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国内最大規模の資産運用システムをクラスタ構成のAlphaServerによって構築。
より高度な投資判断をサポート |
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| 「スミセイ」の愛称で知られる住友生命保険相互会社(以下:住友生命)は、1925年に住友財閥が「日之出生命」を引き継ぐ形で事業を開始しました。住友生命は「シェア向上、順位刷新は至難の業」と言われていた保険業界にあって、戦後11位から3位に躍進を遂げ、現在「お客様から選ばれる会社」の実現を目指し、キャッシュバック・システムの導入など、業界をリードする販売サービス体制の強化に取り組んでいます。同社は、金融業界の自由化の大きな流れのなか、資産運用力が一層重要になるとの判断の下、系列グループのスミセイ投資顧問株式会社に対する資本増強と資産運用人材の集約化を行い、新たに「住友ライフ・インターナショナル・インベストメント・マネジメント株式会社(以下:SLI)」として発足させ、資産運用力の抜本的強化を図りました。同社ではSLIと結んだ資産運用システムをCompaq
AlphaServerを核として構築、より高度な投資判断のサポート、きめ細かなリスク管理、ディスクロージャーの充実などを図っています。 |
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| 東京本社外観 |
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新たなシステム企画や開発を行う東京本社運用企画部フロア業務風景 |
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運用企画部システム推進グループ
部長代理
荒井 建雄 氏 |
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日本版金融ビッグバンとして進められている金融業界の自由化・規制緩和の流れのなかで、98年12月には改正保険業法が施行され、自己責任原則に基づく本格的な自由競争の時代が幕を開けました。
こうしたなかで、住友生命では生命保険会社にとって中心業務である資産運用機能のうち有価証券運用の大半を100%出資の投資顧問子会社であるSLIにシフトさせ、資産運用力の抜本的強化を図りました。
国内最大規模の投資顧問会社として99年1月に発足したSLIは、住友生命グループの有価証券運用専門人材を集約化させるとともに、国内外の運用機関から豊富な経験と実績を有するプロフェッショナルを積極的に登用するなど、高い運用パフォーマンスを狙える強力な有価証券運用体制を構築しています。住友生命は同社本体の有価証券資産約14兆円のうち、運用委託可能な資産の大半にあたる約10兆円についてSLIと契約し、その助言に基づいて運用しています。
長引く超低金利のなかで、生命保険会社にとって資産運用はかつてないほど難しいものとなっています。その結果、厚生年金基金など大口顧客の資金は生保から信託銀行や投資顧問会社に流出する傾向にあります。住友生命ではSLIで資産運用を行うことによって、同業他社はもちろんのこと、他の金融業態や外資と対等に競い、年金基金など大手顧客の一層の獲得を狙っています。
さらに、年金保険や投資信託などのリテール商品、日本版401Kに向けた新商品開発など、運用の功拙が決め手となる商品についても、SLIを中心とした資産運用力を武器に攻勢を強めていく計画です。
「資産運用システムの整備と運用体制の強化による資産運用力の優位性確保は、当社の営業を左右するだけでなく、大競争時代の金融業における勝ち組となる必須条件です」(荒井部長代理) |
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運用企画部
システム推進グループ
副長
岩淵 克己 氏 |
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今回のシステム導入以前、住友生命では94年に、構想から足かけ6年の歳月を費やして構築した資産運用システム「フロンティア・システム」を汎用機上で稼動させていました。フロンティア・システムは、他社からも見学に来るほどの最先端をいくシステムで、ファンドのポジション管理やパフォーマンス分析、リスク分析、シミュレーションなどの機能を備えた堅牢で大規模なものでした。先行事例もなく、同社独自のニーズもあり、すべて自社だけで構築された同システムは、当初はユーザにも非常によく利用されていました。
ところが業務とシステムに関わるノウハウのキャッチアップと蓄積を社内でやり続けていくのは、コストや人材面で非常に難しいという問題が次第に明らかになりました。
「投資理論をシステム部門の担当が自分で理解して、仕様書・説明書を作成しプログラム化していました。ユーザが使う分析ツールのレベルが変わっていくたびに、担当者は、いわば自部門に必要なスキルとは直接結びつかない投資理論をキャッチアップしては業務仕様を理解し、間違いがないかを確認して、システム化しなければなりませんでした。その結果、ユーザ部門の変化のスピードとの間に齟齬をきたしかねない事態が生まれてしまったのです」(岩淵副長)
