「歌麿・写楽の仕掛け人
その名は蔦谷重三郎」展

- サントリー美術館(東京・六本木)

浮世絵を活用したこだわりの装飾を大判プリンターで出力
HP Latexインクにより展示環境に配慮

※作品は、すべて東洲斎写楽画。
左より、《谷村虎蔵の鷲塚八平次》(部分)城西大学水田美術館蔵、《二世瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木と中村万世の腰元若草》(部分)川崎・砂子の里資料館蔵、《二世嵐龍蔵の金貸石部金吉》(部分)城西大学水田美術館蔵、《三世佐野川市松の祗園町の白人おなよ》(部分)平木浮世絵財団蔵


江戸文化の総合プロデューサー・蔦屋重三郎の魅力を紹介

喜多川歌麿、東洲斎写楽といえば、世界的にも広く知られる江戸時代を代表する浮世絵師。歌麿の美人画や写楽の役者絵は、今の時代でも多くの人々を魅了しています。また、彼らの生きた18世紀後半、安永・天明・寛政期の江戸には、戯作の山東京伝、狂歌の大田南畝(なんぽ)といった多くの花形スターが登場し、まさに江戸文化が大きく花開いた時代でもありました。

蔦屋重三郎
蔦屋重三郎

※作品は、《箱入娘面屋人魚》
たばこと塩の博物館蔵

しかし、このスターたちの華々しい活躍の裏に、一人の仕掛け人がいたことはあまり知られていません。
その人物こそ、版元の蔦屋重三郎です。版元として、出版はもちろん、企画・製作・流通・販売まで手がけた蔦屋重三郎は、歌麿や写楽の才能を見出し世に送り出しただけでなく、江戸吉原の人気ガイドブック「吉原細見」の独占出版を始め、狂歌絵本の刊行、戯作の出版など最先端の江戸文化を次々に演出しました。今でいう“総合プロデューサー”の先駆け的存在、それが蔦屋重三郎といえるでしょう。

この蔦屋重三郎に注目した展覧会「歌麿・写楽の仕掛け人 その名は蔦屋重三郎」展が、11月3日〜12月19日まで、東京都港区のサントリー美術館(六本木・東京ミッドタウン)で開催されています。展覧会では、蔦屋重三郎に関わる様々な出版物を、前期・後期に分けて総数約250件を展示。来場者に、多様な“江戸メディア文化”の魅力を紹介しています。


蔦屋の本屋「耕書堂」再現展示
 
 

デリケートな浮世絵の展示環境にはHP Latexインクが最適

HP Latexインク搭載のプリンターで、踊り子の絵画を半透過のレースカーテン素材にプリント。ふわりと揺れるレースのバナーは、人々が踊っているかのように演出

池田芙美氏

今回の空間装飾には、注目作品の一つである、伝菱川師宣画『上野花見歌舞伎図屏風(サントリー美術館蔵)』に描かれている踊り手8人を、幅1.2m×高さ3.0mのレースカーテン素材(半透過のテキスタイル素材)に、一体ずつプリントされたものが採用されています。素材が非常に軽量のため、人が歩くたびにふわりと揺れるため、まるで踊り手たちが楽しそうに踊っているかのように効果的な演出に貢献しています。また、「HP Latexインク」でプリントすることにより、作品の持つ微細な風合いを残しながらもレースカーテン素材への鮮明なプリントを実現し、展覧会を印象付けるプロローグ部分を幻想的に演出しています。

池田氏が展覧会の演出にあたってこだわったのが、会場内に掲出するバナーやパネル、壁面の装飾でした。「浮世絵や版本を展示する場合、もともとの作品が小さく、二次元のものなので、どうしても展示室が地味になってしまいがちです。そこで、バナーやパネルなどを活用して、浮世絵を大きく引き伸ばして、三次元的に見せる装飾が重要だと考えました」と池田氏は語ってくれました。

しかしその一方で、「今までのバナーやパネルなどの印刷物は臭いが残りやすく、揮発物も気になります。サイズを大きくしようと思うと、それだけリスクも高くなるので、環境への配慮は見逃せない課題になっていました」と池田氏が説明するように、浮世絵などの古美術品は非常にデリケートなもので、展示環境にも細心の注意が必要となります。

こうした課題を解決するために、今回の展覧会で採用されたのが、日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)のHP Latexインクでした。HP Latexインクは、水性のため不燃性で、インク自体に有害物質を含まないほか、VOC(揮発性有機化合物)が極めて少なく、全くの無臭で速乾性の特長を備えています。環境への配慮に悩んでいた池田氏も、「HP Latexインクは、とても環境にやさしく、臭いもしないので、今回の展覧会で使うバナーやパネルの出力には最適だと判断しました」と語るように、HP Latexインクは展示環境の課題解決に対する最善策となりました。

