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第3のプラットフォーム、「新基幹系サーバ」の新潮流

第1回

HP Integrity NonStop サーバ

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第3のプラットフォーム、「新基幹系サーバ」の新潮流 HP Integrity NonStop サーバ

企業の生命線ともいえる基幹系システム、これまでメインフレームの牙城と思われていたこの分野で、新たなプラットフォームを採用する動きが急速に広がっている。メインフレームを超える高信頼性とUNIXクラスタと同レベルもしくはそれ以下の低コスト、さらにオープン性を実現した第3のプラットフォーム「新基幹系サーバ」である。ここでは、新基幹系サーバのなかでも高信頼性と実績で他をリードするNonStopサーバにフォーカスし、ハイエンド・サーバ市場における新潮流を紹介する。
HP Integrity NonStop サーバ コラム
  第3のプラットフォーム、
「新基幹系サーバ」の新潮流-第1回
auやNASDAQが導入する"新基幹系サーバ"とは
 
"無停止"を支えるアーキテクチャ
"オープンな基幹系"の登場
  第2回
  第3回
テクニカルライター 吉川 和巳

auやNASDAQが導入する"新基幹系サーバ"とは

 
 



NonStop S series
 

HP NonStopサーバ
   Sシリーズ

 
「au」の携帯メールサービス、NASDAQの証券取引、そしてVISAカードの 電子決済。これら世界最大規模の基幹系システムを支えるプラットフォームは、メインフレームでもなければオープンシステムでもない。いずれも、「メインフレームを超える信頼性とスケーラビリティ」、そして「オープンシステムと同等のコストとオープン性」を両立させた、“新基幹系サーバ”と呼ばれるプラットフォームによって構築されている。  
新基幹系サーバは、ハイエンド・サーバ市場におけるひとつの大きな潮流となりつつある。調査会社ガートナージャパンが2005年3月に発表したレポートでは、国産メインフレームの減少と前後して新基幹系サーバの台頭を指摘。これにより、ハイエンド・サーバ市場の競争はさらに活発化すると予測している。また新基幹系サーバへの移行は、我々の身近なところでも水面下で進みつつある。例えばKDDI株式会社では、携帯電話サービス「au」の新メールシステムとして無停止型超並列サーバ「HP Integrity NonStopサーバ」を導入し、2003年に稼働を開始した。このNonStopサーバは、いわゆるx86サーバやUNIXサーバに分類される製品ではなく、無停止型のITシステム構築のために設計された新基幹系サーバだ。上述した米国NASDAQやVISAの基幹システムを支えているのも、同じくNonStopサーバである。

価格性能比はメインフレームの数倍〜10数倍

新基幹系サーバの最大の特徴は、UNIXサーバによるクラスタと同レベル以下のコストで、メインフレームを上回る信頼性を実現する点である。例えばあるベンダーでは、受発注や棚卸しといった業務を再現するテストアプリケーションを作成し、同社のNonStopサーバとメインフレーム上で実際に動作させることで性能比較を実施した。その結果、同サーバはメインフレームの数倍〜10数倍の価格性能比を達成することが明らかになった。
 
 

Integrity NonStop NS16000

 

HP Integrity NonStop サーバ NS16000

 
   
  実際のところ、NonStopサーバの導入コストは、ハイエンドのUNIXサーバで高可用性クラスタを構築する場合とさして変わらない。しかしメインフレームクラスの高信頼性をUNIXサーバで達成するには、Oracle RACやOPSのようなデータベース並列化をはじめ、クラスタウェアによるフェイルオーバーなど、高度で複雑なシステム・インテグレーションが不可欠だ。一方、NonStopサーバでは、高可用性機能やデータベース並列化がはじめからプラットフォームに組み込まれている。つまり、「UNIXクラスタの価格」で「メインフレームの可用性」が得られるわけだ。ミッションクリティカル分野で新基幹系サーバの導入が急速に進む背景には、こうした理由がある。

メインフレームを超える信頼性

とはいえ、そうした低コストで本当にメインフレームを代替できるほどの高信頼性を達成できるのだろうか。例えば某家電メーカーでは、1日100万件のOLTP業務が集中する家電製品の受発注システムをNonStopサーバで構築した。このシステム開発を担当した同社のシステム担当者は、同サーバの信頼性について次のように述べる。「受発注システムのプラットフォームには、迷うことなく選択すべきマシンがあった。実は1992年からフロントエンド部分のサーバには旧タンデムのNonStop CLXを採用し、のちに全社のメールサーバにもタンデム機を導入していたことから、その信頼性と耐障害性を十二分に実感していた。ノンストップ・システムとしての再構築を考えたとき、NonStopサーバ以外の選択肢は考えられなかった」。  

