「歌舞伎座新開場記念展 歌舞伎
- 江戸の芝居小屋-」展

- サントリー美術館(東京・六本木)

江戸時代の歌舞伎座にタイムスリップしたような空間を目指して。半透過のテキスタイル素材を採用したこだわりの装飾を、HP Latexインク搭載大判プリンターで出力


江戸時代に花開き、現代まで息づく歌舞伎は、日本を代表する伝統芸能として、さまざまな変遷を経て発展してきました。

歌舞伎の大きな特徴の一つに、劇場内で行なわれる〈役者〉と〈観客〉の応酬があります。歌舞伎の歴史は、この〈役者〉と〈観客〉とを結ぶ〈劇場〉を中心に展開してきたともいえます。

本展では、2013年4月の第五期歌舞伎座新開場を記念し、近世における芝居小屋から、現在へとつながる歌舞伎の劇場空間が成立するまでの歴史を、絵画作品を中心に展観します。

また、役者のブロマイドであった役者絵や、役者の愛用品、歌舞伎役者の紋や舞台衣装から影響を受け江戸で流行したファッションなどにも焦点を当て、歌舞伎の発展を支えてきた〈役者〉と〈観客〉の姿を浮き彫りにしていきます。

重要文化財 歌舞伎図巻 二巻のうち下巻(部分)江戸時代 17世紀 徳川美術館蔵
重要文化財 歌舞伎図巻 二巻のうち下巻(部分)
江戸時代 17世紀 徳川美術館蔵
©徳川美術館イメージアーカイブ/DNPartcom
上野花見歌舞伎図屏風 伝菱川師宣画 六曲一双のうち左隻 江戸時代 元禄6年(1693)頃
上野花見歌舞伎図屏風 伝菱川師宣画 六曲一双のうち左隻
江戸時代 元禄6年(1693)頃 サントリー美術館蔵

サントリー美術館 学芸員の池田芙美氏

今回の展覧会の総合企画・演出を手掛けたのは、サントリー美術館 学芸員の池田芙美氏。池田氏は、「この企画は、2013年4月に新しい歌舞伎座が開場することが決まってから、約3年間熟考を重ねてきたものです。通常、歌舞伎展というと役者絵がメインになることが多くございますが、今回の主役は、「歌舞伎の舞台」そのものです。歌舞伎は役者だけではなく、役者を支える観客がいるからこそ発展してきたのです。

そして、歌舞伎の中で行われる「役者」と「観客」のやりとりや一体感こそが、歌舞伎の一番の魅力なのです。劇場図そのものにフォーカスを当てれば、とても面白い展覧会になると感じていました」と、池田氏は語ってくれました。

 
 

江戸時代の芝居小屋に歌舞伎を見に来たような空間演出を目指しました。

池田氏が展覧会の演出にあたってこだわったのが、会場内に掲出するバナーや、壁面の装飾でした。「美術館は、展示作品に留まらず空間装飾を含めたすべてが作品です。訪れた人が、まるで江戸時代の芝居小屋に歌舞伎を見に出かけたような印象を受けていただけるように、総合的な空間演出を目指しました」しかしながら、江戸時代の絵画や写真はもともとの作品が小さく、二次元のものなので、どうしても展示室が地味になってしまいがちです。そこで、「バナーやパネルなどを活用して、絵画や写真を大きく引き伸ばして、三次元的に見せる装飾が重要だと考えました」と池田氏は語ってくれました。さらに、「小さな作品を大きく見せることで、また新しい魅力の発見につながります」とコメントを添えてくれました。

 
 

HP Latexインク搭載のプリンターで、踊り子の絵画を半透過のレースカーテン素材にプリント。ふわりと揺れるレースのバナーは、人々が踊っているかのように演出

HP Latexインク搭載のプリンターで、踊り子の絵画を半透過のレースカーテン素材にプリント。ふわりと揺れるレースのバナーは、人々が踊っているかのように演出

今回の空間装飾には、注目作品の一つである、伝菱川師宣画『上野花見歌舞伎図屏風(サントリー美術館蔵)』に描かれている踊り手8人を、幅1.2m×高さ3.0mのレースカーテン素材(半透過のテキスタイル素材)に、一体ずつプリントされたものが採用されています。素材が非常に軽量のため、人が歩くたびにふわりと揺れるため、まるで踊り手たちが楽しそうに踊っているかのように効果的な演出に貢献しています。また、「HP Latexインク」でプリントすることにより、作品の持つ微細な風合いを残しながらもレースカーテン素材への鮮明なプリントを実現し、展覧会を印象付けるプロローグ部分を幻想的に演出しています。

 
 

HP Latexインクとレースカーテン素材の組み合わせで防炎認定も取得。

今回使用したHP Latexインクと、レースカーテン素材の組み合わせは、日本防炎協会の防炎製品認定(*1)を取得しており、安全性と実用性を兼ね備えた装飾を実現しています。

さらに、美術館という閉ざされた空間の中では、印刷物の臭いや環境への配慮も重要な課題となっていました。HP Latex インクは水性インクのため不燃性を備え、インク自体に有害物質を含まず、VOC(揮発性有機化合物)が極めて少なく、全くの無臭で速乾性の特長を備えています。環境への配慮に悩んでいた池田氏も、「HP Latexインクは、とても環境にやさしく、臭いもしないので、今回の展覧会の装飾の出力には最適だと判断しました」と語るように、HP Latexインクは展示環境の課題解決に対する最善策となりました。

池田氏は、「江戸時代の絵画や浮世絵は小さく、また展示期間が限られているような作品も多くございます。そういった貴重な作品でも、バナーやパネルなどで空間装飾として取りいれることで、総合的な展覧会の企画・演出を目指していきたいです」と語ります。

*1: 日本防炎協会「防炎製品認定」に関する情報は以下のURLを参照してください。
http://www.jfra.or.jp/

サントリー美術館
所在地: 東京・六本木
URL: http://www.suntory.co.jp/sma/
 
 

関連情報

 
 

対象プリンター

HP Scitex LX850

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  • 屋外品質:88m²/時、屋内品質:45m²/時
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