大判プリンタへの疑問と解決策を
日本ヒューレット・パッカードに聞く

- 日本ヒューレット・パッカード株式会社

「青写真の時代からこれまで、複写業界は大判出力をとにかく活用してきた」と語る日本複写産業協同組合連合会の森下修至会長。一方で大判インクジェットプリンタに関する最新情報は、黎明期に自身の会社に導入して以降、触れる機会も少なくなっていたという。
そこで、複写業界が抱えている大判インクジェットプリンタへの疑問や要望を携えて、日本ヒューレット・パッカードのショールームを訪れた。

写真左: 日本複写産業協同組合連合会 会長 森下修至氏
写真右: 日本ヒューレット・パッカード株式会社 プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 ワイドフォーマットビジネス本部 ビジネス推進部 部長 秋山裕之氏
 

複写業界では今、2016 年に控えるジアゾ複写機の消耗品の供給停止に備え、いよいよその代替機を考えなければ、という逼迫した事情を抱えているそうだ。また、顧客ニーズの多様化に合わせて、大判出力の納品バリエーションも大きく広がっている。
そこで森下会長は、日本ヒューレット・パッカード株式会社のワイドフォーマットビジネス本部・秋山裕之部長に複写業界が求める大判インクジェットプリンタについて質問。
さまざまな意見が飛び出す有意義な情報交換の場となった。

森下氏 大判インクジェットプリンタが登場した当時、図面の出力は主にジアゾや電子写真方式の複写機を使っていました。
この頃はインクジェット方式のほうがコストが掛かり、手間のわりにクオリティが今ひとつ、という印象があって、全体的なブームまでは起きませんでしたね。

秋山氏 確かに当時のインクジェットプリンタはクオリティを重視すれば時間が掛かり、
スミの色の締まりも図面向きではなかったかもしれません。

森下氏 今まで複写業ではゼネコンやコンサル会社といった企業から大判出力やコピーの受注を受けてきましたが、近年では徐々にポスターなどの掲示物を中心とした最終成果物を求める発注も増えてきています。
そこで聞きたいのですが、ジアゾに替わるプリンタやポスター出力に向いたプリンタでお勧めはありますか?
欲を言えば、ジアゾではA0サイズでランニングコストが100〜120円だったので、相応のものだとベストですね(笑)

秋山氏 たとえば線画図面の出力では、インクジェットプリンタでもA0サイズで7円台というランニングコストを実現した機種もあります。
これに用紙代や維持費、人件費を加えていくと、ジアゾと比較しても引けを取らないのではないでしょうか。出力速度も同じく、高速モードなら1分間に2〜3枚程度の出力ができる機種もあります。
グラフィック向けも以前から大きく進化していますよ。逆に伺いたいのですが、複写業で必要となる印字幅に平均はありますか?

森下氏 これまで図面はA0サイズが多かったのですが、最近のCADデータはもっと幅広なものも増えてきました。長さも3mを越えるものもあるので、B0サイズあれば最終成果物のバリエーションが増えるのではないかと思います。

秋山氏 なるほど。コストやスピード、画質以外に重要視されるのはどんな点でしょうか。

森下氏 図面出力で言えば、データ上の「黒」をKインクだけで出せること、顔料インクであること、グラフィック出力ならどんなものでも受注できる用紙対応力でしょうか。複写業では設置スペースに限界があるので、なるべく1台でオールマイティに使えるプリンタがよいですね。
とにかく今は、1つのデータを100部出力、という仕事より、100件を1部ずつ出力する仕事が増えていますから、大判プリンタの導入は急務になってきています。

秋山氏 では今回は、図面出力とグラフィック出力という2点に絞った3機種を紹介します。
どれも今の森下会長が言われていたこと、複写業の方々が求めている大判プリンターの条件を備えていると思います。


出力コストはWebブラウザで確認

出力コストはWebブラウザで確認

プリンタ本体にWebサーバー機能を内蔵し、PCのWebブラウザからさまざまな機能をコントロール。
出力ジョブのプレビューや消耗品の残量チェック、進捗状況も確認可能。
今回紹介する3機種はメディアやインクの使用状況からファイルごとのコスト計算ができる機能を搭載。