また、世界の旅行業務シェアの36% を占め、年間4億3千万件の予約業務を処理しているセイバー・ホールディングスでは、2000年よりメインフレームからNonStopサーバへの全面移行を開始。このマイグレーションを担当したバイスプレジデント、アラン・ウォーカー氏は、NonStopサーバとメインフレームの信頼性の違いを次のように説明する。「NonStopサーバのOSは、メインフレームのOSより信頼性が高いと思う。導入の初日から今までシステムがダウンしたことはなく、文句の付け所がない。これまでシステム上で発生した若干の問題は、いずれもアプリケーション側に起因するもの。そうしたとき、メインフレームではOSがクラッシュすることもあったが、NonStopサーバをクラッシュさせる方法はまだ見つけていない(笑)」。

"無停止"を支えるアーキテクチャ

NonStop サーバの信頼性が、上述したようなきわめて高い評価を得ているのはなぜか。それは、同サーバを構成するハードウェアとソフトウェアのすべてが、無停止型システムを実現するためにゼロから設計されているからだ。例えば、インテル® Itanium® 2プロセッサーを搭載した最新版であるHP Integrity NonStop NS16000サーバでは、NSAA(NonStop Advanced Architecture)と呼ばれる高信頼性アーキテクチャを採用。最大16個の論理プロセッサーからなる疎結合プロセッサーを構成し、それぞれの間で完全なデータ整合性を保証している。また各ノードは2重化されたファブリックのNonStop ServerNetクラスタを使用して接続される。プロセッサー、ディスク、I/Oコントローラ、電源など、どのコンポーネントが障害によってダウンしても、瞬時に正常なコンポーネントにトランザクションが引き継がれ、処理を継続することができる仕組みだ。さらにNSAAでは、3重冗長化によりきわめて高レベルの耐障害性を実現するTMR(Triple Module Redundancy)をサポートしており、たとえ1枚のプロセッサーモジュール全体が故障したとしても、アプリケーションの連続運用が可能になっている。
 
図2:プロセッサーTMRの構成
図2:プロセッサーTMRの構成

超並列処理によるスケーラビリティ

また、セイバーをはじめ、NASDAQやVISA、KDDIといった、とりわけ膨大なトランザクションを扱う分野でNonStopサーバが選ばれる理由は、そのユニークな超並列処理アーキテクチャにある。NonStop サーバは、各プロセッサーがそれぞれのメモリ、ディスク、I/Oを所有する非共有方式(シェアード・ナッシング方式)を採用しており、最大4,080個のプロセッサーを接続できる超並列処理(MPP)アーキテクチャを実装している。実際に、国内でも1,000プロセッサー以上で構成される導入事例もあるという。

 NonStopサーバでは、ポピュラーなデータベース製品であるOracleではなく、NonStopサーバの真価を引き出すことのできるNonStopサーバ専用のデータベース製品であるNonStop SQLが用いられる。
なぜなら、Oracleの並列化オプションであるRACやOPSでは、クラスタを構成する複数のサーバからディスクを共有するシェアード・ディスク方式を採用しているからだ。この方式では、すべてのデータが共有ディスクに集中するため、ある規模に達すると性能が頭打ちになる。これに対し、NonStopサーバではシェアード・ナッシング方式で実装された超並列型のリレーショナル・データベースであるNonStop SQLを提供。必要に応じてプロセッサーやディスクを追加することで、まさしく際限のないリニアな性能向上が実現する。

この超並列処理の恩恵を巨大システムの構築に生かしているユーザ企業も多い。例えば国内の某携帯電話会社では、330万ユーザを対象とした課金業務をリアルタイムに処理する料金計算システムの構築にNonStopサーバを導入している。同社のシステム担当者は、その最大の選定理由がスケーラビリティにあったと説明する。「他社の提案は、いずれもUNIXサーバとOracleデータベース、サード・パーティのアプリケーション製品の組み合わせというもの。しかし、これらはいずれも、CPUのパラレル処理を図らない単一構造的な考え方なので、必ずどこかに負荷集中によるボトルネックが生じる。また、これまでテラバイト・レベルの膨大なデータを、24時間365日安定的に稼動させたという実績がなかったので、信頼性の面でも不安が残っていた」。この問題を解決する切り札として、超並列処理によってリニアなスケールアウトが可能なNonStopサーバが採用されたのである。