そこで同社では、変化の激しい金融業界の動きに迅速に対応し、システムの必要性が生じたら即座に検討、システム構築の体制を組み、一気呵成にシステムを開発、稼動させるべく、システムに対する考え方を大きく転換させました。さらにシステム稼動後も、激しい変化に対応、必要とあればシステムの作り直しや変更・拡張が簡単にできるように、柔軟性を持ったシステムとして、最初から構築することが必要であると考えました。
「2000年対応問題もあって、99年中にシステムの更新は行わなければなりませんでした。フロンティア・システムの限界も明らかとなり、次のシステムをどう実現しようかと考えていた矢先に、スミセイ投資顧問の増資と拡充による新しい投資顧問会社SLIの設立という方針が決まりました。そこで住友生命、SLI共通の資産運用システムを新たに構築し、双方で利用しようということになったのです」(荒井部長代理) |
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住友生命東京本社マシンルーム内に設置されたクラスタ構成のCompaq AlphaServer 4100×2台と計算サーバCompaq
DIGITAL Personal Workstation 600au×5台が、資産運用のための膨大な計算をこなす |
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同社では、新たな資産運用システムの全体的な枠組みを、3つの要素に区別して構想しています。 (1)
自社ではデータベースをきちんと構築し、データをユーザが使いやすい形で開放・提供する。
(2) アプリケーションとハードウェア・プラットフォームは社外のベンダを選び、積極的に利用する。その上でユーザが感じる不足な部分は、エンド・ユーザ・コンピューティングでエンドユーザ自らが対応できるようなシステム環境を整備する。
(3) 社外ベンダの提供技能およびエンド・ユーザ・コンピューティングで対応が困難であり、かつ当社独自に必要とされるアプリケーションがある場合のみ、自社での作り込みを行う。
「社外の専門システムで当社が行う資産運用に最適なシステムがないかと検討した結果、XNET(本誌99年1-2月号、24頁参照)の導入を決定しました。XNETシステムは、フロンティア・システムの思想と実現レベルが類似しており、フロンティアで限界とされていた問題箇所もクリアしている点を評価しました。さらにスミセイ投資顧問で既に導入・利用しており、住友生命、SLI共通のシステムインフラとして最小の労力、コストで最大の効果が期待できるとの判断のもと、当社及びSLIに導入しようという結論になりました」(荒井部長代理)
続いてプラットフォームは、AlphaServerに決定。同社ではフロンティア・システムの限界が明らかになってきた2年ほど前、情報系システムのコンペを行ったことがありました。比較検討の結果、サーバとして内定したのはコンパック(当時DEC)でした。
「当社ニーズに対する理解が早く、提案もアプリケーションの詳細を作り込まず、ツールの組み合わせで行うという適切で優れた内容でした。SI部門の能力は非常に高いレベルにあると総合的に評価しました。今回、XNETはCompaq
Tru64 UNIX以外のプラットフォームがなかったことも事実ですが、コンパックに対する技術的な信頼度と評価はそれ以前から高かったのです」(岩淵副長)
今まで同社ではコンパック製品を導入した経験はありませんでしたが、他の金融機関で多数利用されている実績があることから、コンパックが金融アプリケーション分野では高い技術力とソリューションを持っていると考えていました。 |
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運用企画部
システム推進グループ
部長代理
花房 美徳 氏 |
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今回のシステムは、住友生命とSLIで残高やパフォーマンスなどの基礎となるファンドデータをXNETデータベースとして共通で保持し、それらをXNETアプリケーションや外部ベンダの分析システム、EUCツールにより利用・分析する方法を採用しています。
「SLIと当社は投資会議を定期的に開催し、運用成果に関するディスカッションを行っていますが、その時の分析のもとになるデータはXNETのデータベースで管理されています。両社がXNETを共通のインフラとすることにより、運用成果に対する委託者、受託者双方の立場での分析、意思交換がよりスムーズに行えるのです」(荒井部長代理)
今回のプロジェクト全体は、XNETシステムの導入だけでなく、SLIという会社を一から立ち上げるのに必要なシステム装備を限られた期間のなかで全て整えるという、非常に大規模かつ困難なものでした。
「SLIの開業は99年1月と決まっていたので、半年もない短い期間のうちに、施設のインフラ、全体のネットワーク構築、XNET他、業務システムの導入などを同時に進めなければならず、関係者も多いので調整に苦労しました。情報システム部指揮のもと、スミセイコンピュータサービス他、協力会社が正月返上で作業をしてくれたおかげで何とかSLI開業に間に合わせることができました」(荒井部長代理)
