世界最大級の大型放射光施設SPring-8
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高輝度光科学研究センター
制御・情報部門
ビームライン制御グループ
グループリーダー
大端 通 氏 |
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兵庫県南西部の播磨科学公園都市に設置された大型放射光施設SPring-8。日本原子力研究所(現日本原子力研
究開発機構)と理化学研究所の共同出資により1991年から6年の歳月をかけて建設され、高輝度光科学研究
センターがその運営を担う。現在、「世界屈指の分析、解析施設」として、民間企業、大学、官公庁など国内
外の諸機関がさまざまな研究・開発に利用している。放射光とは耳慣れない言葉だが、最先端の研究には欠
かせない光で、高エネルギーの電子などが磁場で曲げられたときに発生する電磁波(シンクロトロン放射光)
のことだ。SPring-8 のような第三世代大型放射光施設は、世界でも他にAPS(アメリカ)、ESRF(ヨーロッパ)の2つのみだ。
24時間連続運転を支える基幹ネットワークインフラ
ユーザが最先端の研究・開発を計画的に行えるよう、SPring-8 の運転スケジュールはサイクルと呼ばれる数週
間の運転期間で構成されている。サイクルの間にあたる停止期間や夏期・冬期の長期運転停止期間などを除
けば、24時間連続運転である。2 時間連続運転を支えているのが、制御システムと基幹ネットワークインフラだ。
特に基幹ネットワークは可用性を高めるためにリンクアグリゲーションプロトコルを採用している。リンク
アグリゲーションとは複数の物理的な回線を仮想的に束ね、あたかも1本の回線であるかのように扱う技術
で、これにより通信ラインの二重化ができ1本がダウンしてもトラフィックは途絶しない仕組みとなってい
る。また、支線には加速器本体から出る電磁ノイズの影響を受けないように、光ファイバーを使ったイーサー
ネットを採用。ルーターを使わず、スイッチを基本に用いた遅延の少ないフラットなネットワーク構成と
なっている。
高輝度光科学研究センター制御・情報部門ビームライン制御グループ グループリーダーの大端通氏は、
SPring-8 のネットワーク環境をこう説明する。
「基幹ネットワークは、加速器を制御する制御系、実験するユーザが利用するビームライン系、情報サービス
を行うOA系に分かれます。制御系ネットワークとビームライン系ネットワークやOA系ネットワークとの間
にはファイアウォールを設置し、インターネットから制御用ネットワークには直接アクセスできないように
しています。ネットワークを管理する上では多少手間がかかりますが、施設の安定運用を第一に考えた設計
としています」
さらに、所内の研究室からSPring-8の運転状態をリア ルタイムに記録したデータベースにアクセスするために、第3のネットワークである中立ゾーンを用意。こ
こにデータベースアクセス専用Web サーバやプログラ ム開発環境を設置することで、データアクセスと運転用プログラムの開発を行っている。また、放射光実験 ユーザのためのネットワークは特にセキュリティに配慮している。ビームラインはVirtual LAN(VLAN)を利 用してそれぞれが論理的に独立したネットワークとして運用されている。 |