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| 約290万ステップの勘定系システムのダウンサイジングを断行 |
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今後の資産運用システムとなる64ビットAlpha環境への移行を開始
「ニッセイ」の愛称で知られる日本生命保険相互会社(以下:日本生命)は、1889年に設立以来百余年の歴史を誇る生命保険会社のリーディング・カンパニーです。 同社では1980年代後半から急増した海外への投資や融資業務に対応する勘定系システムとして、汎用機による国際金融業務システムを運用してきました。この汎用系システムは、SIベンダに構築から運用まで全面的にアウトソーシングしていたためシステムがブラックボックス化し、環境変化に柔軟に対応することが困難でした。そこで同社では、ホストシステムの機能をそのまま継承し、64ビットAlphaServerを核とするクライアント/サーバ・システムへのダウンサイジングを断行。約290万ステップに及ぶ膨大なCOBOL資産をダウンサイジングするという初の挑戦で、大幅なコスト削減と開発ノウハウの蓄積を実現。今後の勘定系システムのダウンサイジングへと大きな一歩を踏み出しました。 |
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| 日本生命保険相互会社 |
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開発室内での国際金融業務
システム・アプリケーション開発風景 |
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情報システム部
システム推進グループ課長
杉森 正彦 氏 |
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生命保険会社の海外への投融資(国際金融業務)は、1980年代中頃から、金融規制緩和や国際化の流れのなかで急激に拡大してきました。日本生命ではこうした環境変化に対応するため、業務処理の中軸となる勘定系システムとして、国際金融業務システムを構築。
ただ、当時の急激な業務量の増大に迅速に対応するため、短期間でのシステム構築を余儀なくされたこと、そして全く新しい業務分野のため、社内ノウハウの蓄積が少ないという制約もあり、システムの開発・運用にあたっては外部にすべてアウトソーシングせざるを得ませんでした。
4年の歳月をかけて完成した、約290万ステップにも上るシステムは汎用機による集中型システムで、オンライン端末約20台が接続され、海外融資、外国債券、外国為替、外国株式の4業務を行ってきました。このように駆け足で完成せざるを得なかったシステムのため、本稼動後、保守・開発や運用上、アウトソーシングによるいくつかの問題も明らかになってきました。
「メインフレームでのコスト体系のなか、業務拡大による保有ソース・データ増加により運用委託コストは年々膨れ上がりました。また、業務の国内処分化を背景に自社化開発の障害であった海外ネットワークによる現地処分業務が廃止された事も大きなポイントでした」(杉森課長)
また、開発作業が事実上SIベンダ任せとなってしまうため、同社のイニシアチブでコスト低減や最新技術の導入などを図ることが難しいという問題もありました。
「当社が主体となって積極的に最新の情報技術や先進的なシステム開発技術を取り入れ、開発ノウハウを蓄積していくことも困難でした。アウトソーシングによって、いわばシステム全体がブラックボックス化していたわけで、これを解決することが求められていたのです」(土井課長代理) |
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情報システム部
システム推進グループ
課長代理
土井 康裕 氏 |
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ダウンサイジングが進展しているなか、金融機関における勘定系システムの業務分野では、信頼性や安定性そして膨大なプログラミングステップ数のため、依然として汎用機システムが主流です。しかし、国際金融システム稼動から10年近くが経つ90年代半ばになると、ホストシステムをクライアント/サーバ・システムに移行するサービスや、汎用機に匹敵する高い機能と信頼性を備えた安価なサーバが登場するなど、システム構築環境は大きく変化してきました。
また同社では、既に情報系システムでのダウンサイジングでの開発経験や開発・運用ノウハウもある程度蓄積していました。こうしたことから、ダウンサイジングによるシステム構築によって、脱アウトソーシングを実現することを決断し、94年からシステム開発に着手。
「今後10年間の汎用機運用コストとダウンサイジングした場合の減価償却ベースの総コストを比較してみたら、初年度からコストダウン効果がでる事がわかりました」(杉森課長)
ダウンサイジングに際しては、日々、業務処理を行っている重要な基幹系であることから、システムの移行は安全かつ確実に行うことが最大のポイントとなります。しかし、低コスト・短期間での再構築が求められており、開発要員の投入にも制限があるため、上流開発工程や詳細なテスト検証工程はできるだけ省かなければなりませんでした。そのため、まずホスト上にあるプログラムをそっくりそのままダウンサイジングしたサーバに移行するというやり方を採用。これによって、再構築過程におけるさまざまな制約をクリアしようと考えました。
プラットフォームもこうした再構築方針に、できるだけ沿うものであることが必要でした。そこで、「今までのホストと同等の運用稼動時間を確保できること、高い信頼性をもつこと、また現行の6倍程度のデータ量の増加にも現行と同じくらいのレスポンスで対応できるパフォーマンスがあり、容易な開発環境が提供されていること」(土井課長代理)などを基準に、ベンチマークテストに基づいてハードウェア・プラットフォームの選定を実施。
さらに、システムのなかで、最もDBのI/O件数が多い日締めバッチ処理更新が、処理全体のボトルネックにならない工夫も必要でした。そこで、実メモリを積極的に活用することとし、最初にあげた選定要件に加えて64ビットAlpha環境で、VLM(Very
Large Memory)技術を実現しているコンパック(旧DEC)のAlphaServerとORACLE 7の採用を決断。