 
色再現を高めるテクノロジー

色再現を高めるテクノロジー

HP DesignJet Zシリーズには分光測光器「i1」を内蔵し、正確なカラーマネージメント機能を提供。
チャート印刷から測色、ICCプロファイル作成までを自動で行うため、作業者のスキルに頼らず、一貫して安定した色再現が得られる。

 
 

悩み-その1 大判スキャナとプリンタ、別々に用意すると色が合わない

森下氏 CAD図面など、テクニカル分野の仕事は未だに1/3くらいがアナログ原稿のデジタル化からスタートします。
スキャナとプリンタを別々のメーカーで揃えると、K部分にCMYが混色の状態で印刷されたり、イラスト部分の色が原図と違う色で出力されてしまう場合があるので、スキャンしてすぐに出力することができません。
これが解消されるとかなり手間がなくなるのですが……。

HP DesignJet T2500 MFP シリーズ

秋山氏 コピー、スキャン、プリントが1台で済むので省スペースですし、A0サイズの原稿をスキャンできます。
筐体の高さを抑えた設計なので、原図のセットもユーザーに負担が掛かりません。またCAD用ソフトウェア向けのプリンタドライバでは「黒」で指定された色を「Kインク」だけで出力する機能を備えているので、極細線や文字もクッキリと出力できます。
読み込みから出力までの操作を本体の操作パネルですべて行えることも特長になっています。

 

高速モードでスキャンしたデータを確認すると「薄いグレーが飛んでしまっている」と一言。
次に、高品質モードでスキャンして出力してみると「これならイケる」とのこと。
気になる線画もきちんと「黒」で出力されていた。

 
 

悩み-その2 図面もCGイラストも出せる高品位なB0プリンタが必要

森下氏 最近はゼネコンやコンサルティング会社の仕事でもCGパースを多用したデータが増えました。
ここで重要視されるのが「リアルさ」です。建築完成図などは建物と風景がより現地の状況に近い色で出力しないと、さまざまな交渉に支障が出る場合があります。できるだけ高画質に、そしてデータに忠実に出力可能なプリンタが必要になっているんです。
そして出力スピードはできるだけ速く。これは譲れません。

HP DesignJet T7100

HP DesignJet T7100

秋山氏 B0サイズでインクは6色、グレーインクも搭載していますから、とくに建物などの色づけに使われるグレー階調は細かな色の違いまで正確に表現できます。
そして、出力スピードはかなり一般的な広幅出力機を意識して設計していて、A1サイズを約15秒で出力できます。
それに“エコ”なことも特長の1つで、待機電力が広幅出力機に比べて約85%、稼働時も約80%の消費電力。電力コストを考えた買い換え需要にも対応します。

 

オプションで最大3本のロール紙を搭載でき、リボルバー的に用紙を切り替える機構に興味津々。
「画質や色再現性はもちろんですが、使い勝手がかなり良くなっていますね」と森下会長。

 
 

悩み-その3 顧客に自信をもって勧められる高品質な出力がしたい

森下氏 今は家庭用プリンタでもかなりキレイな出力ができてしまう時代ですから、お客様の審美眼もかなり肥えてきています。
単に大判カラー出力ができるだけでは、お客様の満足は得られません。
ポスター出力は、我々複写業でもこれから大きなウエイトを占める分野になってくるので、とにかく高画質な大判インクジェットプリンタを導入して、小ロット・多品種への受注に備えたいですね。

HP DesignJet Z6200

秋山氏 レッドや用紙に合わせて切り替える2種類のブラックとグレーインクを含めた8色を搭載して、特に写真出力にこだわった技術を投入したモデルです。
キャリブレーション機能として分光測光器「i1」も内蔵しているので、複数枚の部数を出力しても安定した色再現を実現しています。
しかも、スピードにもこだわって、光沢紙を使ってもA1サイズを約1.1分でカラー印刷できます。B0ノビ(1,067mm)と60インチ(1,524mm)の2モデルを用意しているので、設置先のスペースや仕事に合わせて選んでいただきたいですね。

 

「これが今のDesignJetの品質か」と驚く森下会長。
「この画質と色なら安心してお客様に勧められる」とのこと。
お客様を待たせずに出力できるスピードと、インク使用効率の高さにも注目していた。

 
 

株式会社ワークスコーポレーション刊 プリント オン デマンド ガイドブック より転載

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