現在のITシステムにおいては、データベースは単なるデータの保管場所ではなく、ビジネスや製造などあらゆる種類の最新情報が収集され、業務遂行のために情報の分析・加工が行われる最も重要なコンポーネントとなっています。このため、データベース・サーバにはWebサーバやアプリケーション・サーバとは異なった非常に高いレベルの可用性が求められます。企業の業務システムのようなミッションクリティカルな環境では、2台以上のデータベース・サーバを用意し、1台がダウンした場合でも他のサーバが肩代わり(フェイルオーバー)する「高可用性クラスタ」を構築することで、高いレベルの可用性を構築するケースが増えています。
データベース・サーバに必須の高可用性を実現するクラスタシステムですが、その構築は単一のサーバに比べて複雑であり、構築の各段階において様々な課題が存在します。設計段階ではインフラからアプリケーションまで含めたシステム全体を見通すスキルが要求されます。構築段階ではサーバ、OS、データベース、ミドルウェアなど多様なコンポーネントを組み上げるための膨大な調整が必要です。更に試験段階では多数のコンポーネントに対して、あらゆる事態を想定したテスト項目を検討しなければなりません。運用段階では運用スタッフへのトレーニングや多量のドキュメントが要求されます。これらの課題は全てTCOを増大させる要因となります。安易にクラスタシステムを導入すると、導入コストが増大するばかりでなく、十分な可用性を実現できないシステムを構築してしまうことになりかねません。 |