栗原:ところで、今までに挙げられてきた機能はクラウド・コンピューティング的な要素が強いとも言えそうですね?
山中:おっしゃるとおりで、まさに今回発表のHP Integrityサーバー、特に、Superdome 2は企業のプライベート・クラウド向けソリューションと位置づけています。
栗原:「プライベート・クラウド」という用語については業界でも多少の異論があるようですが?
山中:確かに「プライベート・クラウド」のテクニカルな定義を考えた場合どうなのかという議論は正直あったのですが、当社のソリューションの価値を日本のお客様に訴求しやすいキーワードであるということで利用することにしました。
一般にクラウドの最大の価値はその柔軟性にあるとされています。たとえば、オンデマンドの処理能力拡大や従量制料金などです。企業向けのプライベート・クラウドには、これらの柔軟性に加えて一般的なパブリック・クラウドよりもはるかに高い堅牢性が求められていると考えています。
栗原:堅牢性と柔軟性を兼ね備えたIT基盤ということですね?
山中:はい、従来以上の堅牢性に仮想化テクノロジーを中心とした柔軟性を付加していくことが重要と考えています。堅牢性と柔軟性は二律背反ではないと考えています。その結果得られるシステム基盤を当社では「ミッションクリティカル・クラウド」と言う言葉で表現しています。企業の最重要業務を支えるためには、要件の緩やかな通常型のクラウドとは別にミッションクリティカル・クラウドが必要であると考えています (図5参照)。Superdome 2はまさにその目的に応えられるIT基盤です。
図5:2つの「雲」:ミッションクリティカル・クラウドの必要性
栗原:柔軟性については先ほどのHP Converged Infrastructure、そして、iCAPのご説明で出てきたと思うのですが信頼性についてはどうでしょうか?ハイボリューム・サーバーの信頼性も急速に向上していますが、依然としてハイエンドサーバーの信頼性上の優位性はあるのでしょうか?
山中:確かにハイボリューム・サーバーの信頼性でも必要にして十分なケースは増えていると思いますが、それでもSuperdome2に代表されるHP Integrityサーバーは一歩先を行なっていると考えています。
まず、ハードウェア、ソフトウェア、そして、ファームウェアにおける様々な問題を最小化するためは検証のために十分な期間が必要です。製品のライフサイクルが速いハイボリューム・サーバーはこの点では不利です。Superdome 2について言えば、2007年度から約4,000台のマシンをテストのためだけに製造し、十分なテストを行なってきています。
また、テクノロジー面では、
インテル® Itanium® プロセッサー自身の信頼性向上機能に加えて、当社のハードウェア設計テクノロジーも信頼性向上に大きく貢献しています。たとえば、障害を局所化するために、全体共有部分であるバックプレーンから、障害が発生する確率が高い部品類をすべてモジュール化して分散配置を行いました。これにより、筐体全体が停止してしまう障害のMTBF (平均故障間隔:Mean Time Between Failure)を1,000年以上に引き上げることに成功※しました。また、従来はバックプレーン上に存在していた、複数のCPUを接続するための機構、一般的にはクロスバーと言われる物ですが、これもモジュール化を行い、背面から動作中にも交換が可能となっております。
※Superdome 2の複数パーティション(nPars)環境において筺体全停止を引き起こす可能性としてのMTBFの設計目標値は、
1000年以上に設定されています。(本情報は、設計目標値であり、保証するものではありません。)
写真1:全く余計な部品のないバックプレーン
“パワーオンワンス” ── つまり導入時に一度電源を入れれば、その後は保守や修理のために電源を落とす必要がないという状況が実現可能です。これが、企業のお客様の最重要業務を支えるために必要なレベルの信頼性と考えています。
写真2:クロスバーのモジュール化
栗原:今後もHP Integrityサーバーの製品ラインはますます強化されると期待してよいですね?
山中:もちろんです。今申し上げましたとおり、ハードウェア・テクノロジー的には特に信頼性・堅牢性の面で優位性がありますし、HP-UXのソフトウェア資産もあります。HP-UXの各バージョンの長期的サポートはHPの重要な価値提案のひとつであり、お客様にも高く評価されています。そして、何よりもお客様からの堅調な需要があります。HPはその声に応えていきます。
栗原:本日はどうもありがとうございました。
山中:こちらこそ、ありがとうございました。
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