越えたデータ流通と共有・活用が増加するとともに、社内でやり取りされるデータ量も飛躍的に拡大
してきました。実際、この2年間で社内LAN を走るデー
タ量は、約50 倍になっています」。そう語るのは、当時、
情報システム部で新ネットワーク環境の構築を担当した鈴木規嗣氏(現:管理本部内部統制プロジェクト主担)
である。
必要に応じて拡大されてきたネットワークには限界が見え始めていた。その折、同社では2007 年完成を目指す本社新社屋の建設プランが浮上していた。
「新社屋建設はネットワークの在り方を見直す良い機会
でした」と鈴木氏は言う。デジタルデータに基づく開
発や生産、購買、営業を進める同社において段階的に
増改築を繰り返してきたネットワークは、新しいビジ
ネススタイルを支える足回りとしては、無理が生じ始
めていたのも事実だったからだ。
「私たちは1989年頃から部門間連携を進め、1990年代半ばには各拠点間の相互接続を進めてきました。その経緯の中で、インターネット接続やイントラネットの活用などを進めてきたのです。さらに、拡大する情報トラフィックを支え、時代に対応したネットワークセキュリティを実現するためには、もはや対処療法では通用
しません。しかしこれから新築されるビルならば、ネッ
トワークの『あるべき姿』をゼロベースで築くことができます」(鈴木氏)
そこで、新社屋建設に併せ新しいネットワークインフラの整備を提案。経営層もその意義に理解を示し、経営課題として取り組み、投資を行うことが決定されたのである。
事故が発生し得ない仕組みをネットワークとルールの両面から築く
管理本部情報システム部開発課 高橋研一郎氏は、新しいネットワークに求められた要件をこう説明する。
「まず、急激に拡大する情報量に対応しながら、よりスムーズな伝送を実現するために広帯域化を図りたいと
考えました。そして個人単位のアクセス制御を行い、階
層や職務に合ったリソースへのアクセスのみ認可する仕組みを築くために、認証VLAN も不可欠の条件でした」
周知のように、いま企業のコンプライアンスやセキュ
リティ確保が社会問題化している。企業情報や個人情
報の流出事件が、テレビや新聞、雑誌を賑わせているが、
その原因は悪意ある第三者のネットワーク侵入やハッキングなどだけではない。不用意なWeb アクセスや不注意によるメール添付ミスなど、社員のケアレスミスによって大切な情報が外部に漏れてしまうケースも多い。
そこで河西工業では、ネットワークの再構築とともに
ルールやポリシー、モラル等の徹底によって、人的な事故の排除を図った。
「雇用形態の多様化や、協力企業とのアライアンスなど
の中で、悪意のない事故による漏洩などのリスクも拡大します。そこで、Web のフィルタリングやノートPC
に対するセキュリティの強化、認証されていないPC の
接続禁止など、不用意な事故を招かないための仕組み
を徹底。さらに、出張等での社外へデータを持ち出す
場合についてもルール化しました」(高橋氏)
「技術やそれを基に生まれた設計データは、当社の大切
な資産です。さらに私たちは、開発日程やデザイン情報
など、自動車メーカー各社の大切なデータをお預かり
しています。これは何よりも重要な防衛対象であり、『お
客様のデータは絶対に守り抜くこと』というのは、企業
使命でもあります。そこで、不適切な人間がアクセス
したり、不用意に持ち出されたり、外部に漏れたりす
ることがないように、事故が発生し得ない仕組みをネッ
トワークとルールの両面から築くことが必要だったの
です」(鈴木氏)
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導入ハードウェア
ProCurve Switch 3500yl-24G-PWR
ProCurve Switch 2626 |
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