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金融業界はリテールバンキングへ、他業種との連携へとシフトする
  DWHのエンジン「HP Open Bank」
  エンタープライズDWHソリューション
「HP Neoview Platform」

「金融リテール戦略2006〜大編成時代の戦略とIT活用〜」と題されたコンファレンスが12月7日と8日の2日間、都内六本木アカデミーヒルズにて開催された。
最終日の12月8日には、日本ヒューレット・パッカード テクノロジーソリューション事業統括本部 本部長
浅野 勉が講演し、『リテールバンキングを推進するエンタープライズDWH(データウェアハウス)ソリューション』と題するその講演の中で、2006年10月に発表されたHPの新機軸プロダクト「HP Neoview」も合わせて紹介した。


日程 : 2006年12月8日(金)
会場 : 六本木アカデミーヒルズ40F
主催 : 日本経済新聞社

金融業界はリテールバンキングへ、他業種との連携へとシフトする

金融業界の最新トレンドについて概観すると、銀行業界全体として大企業や富裕層顧客のみに注力をする従来のやり方から、最近では一般個人(リテール)や中小企業を対象とする小口金融により注目が集まっていると言われている。つまり、銀行としてより高い収益を求めるために、住宅・教育・カードなどのローンのほか、中小企業の運転・設備資金の融資などにも幅広く対応することとなり、銀行業界は世界規模で従来のホールセール(卸売)バンキングからリテールバンキングへと、業務の比重を移す傾向にある。

実際に、欧米の金融機関を見てみると、個人向けの商品に力を入れている銀行の収益性が高い。たとえば、米国のWells Fargo、Bank of America、Citigroup、JPMorgan Chaseなどでは、顧客ニーズに合わせて商品数が増えると収益性もかなり上がっている。ひとつの商品に関連して別の商品を販売する、いわゆるクロスセリングなどを積極的に推進している銀行はこの傾向が強い。ところが、世界的に見て日本の銀行の収益性は、現時点ではそれほど高くない。

この状態を打開し、日本の金融機関の収益率を上げるには、ただ欧米型のやり方を採用するだけではなく、日本独自の市場動向を視野に入れた戦略が必要となる。そのためのキーワードは「他業種との協業と競合」である。たとえば銀行単独の商品のみではなく、グループ内の商品である、投資信託、証券商品、変動保険、クレジットカード、カードローンなどのあらゆる金融商品の販売促進を的確に進めていく必要がある。また、顧客の動向をつかんで、アライアンス(提携、連合)の会社と共に一人の顧客に販売する商品点数を伸ばしていくことが重要である。

実際に、最近よく目にする例としてFeliCa対応の携帯電話「おサイフケータイ」による買い物、インターネットショッピング、JRのSuicaによる運賃自動支払い、セブン銀行(旧:アイワイバンク銀行)のようなコンビニATMなどがある。これらは、通信、携帯電話、クレジットカード、コンビニなど複数の業種が絡んだ商品であり、こういったコラボレーションが非常に進んでいるのが欧米とは異なる日本の現状である。


既存のデータウエアハウスでの問題とその理想形

これらの個人向けサービスを支えるものとして、データウエアハウス(以下、DWH)システムが存在する。DWHは、膨大なデータを高性能コンピュータで分析し戦略的な営業活動に結びつけるシステムで、これまで金融業界でも広く採用されてきた。

従来型のDHWシステムでは、一日の間に逐次変化する顧客情報の分析を行うには限界を持っている。オンライン検索中のDWHへのデータ更新に制限を持つシステムであるため、当日の履歴データはオペレーショナル・データ・ストア(以下、ODS)等に蓄積され、夜間に検索系のDWHに変換して渡すなどの処理が発生する。こうした運用では刻々と変化していく顧客情報の即時処理ができない。

また、従来型のDWHシステムでは、混合ワークロードをコントロールする仕組みが弱いために、結局複数のデータウェアハウスを許したり、目的別データマートを生みやすい傾向にある。セントラルDWHの他に、日中のデータを蓄積するためのODS、顧客対応専門の即時検索データベース、部門ごとに切り分けられたデータベースと4つものデータベースが存在すれば、システム全体の運用コストも大幅に増加する。また、従来のDWHエンジンでは、オンライン検索中のデータ更新には制限がある仕組みになっていることが多い。

典型的なDWHシステム
図 1:典型的なDWHシステム

金融系の情報処理ではレスポンスは生命線であるが、DWHにデータを蓄積すべきチャネルの数も、インターネットや携帯端末の爆発的な普及により増加傾向にある。「銀行支店窓口からの問い合わせに直ちに応答したい」「ATM利用時に顧客に合わせたメッセージを表示したい」「Webブラウザでのクリック記録を分析したい」「携帯端末の利用形に合わせたコンテンツを提供したい」といったニーズに応えることが、金融機関のサービスクオリティと利益率の向上に直結する。

トランザクションが発生するたびにリアルタイムに時系列でデータベースが更新され、常に鮮度の高いデータを検索・分析できるDWHシステムが今後重要になってくる。また、金融系企業の投資についても、従来では、経営管理、販売支援、営業支援、マーケティングなど部署ごとの業務課題が投資対象だったが、今後は顧客を中心して他部門、他業種が様々に関係するため、巨大なデータベースを即時に多角的に分析できることが求められる。DWHはデータを持っているだけでは収益を生み出さない。どこまでの分析が必要かを明確化し、それに応じた情報処理システムを持つことが重要である。

加えてDWHの理想的な形について重要なのは、パフォーマンスと可用性(アベイラビリティ)。端的に言うと、安価なコストで24時間365日ノンストップで稼動し、検索を行うと即座に答えを出してくれることが、これからのDWHに求められる要素である。

 
 
     
 
「FeliCa」は、ソニー株式会社が開発した非接触ICカード技術方式です。「FeliCa」は、ソニー株式会社の登録商標です。
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