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2012年5月23日(水)、来日した米HPのビジネスクリティカルシステム(ミッションクリティカル分野向けサーバー)のチーフ・テクノロジストであり、HP BladeSystem開発にも携わり、HPフェローでもあるバイス・プレジデントのカーク・ブレスニカ(
Kirk Bresniker 
)に、ミッションクリティカル分野のキーワードの「Project Odyssey」とHP-UXの将来について、インタビューを行いました。前編では、HPが提唱するミッションクリティカルコンピューティングの将来のビジョンについてご紹介します。
── まず初めにお聞きしたいのですが、「Project Odyssey」とはどのようなものでしょうか?
カーク・ブレスニカ(以下、カーク):昨年11月に発表しました「Project Odyssey」は、HPが提唱するミッションクリティカルコンピューティングの将来のビジョンであり、従来までのミッションクリティカル戦略を拡充するものです。
── 拡充とはどういうことなのでしょうか?
カーク:これまでHPでは、企業の勘定系システムや、オンライン受発注システムなどの止まることにより、ビジネスに大きな影響を与えるシステム向けに、HP-UX、NonStop、OpenVMSといったプラットフォーム上で高信頼のシステムを提供してきました。しかし、高信頼のシステムの要求は、近年大きく広がりを見せています。
例えばメールシステムが停止することにより、ビジネスに大きな影響を与えてしまうことが多くなってきています。また、工業製品のデザインを行うためのシミュレーションシステムは、結果を算出するのに数週間かかるといった例があり、途中でその計算が止まれば、開発スケジュールに大きな影響を与えてしまいます。ビジネスの中にITがあるのではなく、ビジネスとITが密接な関係になってきているのです。
従来までのミッションクリティカル・システムとは異なる、高信頼性を要求されるビジネス・アプリケーションはx86 + Linux/Windowsプラットフォーム上で稼動していることが多く、「
Project Odyssey 
」はこの新しいミッションクリティカル市場向けの製品を拡充する開発プロジェクトなのです。
図1:ミッションクリティカル市場の変化
── HP-UX、NonStop、OpenVMSからx86+Linux/Windowsへ移行することなのでしょうか?
カーク:HP-UX、NonStop、OpenVMSの従来のミッションクリティカル環境は、今後も長期間にわたってこれらのプラットフォームとオペレーティング環境双方への投資を継続していく予定です。そのため、お客様は既存のビジネスやアプリケーションのほか、さまざまなデータ処理環境でHP-UX環境を引き続き使用できます。HPでは、継続的なイノベーションやベーステクノロジーの変更、オペレーティング環境のコアのイノベーションにとどまらず、それらを取り巻くソフトウェアやプラットフォームのイノベーションを行って、異機種混在データセンター環境での互換性の向上と実装の簡素化を進めていく予定です。
一方、「Project Odyssey」は、x86市場にミッションクリティカルコンピューティングを拡張する新発表の製品なのです。
── 「Project Odyssey」では、具体的にどのような製品が開発されているのでしょうか?
カーク:「Project Odyssey」の開発製品は、2種類のプラットフォームで構成されています。
1つは「DragonHawk」というコードの開発製品で、インテル® Itanium® プロセッサー搭載のHP Integrity Superdome 2のエンクロージャー内で稼働する、x86系のインテル® Xeon® プロセッサー E7ファミリー搭載の専用ブレードサーバーです。
もう1つは「HydraLynx」というコードの開発製品で、現在HPが提供しているブレードサーバー用エンクロージャー「HP BladeSystem c-Class」内で稼働するインテル® Xeon® プロセッサーE7ファミリー搭載のブレードサーバーです。
図2:「Project Odyssey」の開発プラットフォーム
共に、現在提供しているそれぞれのエンクロージャー内で稼働し、さらにはHP-UXとの混在環境も可能です。Superdome 2のエンクロージャーでは300Gb/秒以上の転送速度を誇るクロスバー・ファブリックが利用でき、電気的分離を行う物理パーティション(nPartition)も利用可能となります。これにより、マルチテナント性が求められる分野でも、ミッションクリティカル・システムを効率的に統合できます。
── 現在HPが提供しているx86サーバーと何が異なるのでしょうか?
カーク:「Project Odyssey」の開発製品は、ハードウェアの堅牢性と共に、Linux、WindowsといったOS上で高信頼な環境を提供します。Linuxベースで独自の高信頼OSを開発するのではなく、オープンソースとしてLinuxの信頼性を高めます。また、Windowsはマイクロソフトと協力して信頼性を高めるテクノロジーを開発して提供する予定です。
また、「ミッションクリティカル・システム・ソフトウェア」という新たなテクノロジーを開発しています。これは、プラットフォーム組み込み型のソフトウェア(ファームウェア)で、堅牢性が格段に向上しているほか、より包括的な内容になっており、HP-UX、OpenVMS、NonStopで提供している機能の大半を継承します。このソフトウェアはファームウェアとして提供される他、各オープンソースのコミュニティを通しての提供を予定しています。
さらに、Serviceguard for Linuxなどの「ミッションクリティカル・インフラストラクチャ・ソフトウェア」を導入します。最終的には、これらに加えて全プラットフォームを補完する新たなサービスの導入も予定しています。
つまり、プラットフォームに加えて、ミッションクリティカル環境向けのソフトウェア、オペレーティング環境、ソフトウェア、サービスの提供を目指して、x86をベースとした大規模なイノベーションと開発を行います。
図3:「Project Odyssey」の構成要素
── 「Project Odyssey」の開発状況は、いかがでしょうか?
カーク:大変順調に進んでいます。前述のように、「Project Odyssey」には数多くの要素がありますが、これらはつまるところHP-UX、OpenVMS、NonStopへの継続的な投資を意味します。これらはすべて順調に進んでおり、次世代インテル® Itanium® プロセッサー(開発コード: Poulson、以下Poulson)搭載のプラットフォームのリリースで大きな成果を期待できます。まずHP-UXに対応し、続いてNonStopとOpenVMSを対応していく予定です。また、「DragonHawk」および「HydraLynx」についても順調に進んでいます。
「Project Odyssey」のマイルストーンの第1段階は、Serviceguard for Linuxの発表とリリースです。これは今年中頃を予定しており、それに続く拡張リリースは今年中に行われる予定です。これはあくまで「Project Odyssey」スタックの第1段階にすぎませんが、お客様には、高可用性のミドルウェアがLinux環境をどのように補完するかを確認し、実感していただけることと思います。
Serviceguard for Linuxは以前にもご提供していましたが、今回再リリースするものは、必ずやお客様に高く評価していただけると確信しています。8ソケットのHP ProLiant DL980 G7を筆頭に、他のHP ProLiantサーバーで利用でき、Linuxのマルチリリースにも対応していきます。
※本内容は、全てインタビューのものであり、内容に変更がある場合がございますので、予めご了承ください。
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