「XNETシステム導入だけに限ってみても、運用や運行監視といった基盤の開発、ホスト勘定系システムからのデータ連動の検証、XNETバッチの作成とそれぞれの開発部隊が本番マシン上で並行して、開発作業を進めていきました。何しろ期間が短いので、検収に追われ綱渡りでの作業の連続でした」(花房部長代理)
もともとXNETはワークステーション単体のスタンドアローンがベースのシステムです。ところが同社のXNETシステム構築は、従来のXNETユーザとは比較にならないほど桁違いで大規模なため、クライアント/サーバ形式を採用することになりました。また同社の場合、ファンド数・銘柄数が非常に多く、しかも約定ベース厳密法で有価証券の時間加重収益率をファンド別資産別に確定までの4日間分過去に遡って日々再計算しています。そのためシステム内の計算負荷が極めて高くなります。
それら一連の処理を高速かつ可用性を維持しつつ行うため、クラスタ接続のAlphaServer 4100をサーバとして導入。さらに、夜間で一連の計算処理を完了し、翌朝からはユーザがデータを自由に使えるように、計算処理を切り分け、専用の計算サーバとしてCompaq
DIGITAL Personal Workstation 600au×5台を東京本社ビルに、6台を品川インターシティビルのSLI本社に設置。
今後業務要件に応じてファンド数が増加したり、分析切り口によって計算が飛躍的に増え、計算パワーが不足する場合でも計算サーバを追加していけば対応できるので、システムを根本的に構築し直す必要はありません。
「XNETはパッケージなので、内部のチューニングがあまりできません。このためAlphaServerのフル64ビットのパワーとパフォーマンスでカバーしようという計画でした」(岩淵副長)
「AlphaServerは予想どおり、良好なパフォーマンスを発揮しています。遡及修正は今回初めて業務として取り入れたのですが、従来であれば汎用機を使ってやっと処理していたような巨大なパワーが必要とされる処理だと考えています」(花房部長代理) |
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通常のシステム開発では考えられないスピードで構築を完了したXNETシステムは、現在安定的に稼動し、資産運用システムとしてフルに利用されています。
「AlphaServerは安定していますし、パフォーマンスも良好です。以前のシステムと比較して、担当スタッフは10分の1になるなど運用メンテナンス・コストも劇的に低減しました」(荒井部長代理)
「コンパックには開発段階から当社の事情を理解していただいて協力してもらいました。テスト用マシンが欲しいというとすぐ手配してくださったり、対応も非常に迅速でした」(花房副長)
「コンパックは当社と肌合が合うというか、ベンダだからと一線を画すようなことがありませんでした。問題が生じた際も、プロジェクトをやり遂げるという共通認識のもとこちらの立場に立った、正に親身な対応をとっていただきました」(岩淵副長)
コンパックのシステムを導入したのは今回が初めての同社ですが、コンパックへの期待を語っていただきました。
「とりわけ、資産運用分野ではITそのものが競争力を左右するといわれています。当社の業務のために必要な具体的で踏み込んだ提案をさらに行って欲しいと思います」(荒井部長代理)
「生保・金融関連以外の他業界の情報も積極的に提供していただきたいと思います。自分たちでは気づかないことでも、参考になる事例があると思うのです。また現在EV5のAlpha CPUを使っていますが、これがEV6、EV7と進化していきます。CPUを換える際には載せ換えの手間や費用がユーザ・サイドの高負担にならないように考えていただきたい」(岩淵副長)
「今回のシステムはユーザ部門が所管しています。UNIXシステムは変化のスピードが速いので保守サポート面での支援をお願いしたいと思います」(花房部長代理)
同社ではXNET以外にも資産運用関連のシステムがありますが、システムごとに基盤が異なるため、ユーザは別々の端末で異なった操作を行い、データにアクセスしています。そこで最近、XNETシステムの基盤上に異なるシステムのデータを統合する新しいプロジェクトを開始しました。データを統合し、共通のツールを利用することにより、ユーザはシステムの違いを意識することなく同じ操作でデータベースにアクセスし、必要なデータを得ることができるようにするものです。同社ではこれを新資産運用情報系システムとして、既存のAlphaServer
8400に同モデルを1台追加してクラスタ構成として利用する計画です。
従来、勘定系と情報系システムはそれぞれ別個に存在してきました。しかし会計制度をグローバル化させる大きな流れのなかで、勘定系も時価会計と約定主義を採用することが予定されており、必要とされるデータという観点からは勘定系と情報系の境目がなくなってくる事態が予想されます。1〜2年後にも到来するそうした局面に備えて、同社では抜本的な対応策の研究を始めています。そのような状況のなかで、コンパックの金融ソリューションに対する期待もますます大きくなることでしょう。 |
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この記事は、旧コンパックコンピュータ株式会社の導入事例です。会社名や製品・サービス名などは当時の情報ですので現在の状況とは違う場合があります。 |
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