 
 

こだわりの装飾を短納期で再現したHP Latexインク

HP Latexインク搭載のプリンターで、踊り子の絵画を半透過のレースカーテン素材にプリント。ふわりと揺れるレースのバナーは、人々が踊っているかのように演出
TSUTATA TOKYO ROPPONGI
店 バナー

※作品は、東洲斎写楽画《二世瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木》(部分)城西大学水田美術館蔵

また池田氏が今回、HPLatexインクを選択した背景には、もう一つ理由がありました。「実は、私が展覧会の総合企画・演出を担当するのは、今回が初めてでした。それだけに、今回の展覧会場の装飾は、自分が納得するまで、とことんこだわりたいという想いが強かったのです」と、池田氏は明かします。
従来のインクを使用した大判プリンターでのプリントでは、なかなか自分の思ったとおりの表現が期待できず、急な変更が生じても対応が難しかったといいます。

HP Latexインクを搭載した大判プリンター「HP Designjet L25500」と「HP Scitex LX600」はそんな池田氏の要求に、出力スピードと速乾性がもたらす高いトータル生産性で応えました。また展覧会場内のバナーについては、浮世絵作品の風合いを生かすため、布製のHP純正HPライトテクスタイルディスプレイバナーを使用するとともに、解説のパネルには環境に優しい紙ベースのHPホワイト半光沢ポスター用紙を使用しました。会場周辺のTSUTAYA店舗におけるバナーや壁面の装飾には、多数のお客様が触れることを考慮し、耐候・耐久性が高いエアリリース粘着光沢キャストビニールやヘビーテクスタイルディスプレイバナーなど5種類のメディアを採用しています。

「今回は、私のこだわりで、ギリギリまで装飾の演出を考える中で、制作過程で急な変更が発生するなど、非常に短納期になってしまう事が多かったのですが、HP Latexインク搭載のプリンターの高いトータル生産性により、そのリクエストに見事に応えることができたので、無事に会期に間に合わせることができました」。

さらに出力品質への評価も高く、「実際に出力を見るまでは不安なところもありましたが、期待を上回る出来映えだったので、とても満足しています。とくに、浮世絵の展覧会の雰囲気に合わせて、素材や質感にこだわったのですが、印刷物特有のテカりもなく、私のイメージ通りに仕上がっていました。また、小さな浮世絵を大きく引き伸ばしてバナーにしたものもありましたが、クオリティが落ちることなく細部までキレイに再現されていて、引き伸ばしたことで新たな発見もありました」と話しています。

サントリー美術館では年6回、様々なテーマで展覧会を行っています。池田氏は、「今回の展覧会をきっかけに、今後もぜひ日本HPの協力を得て、展示環境に配慮した、美術品の世界観にこだわった演出を手掛けていきたい」と目を輝かせていました。

イベント情報
「歌麿・写楽の仕掛け人 その名は蔦屋重三郎」展
会場: サントリー美術館(東京・六本木)
会期: 2010年11月3日(水・祝)〜12月19日(日)
開館時間: 〔日・月・祝〕10:00〜18:00 〔水〜土〕10:00〜20:00
休館日: 火曜日、11月24日(水)
入館料: 当日 一般1,300円、大学・高校生1,000円、 中学生以下無料
 

※作品は、すべて東洲斎写楽画。
手前より、《谷村虎蔵の鷲塚八平次》(部分)城西大学水田美術館蔵、《二世瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木と中村万世の腰元若草》(部分)川崎・砂子の里資料館蔵、《二世嵐龍蔵の金貸石部金吉》(部分)城西大学水田美術館蔵、《三世佐野川市松の祗園町の白人おなよ》(部分)平木浮世絵財団蔵

 
 

対象プリンター

HP Designjet L25500

HP Designjet L25500

水性インクを用いたHP Latex プリンティングテクノロジーは、ノンコートメディアを含む広範囲の素材への印刷が可能。さらに屋外環境での使用に耐える耐候性と、近接掲示に応えられる鮮やかで美しい画質を実現します。
また、自動メンテナンス機能を搭載し、ユーザーの手間を減らし、利用可能な時間を増やすことができます。HP DesignJet L25500プリンターは、お客様のビジネスを拡大すると同時に、環境問題にも貢献します。

 
HP Scitex LX600

HP Scitex LX600

他の印刷会社との差別化をはかり、新たなビジネスを獲得。HP Scitex LX600プリンターは、環境への負荷を低減しながら、高画質の印刷物を優れた速度で制作することが可能です。