新基盤の構築は、みずほフィナンシャルグループのシステムインテグレーター、みずほトラストシステムズが担当した。実際の作業は、リスク分散のため大きく3つのフェーズに分けられ、段階的に進められていった。第1フェーズは年金や投信のカストディーなどの商品系システム、第2フェーズはよりクリティカルな決済系システム、最後の第3フェーズは運用監視系システムである。
第1フェーズは、2010年10月にスタート。クライアント側のモジュールをアップデートし、その動作確認をした後にサーバーの移行を実施。2011年の12月に 行った移行作業では、事前に周到な準備を重ねたという。
「人的ミスをなくすために、何度も移行手順を訓練しました。お陰様で障害ゼロでした」(みずほトラストシステムズ 業務総括部次長 大津 州平 氏)
システム移行作業では、HPのエンジニアチームの貢献が大きかったという。
「独自開発のミドルウェア群も移行したのですが、他のハードベンダーだとこういう自社ミドルウェアはサポートしないところが多い。しかし、HPのエンジニアは我々と同じ現場目線で全面的に協力してくれたのです」
現在は、この第1フェーズの成果を踏まえ、2012年10月のリリースをめざして、よりクリティカルな決済系の第2フェーズの基盤構築が進められている。すべてのシステムが移行完了するのは、2013年の8月頃だという。
システムの概要を見てみよう。
第1フェーズと第2フェーズのメインマシンとしては、24コアCPUのHP Integrity Superdome 2が使われた。単一のHP-UX上にTCSB独自開発のミドルウェア群NICE(New Information System Concept on Evolutional Open Technology)が搭載され、その上で年金や投信など多くの業務アプリケーションが稼動している。
「NICEはメインフレームからのダウンサイジングの際に整備されたもので、メインフレームの技術を オープン環境で活かす仕組みです。HP-UXを基盤とすることで、実績のあるソフトウェア資産を継承できました」(みずほトラストシステムズ PT総括部調査役 山中 俊明 氏)。
第2フェーズの外部インターフェース系と第3フェーズの運用監視系では、HP BladeSystem(HP Integrityサーバーブレード)が用いられている。従来のラックマウント型サーバーを2つのブレードエンクロージャーに集約することで、 省スペース化とコスト削減を実現したという。
「ケーブリングもすっきりして、保守性も上がりました」(山中調査役)
もちろん、すべてシステムはクラスター化され、さらにバックアップセンターに待機系システムも準備されている。サーバー本体に加え、二重三重の冗長化を行なうことで、非常に高度な信頼性を確保しているのである。 |