またNASDAQでCTOを務めるジョン・ヒッキー氏も、「NonStopサーバのすばらしさは、ニーズの増加に応じてリニアにシステムを拡張できる点にある。我々が求めるミッションクリティカル要件を完ぺきに満たしてくれた」と絶賛する。

以下の表は、NonStopサーバの導入事例のいくつかをピックアップし、それぞれにおける選定ポイントをまとめたものである。この表に示されるように、NonStopサーバの信頼性と可用性、そしてスケーラビリティの高さで同製品が選ばれていることがわかる。

  <表:NonStopサーバ選定のポイント>
 
導入事例 用途 選定のポイント
NASDAQ
株取引システム 信頼性と可用性、スケーラビリティ
  VISA
電子決済サービス 信頼性と可用性、スケーラビリティ、オープン性
  国内の携帯電話会社
課金システム 信頼性と可用性、スケーラビリティ、通信分野での実績
  某家電メーカー
受発注システム 信頼性と可用性、スケーラビリティ
セイバー・ホールディングス
旅行予約システム 信頼性と可用性、スケーラビリティ、オープン性
グローリー工業
電子決済サービス 信頼性と可用性、金融分野での実績、保守サービスの継続性
  某コンビニエンスチェーン
受発注システム 信頼性と可用性

"オープンな基幹系"の登場

新基幹系サーバとしてのNonStopサーバに備わるもうひとつの特徴、それは“オープンな基幹系”ともいうべき性質だ。NonStopサーバでは、オープンシステムの標準的なテクノロジーやAPIをひととおりサポートしており、開発者から見れば一般的なUNIXサーバとほとんど同じ環境を整えている。  

例えばVISAやセイバーでは、NonStopサーバを選択した要因のひとつとして、このオープン性を上げている。VISAで技術サポートサービス担当副社長を務めるゴードン・タニューラ氏は、「NonStopサーバが提供するオープン標準の環境に移行することで、新しいサービスをタイムリーかつ簡単に導入可能になった」と説明する。またセイバーのアラン氏は、オープンでありつつメインフレーム並みのトランザクションをこなせる唯一の選択肢がNonStopサーバであったと明らかにする。「プロジェクトの当初からWindowsやLinux、UNIXといったオープンシステムを対象に検証作業を実施してきた。しかし、我々が求める信頼性、トランザクション量、データベース規模に対して、それらのプラットフォームでは要求を満たせないことが明らかになった。しかし2000年にHP NonStopサーバの担当者と出会い、同サーバによる検証作業を開始した。その結果、大量のトランザクションを24×7で扱いつつ、オープンシステムのインタフェース上でC++やJavaを利用するという我々の要件を満たせることが分かった」。  

以下の図は、NonStopサーバがサポートするオープンソフトウェア環境である。この図が示すように、Java/J2EEやWebサービス/SOA、CORBA、そしてODBCやJDBCといったSQL APIまで、ひととおりの標準APIが利用可能だ。またPOSIX 1003.1に100%準拠するUNIX環境を提供しており、開発者から見ればNonStopサーバは一般的なUNIXサーバとほとんど変わらない。
 
図3:NonStopサーバがサポートするオープンソフトウェア環境
図3:NonStopサーバがサポートするオープンソフトウェア環境
  実際、NonStopサーバの評価・検証を実施した大手SIベンダーでは、同サーバについて「UNIXとの親和性は高く実行環境としての違和感は少ない」「GNU系のツールも充実している」と評している。UNIXやLinuxの経験者であれば特別なトレーニングやスキルを必要とせずに開発を始めることができるのも、NonStopサーバが従来のメインフレームとは一線を画している部分だ。  

以上、ここではHP Integrity NonStopサーバを例にとり、新基幹系サーバと呼ばれる製品が持つ魅力をクローズアップした。メインフレームとUNIXサーバの間の大きなギャップを埋める"第3のプラットフォーム"として、新基幹系サーバは着実に足場を固めつつある。
 
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