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金融業界の最新トレンドについて概観すると、銀行業界全体として大企業や富裕層顧客のみに注力をする従来のやり方から、最近では一般個人(リテール)や中小企業を対象とする小口金融により注目が集まっていると言われている。つまり、銀行としてより高い収益を求めるために、住宅・教育・カードなどのローンのほか、中小企業の運転・設備資金の融資などにも幅広く対応することとなり、銀行業界は世界規模で従来のホールセール(卸売)バンキングからリテールバンキングへと、業務の比重を移す傾向にある。
実際に、欧米の金融機関を見てみると、個人向けの商品に力を入れている銀行の収益性が高い。たとえば、米国のWells Fargo、Bank of America、Citigroup、JPMorgan Chaseなどでは、顧客ニーズに合わせて商品数が増えると収益性もかなり上がっている。ひとつの商品に関連して別の商品を販売する、いわゆるクロスセリングなどを積極的に推進している銀行はこの傾向が強い。ところが、世界的に見て日本の銀行の収益性は、現時点ではそれほど高くない。
この状態を打開し、日本の金融機関の収益率を上げるには、ただ欧米型のやり方を採用するだけではなく、日本独自の市場動向を視野に入れた戦略が必要となる。そのためのキーワードは「他業種との協業と競合」である。たとえば銀行単独の商品のみではなく、グループ内の商品である、投資信託、証券商品、変動保険、クレジットカード、カードローンなどのあらゆる金融商品の販売促進を的確に進めていく必要がある。また、顧客の動向をつかんで、アライアンス(提携、連合)の会社と共に一人の顧客に販売する商品点数を伸ばしていくことが重要である。
実際に、最近よく目にする例としてFeliCa※対応の携帯電話「おサイフケータイ」による買い物、インターネットショッピング、JRのSuicaによる運賃自動支払い、セブン銀行(旧:アイワイバンク銀行)のようなコンビニATMなどがある。これらは、通信、携帯電話、クレジットカード、コンビニなど複数の業種が絡んだ商品であり、こういったコラボレーションが非常に進んでいるのが欧米とは異なる日本の現状である。
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