「当社では、既に10年近くネットワーク環境でコンパック製品を利用していました。分散環境での開発や運用など、コンパックのサポートを高く評価していました。先端技術の実装と行き届いたサポート、これがAlphaServerを選んだ最大の理由です」(土井課長代理) |
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情報システム部
システム推進グループ主任
三好 俊哉 氏 |
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情報システム部
システム推進グループ主任
土師 克仁 氏 |
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汎用系システムの開発では、開発手順も確立されていますが、今回は同社で初めての勘定系システムのダウンサイジングであり、従来のアプリケーション開発とは異なった開発手順を踏むことになりました。つまり本開発に先立って、環境の構築とプロトタイピングによるフィージビリティ・スタディを実施し、各領域の開発の実現性を検証します。その際、開発生産性は開発スケジュール、コストを守る上で重要であり、意識してチェック作業を行っています。
ハードウェア・プラットフォームについても、開発機段階で想定要件と開発ボリュームに見合う機種をまずカタログスペックと公表ベンチマークで比較・選定。そして導入した開発機上で、本番機を想定したプロトタイプ作業を行い、本開発に繋げていったのです。
「勘定系初の分散環境なので、わからないことも多くよく勉強しました。耐障害対策など新しい提案をコンパックから受けて、その必要性を個別に検討、本当に必要なものだけを導入しました」(三好主任)
再構築前のシステムはバッチ処理型システムで、ホスト上で約290万ステップに及ぶCOBOLで開発されていました。機能と仕様を継承するという方針のもと、再構築にあたってもCOBOL資産を再利用することにし、COBOL資産をそのままUNIX上で展開するため機械的にMF-COBOLにポーティングすることで生産性を向上させました。また従来のデータベースは階層型でしたが、各セグメントをコンバートツールを利用して、今回のサーバ上のRDBであるORACLE
7のテーブルへと単純変換しチューニングしました。
「当初はツールの開発などに手間取りましたが、後半は慣れ、生産性も大きく向上しました」(三好主任)
しかし、開発段階では予想もしないトラブルも発生しています。「本番稼動前の実際の業務に準じたテストではエンドユーザが開発陣が考えていない操作を行うなどのトラブルが発生し、困りました」(土師主任) |
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東京センター・マシンルーム内の国際金融業務システム用サーバAlphaServer 4100 |
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外国為替外貨預金システムの通貨別レート照会、本日のバッチ確認照会画面 |
現在、再構築された国際金融業務システムは、DIGITAL UNIX上でクラスタ構成されたAlphaServer 4100×2台をサーバとして、FDDIで接続した三十数台のPCがクライアントとして稼動しています。業務システムのカットオーバは97年6月の外国為替を皮切りに、海外融資、外国株式と続き、99年6月の外国債券ですべて完了する予定です。いずれのシステムも順調に稼動しており、今回のシステム構築での開発ノウハウを蓄積した関連会社であるニッセイコンピュータ(株)に二次開発を委託、その作業も順調に進んでいます。
ダウンサイジングのメリットとして、特にバッチ処理のパフォーマンスが格段に向上しています。
「最も処理量が多く、ボトルネックが心配されていた評価額シミュレーション処理は、毎日1時間かかっていたのが10分程度で完了するようになりました。従来エラーを途中で発見、やり直す場合、大変な時間と労力がかかっていたのですが、やり直しても10分で完了するのですから、業務時間の短縮と効率化への貢献度は極めて高いものがあります」(杉森課長)
こうして、パフォーマンスの発揮、コスト削減効果、業務効率の向上、保守・開発ノウハウの移転と当初の目標を達成、同社初の勘定系システムのダウンサイジングは計画どおり実現しました。 |
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国際金融業務システムのダウンサイジングの成功を受け、同社では今回の開発を資産運用システムの新たなプラットフォームとして位置づけ発展させる計画です。既に、国際金融業務分野では外貨建資産のデリバティブ管理システムについて、開発をスタートしたところです。
また国内分野ではディスクロージャのための実績報告を作成するレポーティング・システムの再構築やALM(Asset Liability Management)について、分散機環境での開発が進むなど、64ビットAlpha環境は同社の標準的なプラットフォームとして位置づけられています。それだけに、今後のコンパックに対する期待も大きなものがあります。
「DIGITAL UNIXとORACLEをベースに、今回の再構築プロセスを標準として、ディスクロージャのためのレポーティングや分析のアプリケーションなどが載ってきています。基幹系のミッションクリティカルな部分まで今後ますます深く関わってくる可能性も高いので、システムの信頼性はもとより、サポート面でも一層の協力をお願いします」(杉森課長)
「高い技術力を中心としたアドバンテージをますます発揮して、当社の業務効率化とコスト低減に力を貸して欲しいと思います」(土井課長代理)
「既にハードウェアベンダとしてだけでなく、開発過程のなかに入り、アプリケーションの中身にまで踏み込んでサポートしてもらっています。今後も同じスタンスでサポートして欲しいと思います」(三好主任)
「IT分野の先端情報の提供をはじめ、さらに積極的な提案をしてもらえればありがたいです」(土師主任) |
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この記事は、旧コンパックコンピュータ株式会社の導入事例です。会社名や製品・サービス名などは当時の情報ですので現在の状況とは違う場合があります。 |
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